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隠れてていいよ

主にアニメや漫画の感想を書いています

いわゆる萌え4コマには小見出しが少ないのですか?

私が雑誌媒体で4コマ漫画を一番読んでいたのは小学生でした。母方の実家に帰るために電車に揺られて1時間ほど。その間の時間つぶしとして、なぜかいつも駅のホームの売店で、4コマ漫画の雑誌を買ってもらって、そして読んでいました。

その雑誌とはいわゆる「まんがタイム」系列の作品で、確か「まんがタイムオリジナル」とか「まんがタイムファミリー」とか「まんがタイムスペシャル」とかだったと記憶しています。
Wikipediaで作品名を眺めるだけで瞬間的に思い出せる作品は結構あって、例えば『ラディカル・ホスピタル』は強く印象に残っていたり。他にもタイトルだけでは思い出せないけど絵を見れば分かるだろうなぁという作品が多くあります。

さて、当時読んでいたそれら「まんがタイム」の雑誌は、たしかに一部カワイイ系の絵がなかったとは言い切れませんが、それはもう少数派も少数派だと記憶していて、多くはおっさん系というかなんというか、大人の女性が読むような内容というか、そういう感じだったと思う。内容を小学生の自分が理解できていたかといえばやはりそうではなく、ジャンプにおいてジョジョだけ読み飛ばすようなそういう流れは確かにあったと思う。



少し前、今年の8月頃でしょうか。フォロワーのえすじさん(ブログ「マンダリンオレンジ」http://d.hatena.ne.jp/esuji5/)とこんな会話を交わしていました。











えすじさんは4コマ漫画について非常に造詣が深い方ですから(ブログでも4コマに関連する内容を沢山扱っていらっしゃいます)、こうやって勧められたのだから思い切って買ってみようと、何となくアニメイトに寄った際に『まんがタイムきらら』10月号を手に取りました(リンク先はAmazon、非アマゾン・アソシエイト)。




いわゆる「萌え4コマ」がたくさん載っています雑誌です。というか、いわゆるという言葉を付ける必要はないのかもしれません。というのも、『まんがタイムきらら』という4コマ誌は「萌え」と「4コマ」を組み合わせるという想いの元で生まれた雑誌だからです(参考:【ぷらちな】萌え4コマ、いいカンジ? まんがタイムきらら編集部インタビュー)。
まんがタイムきらら』で連載されている作品には何があるんだってばよ、という問に対しては、最近アニメ化された作品だと『あっちこっち』(作者:異識)、アニメ化が決定した『ゆゆ式』(作者:三上小又)と答えるのがベターでしょうか。ちなみに『ひだまりスケッチ』が連載されているのは『まんがタイムきららキャラット』なんだからねっ。


さて、そんな『まんがタイムきらら』を読んでいてふと思ったことがありました。
「あれ、小見出しがある作品が少ない」
小見出しとは、4コマ1つにおけるサブタイトルとでも言いましょうか、すなわちあの4コマの上についている見出しのことを指しています。

記事の流れ

結論から言えば別に萌え4コマだから小見出しが少ないとは一概には言えないと思いました。しかしいわゆる「萌え4コマ」には共通したメソッドがあるように感じているので、「萌え4コマには小見出しが少ない」については今後も考えていきたいと思います。また萌えだけでなく、4コマ漫画全体を例えば「ストーリー系」「不条理系」「脱力系」などのように分類した場合に、小見出しについて何かしらの傾向があるのではないかとも感じました。以下では、こういう思考に至るプロセスと、4コマに関連した内容を書いています。

4コマ漫画の分類とか

まんがタイムきらら』10月号には24作品が連載されていました(『あっちこっち』、『さつきコンプレックス』の2作品は休載)。そのうち、小見出しがついていた作品とそうでない作品を以下に並べてみます。なお括弧内は作者名です。小見出し有り無しそれぞれ連載順です。また新連載は[新]、ゲストは[ゲ]、最終回は[終]というようなマークを付けています。

まんがタイムきらら』10月号
全24作品(内ゲスト4作品、新連載1作品、最終回1作品、休載2作品)

