- アニメの原作改変を肯定的に考えてみる
（りきおの雑記・ブログ）
上の記事から刺激を受けて。
例えば「改変」という言葉一つ取っても、非常にいろんな解釈の仕方が可能です。広義に解釈すれば、アニメ化自体が既に原作を変えてしまっているということになるでしょう。ライトノベルであれば文字を映像にしていますし、漫画であれば絵を映像化しています。「ストーリーが原作と違う」とか「キャラクターの性格が違う」とかそういう以前のレベル。原作がメディアミックスした時点で、原作改変が行われているという考え方です。
そうかと思えば、ストーリーが少しでも変わったことを「改悪」だと言う人もいます。非常に曖昧な表現方法だということが、分かっていただけると思いますし、そう感じている人も多いのではないかと思います。
私としては、（出来る限り広い意味での）「改変」はオッケーですが、（悲しかったり怒りがわいてくるような）「改悪」はダメというスタンス。「改変」「改悪」論議の結論から言うと、一般論では語れないくらい主観のレベルに落とし込められてしまうものであると考えています。
「改変」と「改悪」の違い
定義を作ってしまえば良いと思い考えていましたが、まず不可能であると感じました。なんせ、原作との違いをどう思うかは受け手によって左右されすぎてしまうから。例えば涼宮ハルヒのアニメ化について、私はかなり肯定的なのですが、原作ファンの中には否定的な人もいるでしょう。
いやいや、人によって感じ方が違うんだから、そりゃ人それぞれでしょうとお思いかもしれません。じゃあ、なぜ「改悪」議論が盛んに行われるのか、説明できません。いや、正確には説明できます。つまり、感情論は強い、ということです。自分が憤りを感じたことは、そう抑えきれるものではないということです。それが溢れ出るのは仕方のないことかと思います。
「人によって違うんだから…」で済んでもいいはずなんですが、いつのクールも、原作の改悪議論が盛んに行われている。もちろん、私も時々やってしまいます。電波的な彼女なんかは、超感情的に記事を書いたりもしました。
絶対に許さない
やってはいけない改悪とはなんでしょうか。一般論で語るのは難しいので、まず私の場合を書いてみます。
- 原作ではありえない言動をキャラクターが行う
いろいろ考えていたんですが、私の今までの経験を踏まえると、これに尽きると思います。
ありえないというと意味が広すぎるかもしれませんが、つまりは「キャラが変わってんじゃん」って言われたらそれはもう駄目だと私は思うのです。
いろんな感情が渦巻くのです。「キャラ崩壊させて、アニメ製作者は何を考えているんだよ…」「原作をぶち壊す気か」「アニメから入った人が勘違いするだろ！」「原作者はどう思ってるんだろう…」「絶対に許せない」。
色々と悲しくなりますよね。誰も不幸になるためにアニメ作っているわけじゃないし、罵るためにアニメを観ているわけではない（はずな）のに。受け手の怒りの矛先がどこへ向くかといえば、それは殆どが製作者側でしょう。
もう少し個人的な感情のお話
すぐ上でも書きましたが、やはり、ありえない言動をさせることが一番ショックが大きいです。原作厨と言われようが、なんと言われようが、やはり原作というのが崇高なものだと私は思うのです。誰もが満足するアニメ化ができないことは分かっていますが、それでも、自分の大好きなあのキャラクターが「あんな言動をしてしまうなんて…」と思うくらいの行動をしちゃったら…怒りと悲しみが同時に襲ってくるのです。
笑えばいいと思うよ
上では挙げませんでしたが、もう一点。原作で人気があるだろうシーンや演出、キャラのアイデンティティなどを蔑ろにするパターン、これもひどく落ち込むのでやめてほしい。例えばあるライトノベルにおいて、あるキャラクターはめったに笑うことがなく、それこそ1巻に1度笑うシーンがあるかどうか…というキャラ設定があったとします。それをアニメ化の際に安売りしてしまう、例えば1話という単位で笑うカットが入る…こういうパターンです。「おい、原作では笑顔のイラストが殆ど無いのにどうなってんだ…」「原作ファン馬鹿にしてんのか」とかね…もう考えただけでも恐ろしいです。
スタッフに愛されてなさそう
以前こんな記事を書いたんですが、スタッフに愛されているだろうアニメで改変されていないアニメはまずないでしょう。広義の意味では絶対に改変されているでしょうが、そこまで広く解釈しなくても、やはりどこかしら変化しているでしょう。
同じ改変なのに、一方は「愛されてそう」と感じ、もう一方は「改悪」「原作レイプ」と言われる。興味深いです。
