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『まなびストレート!』 5話 なぜこんなにも心が動かされるのだろうか

現在、『まなびストレート!』を再視聴しながら当時を振り返る企画をコソコソやっています。気になった方は、企画趣旨のページを是非御覧下さいませ。『まなびストレート!』関連記事一覧はこちらから


前回4話では、衛藤芽生が中心に描かれました。
関連:まなびストレート!』 4話 皆が全力で取り組もうと努力したからこその「エンター!」


4話では、芽生が抱える問題の第一段階を芽生自身が乗り越えたように思います。そうは言っても、まだまだ「スタートラインに立った」という表現が正しいしょうか。



制作側としては、芽生がみんなと既に打ち解けているところから5話をスタートさせることもできたわけですが、本作品はそれをしませんでした。

では何をやったかというと、みかんと芽生を対比させ、お互いの気持を伝えること、通わせること、そして協力して成し遂げることを描きました。

以下、印象に残ったシーンを幾つかピックアップします。

Aパート、手紙を出す芽生

芽生の「自分から積極的に周りと絡むのは無理、だけど友だちが欲しくないわけじゃない」という気持ち。これは物語全体を通して描かれている部分ですが、5話の、芽生がみかんに宛てた手紙の内容はそれはもう、リアルで、感情移入できました。


「私はあまり人と話をするのは得意じゃなくて。でも友達が欲しくないってわけでもなくて。どう書けばいいかわからないけど、稲森さんは優しくて、明るくて、色々お話できたら嬉しいなって思います。生徒会、一緒にがんばろうね。」


本編では手紙の内容が芽生の声で流れます。みかんが芽生の書いた手紙を頭の中で再生しているイメージなのですが、この時の、芽生役の平野綾さんの演技が半端無く上手い。
勇気を出して自分の気持ちをしたためました、というのはもちろん文面から伝わってくるのですが、それを声で表現するとこうなる、というのをばっちりと感じさせてもらいました。
平野綾さんは芽生役を素晴らしく演じていらっしゃいますが、特に感情がこもるシーンでの演技は本当に素晴らしい。後述する「うん」という演技も本当に素晴らしいです。


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Bパート冒頭、みかんと芽生がテーマを考えることを決定するシーン

芽生「みんな思いつきでモノを言うんだから」
みかん「思いつきじゃないよ、二人でテーマを考えてみたかったんだよ。芽生ちゃんと二人で」
芽生「そういうの思いつきっていうのよ」
みかん「一緒にがんばろうね、芽生ちゃん」
芽生「うん」


もうね、顔がニヤケないほうがおかしいほどの素晴らしいシーンです。時間としては短いです。だけど、この数十秒のシーンの中に、圧倒的な感情が込められているんです。もう凄いのなんの。

特に芽生の最後のセリフ「うん」の破壊力はすごい。これは、芽生の本心の気持ち、頑張って伝えた気持ち、うれしい気持ち、もう全部全部が詰まっている「うん」なんですよ。


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学校屋上で、空を眺めるシーン

夜空に広がる星空の開放感、それは気持ちが良いのと同時に、アンニュイな気分にもさせてくれます。


屋上の芝生の上で仰向けになり、少し風の吹く中で、満天の星空を見あげれば……あなたはどんな気持ちになりますか。
わたしは芽生とみかんが二人、屋上で仰向けになって空を眺めるシーンを見ると、本当に様々な想いが混ざった、変な気持ちになってしまいます。

特に、仰向けになる前は少し難しい顔で悩んでいるのだけど、みかんに誘われて仰向けになりそして満月と星空を眺めた瞬間に、何か強いモノを感じる芽生を見ると、ほんとうに本当に胸が苦しくなります。



音楽も相まって、もう言葉に出来ないほど素晴らしいシーンです。


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トモダチからナカマ

最終的に、学園祭のテーマは「トモダチからナカマへ」となる。



このテーマを見た瞬間、何を感じましたか。私は、感動せずにはいられませんでした。

「芽生ちゃんと友達に、そして仲間になれたみたいに、学園祭を通してもっとたくさんの人たちと仲間になれたら……そんな想いで」

この言葉には一切の嘘がなく、作った感がなく、まさしく、みかんと芽生の二人の関係が描かれた4話までそして5話、これらを見てきた視聴者にとって、何も違和感がなく、だからこそ心の底からストーリーへと感情移入できるのです。


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終わりに

繰り返し言い過ぎると陳腐に聞こえるかもしれませんが、まなびストレート!は本当に素晴らしい作品です。
物語は6話以降、さらに加速していきます。再視聴、楽しんでいこうと思います。


放送当時の各話感想: