読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

隠れてていいよ

主にアニメや漫画の感想を書いています

アニメにおける、艦これの「提督」的なキャラクターの描き方とかエロゲ原作アニメについて

艦隊これくしょん -艦これ-

現在放送中のアニメ『艦隊これくしょん -艦これ-』通称艦これでは、提督と呼ばれるキャラクターが、存在はするものの目に見える形で描かれないという演出が取られています。
私自身は原作のWebブラウザゲームである艦これをプレイしたことがないので、あまり詳しく語ることはできないと最初に前提を置かせていただきますが、少し調べるところによりますと、原作では提督はプレイするユーザ自身であり明確にビジュアルが描かれたことはないそうです。

「あれ、普通のゲームってユーザ=プレイヤーじゃないのか」と自分が過去にプレイしたゲームを思い返してみると、確かに「主人公」と呼ばれるような、造形が存在するもののほうが圧倒的に多かったです。RPGであれば間違いなく「主人公」が存在するし、パズルゲームだって存在する(ぷよぷよならアルル、パネルでポンならリップ)。主人公論とかを語るつもりはないし語れはしないのでこの辺りでやめておきますが、とは言え私がこれまでプレイしてきたゲームは、多かれ少なかれ主人公が明確に存在するものが多かったように思います。
逆に存在しなかったものといえばなんだろうと考えると、電車でゴーとかザ・コンビニとか、よくわからない釣りのゲームぐらいしか思いつきません。後はボードゲーム系でしょうか(人生ゲームとか桃鉄とか)。桃鉄は「○○社長」と呼ばれるので、提督に近いものがあるかもしれませんね。



さて、原作付きのアニメにおける原作とはマンガ、ゲーム、ライトノベルが多くを占めており、9割以上、主人公は存在していると思います(漫画とライトノベルは100%でしょうか)。だから、艦これのように「主人公が明確に存在しない問題」に直面する作品は比較的少ないです。
比較的少ないとはいえ、ゲームに関しては事例はあります。最も有名だと思われるのはやはり「アイドルマスター」でしょうか(XENOGLOSSIAではない方です)。このゲームでは、ユーザは「プロデューサー」となりアイドルをプロデュースします。原作のアーケード及びゲームではセリフだけはあるそうなので厳密には違うのかもしれませんが、各ユーザがプロデューサーとしてプレイするという性質は、艦これのそれと似ています。今期放送中のシンデレラガールズもそれにあたるでしょう。
ところで、「事例はあります」などと書いたものの、アイドルマスター以外を考えても例が中々出てこないという体たらくです。ラブプラスがアニメ化されていたらそれに当たるのかなと思いましたが、まだアニメ化されていないようですし(されていないですよね?)。キミキスはどうかなと思ったのですが、私はプレイしたことがなく、ネットを調べて見る限りではビジュアルこそあまり描かれないもののキャラはめちゃくちゃ立っているようですし(そういえばアニメでは二人に分裂していましたよね)。ソーシャルゲームならどうか、と思いましたが大体主人公が居るんですよね。
もう少し調べてみると、『ガールフレンド(仮)』が、「ユーザ=主人公」のゲームだと思われます。ただしアニメ化に際しては、男性は一切排除されたようです。
もしまさに「これだ」というものがあれば教えてもらいたい。なお私は艦これを3話までしか見ていませんので、その前提でよろしくお願いします。

提督を描かないのはなぜか?

先ほど例に出した『ガールフレンド(仮)』では男性主人公を排除したそうですが、艦これでは排除はしていません。提督というポジションはアニメ内に存在するのですが、ビジュアルで明確に描かれず、提督がまるでそこにいるかのように艦娘がリアクションを取る、というある種のギャグみたいな感じになっています(初めて見た時、私は吹き出しました)。

なぜ明確に男性主人公、「提督」を描かないのでしょうか。最も単純に思いつく答えは、描いてしまうとファンから総スカンを食らうため、です。女性が多く登場し、プレイしているユーザが各々のキャラクターに思い入れが出てくるタイプのゲームでは、たとえ恋愛要素が無かったとしても、ユーザはそのキャラクターを愛していることにほかなりません。となると、自分ではない主人公が登場し、女性キャラクターと好き勝手やることは気分が良くないわけです。なぜならゲームのプレイ中は自分が主人公なのに対し、アニメではその「主人公」が主人公だからです。もし個別ルートがあるシステムのゲームの場合、泥沼化が必須となること請け合いです。身も蓋もない言い方をすれば「なんで俺の○○がこんな仕打ちを受けなあかんねん」ということです。
そんな難しい問題に対して「プロデューサーを出す」という判断をしたアイドルマスターXENOGLOSSIAではない方)は、大成功したと思います。既に小さくないコンテンツであり、各キャラクターに対する思い入れも半端ではないファンが集まっている(と私は思っている)アイドルマスターに、プロデューサーをきちんと登場させるという判断は、相当の覚悟が必要だったことでしょう。


艦これでは、少なくとも3話までにおいて提督の考えというものは見えづらくなっています。艦娘たちのリアクションや、戦況などから推測するしかありません。しかし排除はされていないので、視聴者の意識には留まります。個人的には、とても中途半端な印象を受けます。「描いてしまうとファンから総スカンを食らうため」が理由でこの演出方法をとったのだとしたら、それは本当に逃げるためだけに取った方法だと思います。なぜなら、提督が描かれないことが、ストーリーに重要な役割を果たしているとは思えないからです。
では、もしそうでないならばどんな理由でこの演出方法を選んだのでしょうか。あるとすれば、艦娘に焦点を当てたかったというものだと思います。提督の指示を受けて動く、という設定が必要であれば提督の登場は必須である、だけども提督を描くとそちらへ意識が行くので、明確には描かないようにしよう、と。
ただし、提督の指示を受けて動く、という設定を出している以上は提督から意識をそらすことなど、ストーリーの中でどうでもよいポジションにすることなどできないわけで、やはりこの理由でもない気がします。まだ3話しか放送されていない中で決めつけは良くないので、4話以降の演出に注目したいと思います。

提督はどんな描かれ方をされるべきか?

