隠れてていいよ

主にアニメや漫画の感想を書いています

アニメを見るようになったきっかけってなんですか?

今でこそ呼吸をするように深夜アニメを見ていますが、もちろん私にも「はじめての☆しんやあにめ」みたいな時期があったわけです。


ツイプレッション : 今の時代、どうやってアニオタになるんですかね

この記事を読んで、自分がアニオタになったきっかけってどんなだったかなぁと思い出してたら色々書きたくなったので、駄文を連ねたいと思います。懐古厨にならないように気を使っているつもりですので、一読いただければ幸いです。

初めて見た深夜アニメは「偶然」

私が初めて見た深夜アニメは無印『D.C.ダ・カーポ〜』で、当時は高校生でした。元記事においても編成の大切さについて記載されていますが、私がダ・カーポを見たのは独立U局であるところの「KBS京都」でした(今は東京に住んでいますが、地元は京都です)。なぜ深夜アニメを見たのか覚えていない程度には「偶然」であり、本当にたまたま、ちょっと夜にテレビをつけたらアニメがやっていて、ちょろっと見た、というものでした。実は当時、クラスにダカーポが好きなオタクの友達が一人居て、その友達からダ・カーポについてちょっとレクチャーを受けたことがあったので、偶然見た深夜アニメであったけれども記憶に残ったのでした。ただし最初の深夜アニメが、その後の深夜アニメライクに密接に繋がったのかといえばそうではありませんでした。


私が高校生の頃は、私の観測範囲においては、アニメオタクどころかオタクというものに対してまだまだ偏見が残っていましたので、そもそもアニメを話題に上げること自体が少なかったように思います。光回線どころか、ブロードバンド回線が今まさに爆発的に普及しようとしていた頃で(某社がモデムをやたらと配っていた)、2ちゃんねるはまだまだアングラ的存在でした(当たり前ですが動画共有サービスの「ど」の字も無い時代です)。
今のように過剰な情報に溢れていたわけではない私がなぜ濃いオタクへ進化(退化かだろうか)したかといえば、それはネットコミュニケーションが原因であったと言うほかありません。
高校生で初めてチャットという概念に出会い(MSNメッセンジャー)、某ゲームのチャット付きロビーに入り浸り、そこで沢山の「匿名な」ネットの人たちと交流していました。顔も見たことのない人と毎日毎日数時間も話をするという感覚は私にはあまりに新鮮で快感で、当時の私をネットに強く訴求する理由としては充分なものでした。
そのネットコミュニティの中で、今でもずっと永遠の師匠であるところの「オタクの師匠」に出会い、その方から多くのこと(オタク全般何でも)を学んで、冥府魔道に落ちていったのでした。



さて、私のブログ名は「隠れてていいよ」というのですが、これは「隠れオタク」という意味が含まれています。今でも「隠れオタク」という言葉は使われていると思うのですが、これは私の感覚ですが、ちょっと意味合いが違ってきているのかなと思います。

ファッションとして消化されるオタク趣味

前述したとおり私が高校生の頃は、私の観測範囲においてはアニメオタクどころかオタクというものに対してまだまだ偏見が残っていました。ですから、学校の話題において深夜アニメの話題が出ること自体がまずありませんでした。
アニメは一人で楽しめるのはもちろんですが、やはり自分以外の誰かと関わることでより楽しくなることは否定出来ません。「あのアニメが面白かった」「あの話のあのシーンは笑ったよなぁ」……まぁアニメに限ったことではないと思いますが、共通の話題で盛り上がるというのはいつの時代もスタンダードなわけです。だからみんな必死に話題のものを最低限チェックしたりするんですね。
共通の話題とは何かといえば、やはりそれはテレビや音楽、ファッションの占める割合が多いわけです。そしてそういう「共通の暗黙の話題」が存在している中でアニメの話題を出すことは憚られるわけです。すると、アニメオタクは肩身が狭くなり、必然隠れオタクとなってしまう。少なくとも私は隠れオタクでしたし、今でも隠れています。


果たして今はどうなのだろうか。直接高校生などの学生にヒアリングしたわけではないので仮説ベースになりますが、共通の話題としてアニメや漫画、ライトノベル、エロゲなどといった、いわゆるサブカルチャーが当たり前に存在していると考えています。テレビで最新情報をチェックする感覚でまとめブログの情報をチェックして、ネットで話題の情報に詳しくなっておくということが半義務化しているのではないか、と推測しています。
とは言っても別にオタクそのものが一般市民権を得ているとは思っていなくて、仮説の上に仮説を重ねる形になっていますが、大きくは以下の様な分類になっていると勝手に推測しています。

  1. 今までどおり「オタク的なもの」を忌避する人
  2. ファッションとしてオタク趣味を取り入れている人
  3. 隠れオタク的ポジションに居て、2.の人達と相容れられない人
  4. その他

もう少し推測で語らせてもらえれば、今までは1.と3.で区分されていたから3.の層は1.の層を無視していればよかったのに、2.の層が入ることで、3.の人が辛い思いをしているのではないか、とか勝手に思っちゃってます。