小見出し有り(8作品) 小見出し無し(16作品)
『しかくいシカク』(ざら)
チェリーブロッサム!』(茶菓山しん太)
『JOB&JOY』(井上かーく) ゆゆ式』(三上小又
『コドクの中のワタシ』(華々つぼみ) 『女子大生生活様式』(オゲ)[ゲ]
かみさまのいうとおり!』(湖西晶 『すいまさんといっしょ』(みじんこうか)[新]
『スマイル・スタイル』(筋肉☆太郎) 『箱入りドロップス』(津留崎優)
『ステスル×メイツ』(ととねみぎ 『ごきチャ』(るい・たまち)[ゲ]
『かいちょー☆』(武シノブ) 棺担ぎのクロ。〜懐中旅話〜』(きゆづきさとこ
『Rainbow☆Starbow』(BeLL) 『リリウムあんさんぶる』(あそか)
- 『月曜日の空飛ぶオレンジ。』(あfろ)[ゲ]
- 『ごめんね。夏目ちゃん』(あんねこ)
- 『少女公団アパートメント』(ms)[終]
- 天然あるみにゅーむ!』(こむそう)
- 『うちのざしきわらしが』(てっけんとう
- 『ハルカにめぐる!』(茶々)[ゲ]
- 『プレフレ』(ちび丸)
- 三者三葉』(荒井チェリー


こうやってデータを調べてみると、予想以上にゲスト作品が多いのだなぁと思ったり。


さて、小見出しが少ないと感じていたのは気のせいではなく、実際に少ないようで24作品中8作品しか小見出しを持つ作品がありませんでした。賢明な読者の方々はこのデータを持ってして「萌4コマは小見出しが少ない作品が多すぎるwwww」などと吹聴しないことは分かっておりますが、そうは言っても、久々に手にとった4コマ漫画(萌え系)にここまで小見出しがないと違和感を覚えることは間違いなかったのでした。


そう、確かに第一印象としてはそうだったのですが、冷静に考えてみると本当にその他の4コマ雑誌については小見出しが付いている作品ばかりが連載されているんでしょうか。また、今回たまたま10月号ではゲスト作品が小見出しが無かっただけなのかもしれません。というかそもそも、4コマ漫画の歴史を鑑みた時、小見出しを付けるのが一般的だったのでしょうか(サザエさんって小見出しが無かったですよね?)。


4コマ漫画全作品の小見出し比率みたいなことは本記事では残念ながら時間の関係で調査を行なっておりませんが、軽くグーグル先生で調べてみても4コマ漫画のデータベースのようなものは存在しないようで(私が知らないだけかしら)、どなたかの調査を待ちたいと思います(投げやり)。
ただ近いうちに、萌え系以外の4コマ雑誌と、『まんがタイムきらら』以外の萌4コマ雑誌を購入して比較しようかなぁと思っています。

4コマ漫画も奥が深い

調査も行わず投げっぱなしで記事を終えるのは後味が悪いので、ここからは4コマ漫画についていくつか考えてみたことを羅列します。

そもそも「萌え4コマ」という括り方が大雑把すぎるのではないか

先ほども触れましたが、4コマ漫画は例えば

  • シュール系
  • ストーリー系
  • 不条理系
  • 脱力系
  • 萌え系

などと分類されることがあるようです。これらは完全に別物すなわち「この作品は○○系だ」と言い切れるというよりは、まず主軸となる「◯◯系」が当てはまり、そこに別要素の「◯◯系」の度合いが関わってくるのではないか。つまり「この作品は○○系であるが、そこに◯◯の要素がこれぐらい強くて、たまに◯◯の要素があって、より◯◯寄りだ」というような言い方がされるのではないか。

何が言いたいかというと、ある作品を「◯◯系の作品だ」と一つに決め付けるという考え方は危ういのではないか、ということです。
例えば「最近の萌え4コマは」などと揶揄されて「萌え4コマ」という言葉が使われる時、「萌え4コマ作品が全体として一つに扱われているように感じる」けれども、実際に萌え4コマを読んでみれば「案外、各々作品が色を持っているのではないか」ということです。
「最近の萌えアニメは」だとか、「最近のライトノベルはどれも同じようなのばっか」だとかと同様に「最近の萌え4コマは」という言葉が氾濫しているのではないか、と思ったりするわけです。


とは言え、先程も引用したえすじさんのツイート

のように、確かに読んでいて疲れたのは確かなんです。最初から最後まで一気に読むことができませんでした。でも、イコール作品が全く同じような内容だったのかと言われたら違うと私は答えます。だけど同じだと感じた部分もある。

