隠れてていいよ

主にアニメや漫画の感想を書いています

ハルナはワガママである。歩はワガママではなかった。ユウはワガママになりたかった。

ハルナは自分がやりたいと思ったことを絶対にやる。ワガママである。そんなワガママなハルナと付き合うと、ボロボロになる。それが歩である。

歩はユウのことが好きである。心のそこから好きである。そして歩は優しい。もしユウが夜の王を選ぶのなら、自分は大人しく引き下がるべきだ、と思うぐらいである。それほどユウが好きなのである。

ユウはハルナが羨ましいのである。ワガママに、自分の思いにストレートに行動できるハルナが羨ましいのである。でも、ハルナのように行動すれば自分の周りが不幸になってしまう、だからハルナにはなれない。ハルナが羨ましいのである。

自分のワガママを通せばどうなるか分かっている、だから歩の家には戻らない、そう決めて歩の家から消えたはずだった。なのに、未練があった。だから、歩の家の前に来てしまったのだ。
セラフィムもまた未練があった。もう吸血忍者生きることはできないという覚悟を決めて、ユウを殺せという命令に背いた。なのに、吸血忍者として生きたい、と未練が残っている。


ハルナはワガママである。歩はワガママではなかった。ユウはワガママになりたかった。

これゾンが描きたかったこと

これはゾンビですか? 11話は非常に美しい話でした。人を変える、変えていく。様々の人間関係が昇華されていく。


アニメは8・9話辺りから、原作のストーリー展開と全く違います。ですが、ゴールは同じです。そこへ至る過程が違うだけです。これゾンが素晴らしいところは、原作が最も言いたいことを間違えないことなのです。

夜の王編で描かれるものの内、絶対に外してはならないことは、歩・ユウ・ハルナ・セラ、それぞれの人間関係について一区切りをつけることだと私は思っています。そしてそれは、きっちり11話までで行われました。だから素晴らしいの一言なんです。
確かに都合のいいシーン・展開が多かったようには思います。ですが、それ以上に、人間関係をきっちりと描き切ったことが凄い。


++++
ここ数話展開が早かったことは間違いありません。そのせいで理解が追いつかない人が多かったことも事実だと思います。ですが、今一度、各キャラの思いを感じながら見ていただければ、考え方が変わるかもしれません。


でも確かに、ちょっと駆け足でしたね。

最後に

11話で特に心に残ったシーンについて2つ書きます。


今回ユウが言葉を発しましたが、あのシーンはトテツモナク重要なシーンなのです。単に「喋った」という一言で表せるシーンではないのです。その理由については上で書きましたが、ユウの心が解き放たれた瞬間なのです。「シャァベッタァァァァァァァ!!!」とかネタに走っている余裕が無いくらい素晴らしいシーンなのです。感動しました。

そしてもう一つ。ヴァイオリンを弾いていたものの、メガロの数が多すぎてセラが諦めようとしたシーン。そのセラの所へ、サラスバティが吸血忍者を率いてやってくる。「奏でろ! セラフィム!」のセリフと共に音楽が奏でられる。このシーンが素晴らしかったです。