隠れてていいよ

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これゾンから考える、感動シーンを感動するための条件

Bパート冒頭、歩がユウと話し合うシーン。感動的なシーンだと思いました。4話の全てはここに詰まっていると言っても過言ではありません。正確には、4話の全てはこのシーンに集約されている、でしょうか。涙こそ出ませんでしたが、とてもとても感動しました。

なぜこんなにも感動できたんだろう、と考えていて、以下の仮説を立てました。

  • 感動シーンに感動するためには、キャラクターに感情移入していることが重要である説

いやそりゃそうだろ、とお思いのあなた。なぜそのキャラに感情移入することできていると思いますか?

「感動」と「しらける」の紙一重

一歩間違えると「何言ってんだこいつ」とか「しらけるわぁ」となるのが、感動シーンなのかなと思います。そうならないためには、受け手側が感情移入している必要があると私は思います。これゾンはどうか? 間違いなく感情移入できる作品だと、断言できます。理由はずばり、ギャグ・エロ・シリアスの配分が完璧に近いからです。(参考:これゾンは「シリアスな笑い」これゾンのギャグ・エロ・シリアスの配分は凄い

なぜこの3つの配分が良いと、感情移入できるのでしょうか?

この配分に、黄金比があるという話は聞いたことがありません(知っておられる方が居ましたら、是非教えてください)。ですがこれらのバランスが良いと、どれか1つに偏っているよりも、キャラクターへの思い入れが強くなりがちではないでしょうか。

ある時は笑い、ある時はエロいと感じ、ある時はしんみりする。自身の感情の起伏が激しいと、それだけキャラクターを深く愛すことができる、と私は思います。情が移る、という言い方もできるでしょう。

もう少し具体的に

ユウというキャラクターは、一言で表すと「謎」だと私は思います。

  • 一言も喋らず、紙に書いて相手に見せることで意思疎通をする。
  • ガントレットとプレートアーマーという、よく分からない格好をしている。
  • 一見、感情がない(ように見える)。

また、無言で歩の傷を治したり、「死」という言葉に敏感に反応することもあります。かと思えばギャグっぽい発言をしたり、(歩の妄想の中で)エロ担当になったり。一貫性があるのか無いのか分からない、謎キャラです。

ユウというキャラクターの様々な面を見ることで、「ユウは、一体どんなキャラクターなんだろう?」と、自然に考えるようになっているのです。そう、いつの間にか、相当の思い入れがあるのです。

そうやって感じているところに、今回の4話なわけです。今までの言動は全て、伏線だった!、氷解!となるわけです。歩のセリフが、安っぽく感じないんです。不思議なものです。

まとめ

  • 感動シーンに感動するためには、キャラクターに感情移入していることが重要である説
    • 感動感動と言うけれども、私たちが心動かされるのには絶対に理由がある。
    • その理由の一つは、感情移入なのではないか?
    • キャラクターを多面的に見ることができれば、感情移入しやすい。
    • ギャグ・エロ・シリアスの配分比は、その尺度となるかもしれない。