違うと感じた部分は、

  • テンポ
  • キャラクターの男女構成比率
  • キャラクターの考え方や行動原理

などであり、特に3つ目が顕著。当たり前だけど本当に似たようなキャラっていうのは一人もいませんよ。各キャラクターが何に感動するのか、泣くのか、笑うのか、怒るのか、照れるのか……というのは違うわけで、そんなそれぞれが違うキャラが異なるテンポで関わりあうのだから、作品が同じに見えるわけがありません。
しかし一方で同じだと感じた部分もある。これは先ほどのえすじさんのツイートを引用させていただくと、

  • 各世界観と各キャラクターのコミュニケーションを処理し続ける

ということに他ならない。世界観という事で言えば、やはり「学生」が多い。学校生活がメインなのか日常生活がメインなのかに違いはあれど、背景には「学生」という身分が横たわっており、その上でコミュニケーションが行われるという構図は多くの作品で共通しています。そして萌え4コマですから、やはり「絵が可愛い」ということも共通している。結果、雑誌媒体で何作品も続けて読むと疲れてきたりする。



以上のことから「萌え4コマ」という括りで全体を扱うことには反対だけども、そうは言っても「同じような世界観でキャラクターがコミュニケーションを続ける」というメソッドに「かわいいキャラクター」を当てはめているのが萌え4コマ、という意見を完全に否定はできません。

ただ冷静に考えると「同じような世界観でキャラクターがコミュニケーションを続ける」メソッドはどの4コマにもある意味では当てはまるわけですから、萌え4コマの場合はここに「学生」「可愛い絵」という要素が強く関わってきているのだと思います。
萌え4コマの議論をする際は、きっちり定義を確認しておかないとややこしくなりそうです。アニメと同様、4コマの世界も深いです。


萌え系に限らず最近の作品傾向として小見出しが少ない作品が多いのではないか

これもあくまで仮説になりますが、現在生み出されている4コマ漫画が全体として小見出しが少なくなってきているのではないか。しかしその原因が分からないから、その理由付けのために萌え4コマが引き合いに出されているのではないか(ただし、この根本には「萌え4コマ小見出しが少ない作品が多い」と言われている、という前提があるため、そこが証明されない限りこの議論にあまり意味が無い)。
以下は思考実験ですが、例えば、

  • 萌え4コマに見出しがない作品が多い→最近は萌え4コマが盛り上がっている→結果的に小見出しが少なくなってきているように感じる人が多い→萌え4コマのメインターゲットは若い人であり、若い人はネットに発信している(匿名かもしれないし半匿名かもしれない)→結果、小見出しが減っている原因が4コマ漫画に起因しているという流れになっている

これに対して、

  • 最近は萌え4コマはどれも同じだ、みたいな同調圧力がある→しかし実は萌え4コマに限らず全体的に見出しが少ない4コマが増えている→しかしどうしてもネットではライトオタク向けのネタが映える→結果萌え4コマが槍玉に挙げられやすく、無意味な批判がされている

とか。  


このへんは肌感覚で4コマ漫画のことを分かっている人の意見を聞くべきだとは思っている。

アニメでも同じ

少し4コマとはそれますが。
「最近は萌えアニメが溢れており、辟易している」とか「ライトオタクに媚びている作品が多い」とか、いわゆる「全てをひとまとめにして批判するスタイル」はアニメの世界でも毎日のように言われていることですが、本当にアニメをちゃんと見てそれを言っているのかと100万回問いたい。萌えアニメっていう定義も難しいわけだし。
2012年夏アニメでいえば、

極論ですが。



本記事のタイトルは「いわゆる萌え4コマには小見出しが少ないのですか?」ですが、これも本気でそう思って書いていたのなら4コマ漫画や漫画について「分かっている」人からは物言いがついたのだと思います、今私が極論したように。
なんでもそうだと思いますが、一括りにして語るのは楽なんですよね。でもその場合は、批判されることは覚悟しないといけないでしょうね。

終わりに

久々に雑誌媒体の4コマ漫画を読んで思うところがあったので、筆を執りました。実際に手にとって見ないとわからないことが多いなと改めて感じたのでした。

まんがタイムきららは350円なんですが、費用対効果としては雑誌の4コマ漫画って結構良いと思うんですよね。今後も何となく4コマ漫画に手を出してみようかなぁとか思ったのでした。



皆さんも、雑誌媒体の4コマ漫画を一度手にとって見ては如何でしょうか。