ちょっと話を戻して

「今の時代、どうやってアニオタになるんですかね」という問に対して、私はきっかけ自体は何でも案外あるんじゃないかと思っていて、問題はそこからアニメを趣味としていけるのか、という点のほうが実は問題なのではないかと思っています。


……


と、ここまで書いてふと感じたのは、私のここまでの意見すなわち「アニメとの出会いではなく、その先のオタクライフの方が本質」はちょっと「都会」の話をしすぎているのかも、ということです。何が都会で何が田舎かの定義議論は置いておいて、例えば私の生まれの京都というのはアニメオタクにとって、またアニメに触れるきっかけとしては充分都会だったなぁと思います。テレビ大阪KBS京都、場所によってはサンテレビが映るところもあり、それなりにカバー出来ていましたし、MBSアニメシャワーなんかあったり(関西に居た頃はとてもお世話になりました)。ここ数年、U局を除いてもおそらく1クール平均10本以上放送されているだろうし。
ちなみに京都の人がKBS京都テレビ大阪をぱちぱちするかどうかですが、私が京都で過ごした20年以上の中で、家族はそれなりにぱちぱちしていた気もします。例えばテレビ大阪なんかだと深夜にパチンコ情報番組がやっていまして、大体それがアニメ放送直前の1時からとかだったりするんですよね。大学生まで自分の部屋にテレビが無かったので、父がパチンコ番組を見終わって寝静まろうかとした瞬間にチャンネルを変更し、音量を極限まで下げてバレないようにアニメを見る、ということはよくやっていました。


というわけで改めてテレビ編成の観点で「偶然見るかどうか」で考えると、確かにキー局、準キー局(地域によっては独立U局も)といった、普段のチャンネル変更の範囲内(パチパチしてみる)でアニメが放送しているかどうかは非常に重要な要素であると思いました。

ニコニコ動画には期待しています

今ではニコニコ動画でアニメが配信されていることは当たり前になっていて、且つ大量といっても差し支えないアニメが配信されています。しかし本格的にアニメが配信されるようになったのは最近といっても過言ではありません。本数的には2007年に2本、08年に5本、09年に7本と僅かだったのが10年から20本以上、11年には年間50本以上配信されていました(ソースはニコニコ公式アニメ - Wikipedia)。ちなみに天体戦士サンレッドの配信は2008年10月と知って、あぁなんか昔だなぁとわけもわからない感慨に浸ってしまいました。

また最近は新作だけでなく旧作の一挙放送を行なっていたり、昔のアニメ、今であれば

などを毎週1話ずつ無料で配信していたりします。さらに無料ではないですが、ちょっと前のアニメなんかが結構配信されていたりします。

関連:ニコニコ動画で配信中のアニメ作品一覧とは (ニコニコドウガデハイシンチュウノアニメサクヒンイチランとは) - ニコニコ大百科



ニコニコ動画は、成長すると共にポータルサイトになってきています。ニコニコ動画のトップページを見れば、むしろニコニコ「動画」がメインではない、ぐらいに思うくらいには多くのコンテンツが並べられています。

多くの人が昔(今でもか?)、Yahooのトップページをお気に入りにしていたように、ニコニコ動画がお気に入りになるような当たり前の時代が来れば、アニメに触れるきっかけっていうのは格段に増えるんじゃないかなぁと思います。
なぜここまでニコニコを推すかって言うと、濃いアニメオタク向けとは違うからなんですね。例えばバンダイチャンネルの見放題サービスなんかは結構コア向けでコンテンツも豊富なんですが、アニメを全く見ない人にとっては興味が無い部分だと思うんです(もちろんターゲットが違うから当たり前だけど)。
ニコニコでは前述したようにポータルサイトの役割が増せば導線となるだろうし、導線の先では最新アニメから旧作、また一挙放送やWeb最速放送などアニメへの入り方が幅広いのです。「ニコニコのトップページに行けば何かしらアニメに出会うことができる」という形が見えるのです。

ただ元記事にあるような「今の深夜アニメを、どうやって深夜までテレビ見ている中高生に広く見せていくか」という観点で見れば、どこまで多くの中高生がネットというものに接しているのかが肌感覚でわからないので、このへん是非リアルな意見を聞いてみたいものです。


ちなみに私はニコニコでアニメを結構見ます。ただしニコニコでは2回目以降の視聴か、もしくは短編アニメが主です。良いお話を見ると、ニコニコでどういうふうに捉えられているのかなぁと見たくなるのです(立派なニコニコ中毒です)。

終わりに

アニメは何より「知ってもらう」ことがまず重要だと私は思っていて、「そんなアニメ興味ねーよ」と言われている裏で話題にすら上がらないアニメが沢山あると思っています。誰もが誰も多量見しているわけじゃないし誰もが毎期アニメをチェックしているわけでもないわけですから、ライト層はもちろんのことその前段階、元記事で言及されているような「深夜までテレビ見ている中高生」を如何に取り込んでいき、そしていろんなアニメに触れてもらうかは重要だと思っています。



さて、皆さんがアニメを見だしたきっかけってなんでしょうかね。