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『ペルソナ4』 13、14話で感じた3つの「つながり」

本記事は、『ペルソナ4』13、14話のネタバレを含みます。



13、14話「A Stormy Summer Vacation」を見ました。言いたいことは大きく2つで、

  • 菜々子ちゃんが可愛い
  • 「つながり」を感じた

どちらも、視聴された方なら感じておられることだと思いますので、敢えてダラダラ書く必要はないのかもしれませんが、特に後者「つながり」については強く思う所があったので言語化しておきたいと思います。


「つながり」とは

本記事の「つながり」とは何を意味するのか。大きく3つの切り口から考えます。

  • 13話と14話がそれぞれ「謎」と「謎解き」に対応しているという「つながり」
  • 番長が人助けをすることによって、結果的に頭から血を流した女性を助けられた、というストーリー的な「つながり」
  • 番長が夏休み中、人と「つながり」を持っていたということ

「謎」と「謎解き」

つながりとは、まず第一には13話と14話がそれぞれ「謎」と「謎解き」に対応していることを意味しています。
13、14話では番長の夏休み中の内容が、2つの視点から描かれます。帰ってくるのが遅かったり、やけに疲れている番長(鳴上)を見て心配する菜々子ちゃん視点が13話で描かれ、14話では、13話で描かれなかった番長視点から謎解きが描かれる。
13話で「一体どういうことだろう」と思った疑問が、14話では綺麗に描かれるためものすごく納得感を得ることができました。
うまい構成だなぁと感じた方が多かったのではないでしょうか。

ストーリーのつながり

次に、物語がつながっているという点。
これは13話から始まった番長の謎の行動のすべてが最後、血を流した女性を助けることに見事につながるという流れのことです。もちろん、番長に関わった人が皆、良い方向へと導かれたという意味も含みます。


14話、「8月20日、鳴上悠の激動の夏休みは、ついにクライマックスを迎えることになる」という煽りから始まるBパートで私たちは、特に目まぐるしいつながりを体感することになります。
一部を文章化すると以下のようになります。

  1. 偶然にも髪櫛のおばあさんに出会い、髪櫛を返す。返した場所で偶然、家庭教師で教えている生徒を見つけ、花火の問題を解決する
  2. 生徒が盗んだ花火を返しに行こうとするが、以前おもちゃ破壊問題で揉めた両親子が祭り会場で再び揉め、頭から血を流す怪我に発展、偶然に巡り合わせる番長。髪櫛のおばあさんイベントで知り合ったナースに電話をする
  3. 出血を抑えるためには長い布が必要で、それは菜々子が助けた女性のマフラーを偶然にも使うことができた。患部を冷やす氷は、菜々子が助けたお陰で届いた氷の出前でまかなうことができた
  4. 何とか花火開始までに花火を返す。以下、番長に関わった人たちのエピローグが描かれる


番長の行動が全てつながっていく、素敵なシーンです。上で「偶然」と書いたところは、全て「必然」であると私たちは感じ取れるわけです。
2つの話を見てきた視聴者にとって、最もカタルシスを感じるシーンではないでしょうか。私はとても感動しました。

番長の「つながり」

そして最後に、番長の「つながり」という点。本記事の肝はここです。

8月25日まで、まさに「嵐のような」夏休みを過ごした番長。前述したように、番長は多くの人と関わり、その人達に影響を与え、また番長自身も成長したように思います。
ある意味では平和で、当たり前のような日常を過ごす14話の番長を見て、私は12話「It's Not Empty At All」を思い出しました。


12話で番長は、ゲーマーのシャドウに精神攻撃を仕掛けられます。この精神攻撃とは何だったのかというと、今思えば「つながりを断つ」攻撃だったのではないかと感じます。
精神攻撃内では、一連の事件の犯人が逮捕されたことで、もう皆で集まる必要が無くなりました。当初は、事件が終わっても皆で集まろうね、なんて言っていたのに、徐々に関係が希薄になっていく。りせ、クマ、完二、千枝、雪子、そして最後は花村。
シャドウは最後、「何もない。全ては無だ。仲間なんて幻、君も一人だ。空っぽだ」という言葉と共に、鳴上の精神を完全に破壊しようとします。鳴上の手を握り現実世界に引き戻したのは花村でした。いえ、花村だけじゃありません。現実世界には、仲間が、皆が居ました。つながりがありました。
自分とペルソナの関係、「仲間」「つながり」を確かめたいかのように、次々とペルソナを顕現させていく番長はとても印象に残っています。



12話、シャドウの精神攻撃内で夏休みはどのように描かれたのかというと、8月28日まで一気に飛ばされていました。反対に13、14話ではどうだったかというと前述したように、8月25日まで、人々との「つながり」を感じさせながら詳細に描かれます。
ここに私は「つながり」という、強い対比を感じました。12話を見返したことで改めて「つながり」をより強く感じることができ、感動しました。

12話終了後に@chekisoraさんに教えていただいたことなのですが、精神攻撃の詳細な描写は原作には無いオリジナル展開だそうです。アニメ12話で精神攻撃をネットリと描いたのは、13、14話を見終わってからの視聴者に、12話を思い出してもらい、強く納得してもらう、感情移入してもらうためだったのではないでしょうか。
12話を見返して、私はそんな風に感じました。


終わりに

というわけで2クール目に突入したペルソナ4ですが、勢いが衰えるどころか、ますます楽しめています。本記事では取り上げませんでしたが、相変わらず菜々子ちゃんも可愛いです。
またOPも変わりましたが、サビの部分、メガネを通して延々と戦闘シーンが描かれる部分が素敵です。



本記事では「つながり」について考察しました。もしかしたら堅苦しく感じた方もいらっしゃるかもしれません。ですがペルソナ4は肩の力を抜いて視聴できるアニメだと私は思っています。既に2クール目に突入しましたが、今から視聴を始めてもまだ間に合うんじゃないかと思っています。
上で紹介したニコニコ動画ですが、現在12話が配信されています。ちょうど1クール目の締めの話です。すなわち次回の更新からは2クール目に突入するというナイスタイミングなわけです。
もしペルソナ4を切ってしまったり離脱してしまった方も、これを機に視聴を再開、なんてどうでしょう。