原作をプレイしていない私が何を言っても説得力はないのかもしれませんが、少し考えます。考えるにあたって、ギャルゲ・エロゲ原作のアニメについて少しお話します。
ギャルゲ・エロゲ原作アニメでは「誰を選んでも不幸になる」問題というものがあります(私が今勝手につけました)。恋愛シミュレーションゲームはその殆どが複数の女性ヒロインが登場し、個別ルートが存在します。もちろんハーレムエンドを備えているものもありますが、原則個別ルートです。つまりマルチシナリオ・エンディングです。
4クールでもやらないかぎり、全てのヒロインのルートをアニメ化することは不可能です。すると、優遇される子・されない子というのが必ず発生します。誰かを選べば、選ばれなかったヒロインを好きなファンから怒られるし、オリジナルストーリーにすれば「これは○○ではない」と前提から否定されてしまう、と。
過去、多くのギャルゲ・エロゲがアニメ化されてきましたが、様々の手法が行われてきました。思いつくままに書き出してみます。

共通ルートに近いものを描いた後に、個別ルートに入るパターン

これはクラナドが代表的でしょうか。

共通ルートに近いものを描いた後に、作品のテーマを押さえた話に入るパターン

無印ダ・カーポがこれにあたるでしょうか。

共通ルートに近いものを描いた後に、作品のテーマを押さえた話に入ったけれども、最後は無理やりハーレム(うやむや)エンド

書いておきながら具体例がすぐに出てこない。最終話で突然日常に戻って「わっはっは」って終わる感じのタイプもの。終わり方をを放棄したもの。

共通ルートに近いものを描いた後に、作品のテーマを抑えた話に入ったけれども、最後はなんか魔法みたいなもので解決するもの

ほら、あれです。

監督が原作やってない

ほら、あれですよ。

設定はもらいながらも、かなりオリジナル

XENOGLOSSIAがすぐに思い浮かびました。後はtrue tearsも一応そうでしょうか。恋姫無双もそうなのかな。

設定はもらいながらも、そこそこオリジナル

Φなる・あぷろーちとか。



すいません、途中からネタっぽくなってしまいましたが、つまりそれだけギャルゲ・エロゲ原作つまりマルチシナリオ・エンディングを持つ作品のアニメ化は難しいということです。一応最近のギャルゲ・エロゲ原作アニメの名誉のために言っておくと、私はここ3年ぐらいまともにアニメを見れていないのでその辺り差し引いてもらえれば。私が最もアニメを集中的に見ていたのは2006年から2010年ぐらいにかけてで、その頃の印象がどうしても強く出てしまうのです。
(非常にどうでもよい話なのですが、ななついろドロップスというエロゲ原作アニメを1クール目までしか見ていないことを今思い出しました)


さて提督問題は、マルチシナリオ問題に似ていると思います。どうやっても恨まれるという点は特にです。というところで、過去に見たエロゲ・ギャルゲ原作アニメを元に提督問題を考えてみます。
まず、原作をきちんとやりきるという方法が挙げられます。最近ではFateがこれにあたるでしょうか。比較的文句が出にくい方法ですが、よほどクオリティを高くしないと、内容がないアニメと言われがちになります。艦これはストーリーというストーリーが無いようですから、この手法は難しいですね。
そうなるとやはり、原作のエッセンスを取り入れながらもオリジナルのストーリーを展開する手法がベターだと思います。このポイントは「原作に敬意を払いつつ、アニメという尺に収めて楽しくする」ことだと思います。ただし、一番難しい方法だと思います。オリジナルを作ることと、殆ど変わらないでしょうから。
オリジナルのアイディアを考えてみました。例えば、原作ゲームでもいろんなタイプの提督(例えばマッタリプレイ派や重課金派など)がいるのだと思いますが、それらの中で一つ絞って登場させて描いてみるとか。重課金提督とか面白そうですね。
次に、神視点で、毎話終わり際にゲームをプレイしている提督が描かれるとか。アニメはアニメなんだけれども、あくまで提督がプレイしてるという設定で。
後は、複数の提督が出てくるとか。それぞれ抱える艦娘が違うとか(これは原作的にはありえないことなのかな)。
でも、こうやって思い切ってめちゃくちゃやるぐらいのほうが楽しそうだなぁと思ってしまいます。


オリジナルを取り入れる手法が「ベターだと思います」というのは私の個人的な想いですね。「原作のエッセンスを取り入れながらもオリジナルのストーリーにする」ってめちゃくちゃ面白いじゃないですか。艦これは既にストーリー構成が決まっているでしょうから、後は座して待つだけですね。

終わりに

これら諸問題は、きちんとまとめるとなると大変な作業なので、ぜひとも様々の人が書いた文章を読んでみたいです。時間が取れれば自分でもきちんとまとめてみたいですが、えげつない調査が必要だと思うので、今は無理そうです。

何はともあれ、艦これはまだ3話なんです。決めつけはまだまだ早いです。楽しんでいきましょう。