隠れてていいよ

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2週連続 社会の厳しさを教える『手裏剣戦隊ニンニンジャー』

先週放送された第14話「助けてサギにご用心!」、そして今週の第15話「妖怪、ワタシ失敗しないので」は、どちらも「騙す」をテーマにした内容でした。

14話は、声真似ができる妖怪ヤマビコが電話で「ピンチなの! 助かるためには全員分の忍シュリケンが必要なの!」と妹の風花を騙り兄の天晴に電話をし、変身に必要となる忍シュリケンを持ってこさせるという荒業を使いました。振り込め詐欺に近い手法でして、シュリケンの受け渡しも主犯の妖怪が直接行くのではなく下っ端を人間に変化させて取りに行かせます。気づいた時にはもう遅く、変身できずに苦戦を強いられる……という流れでした。
シュリケンは兄妹それぞれが持っているので、持っていくためには皆から集めなければならなかったのですが、天晴が「みんな、何も聞かずにシュリケンを貸してくれ」と懇願すると、訝しげながらも、真剣な天晴を見てシュリケンを差し出すことになります。
「すぐに持ってきて! 緊急なの!」と煽ることで天晴に冷静な判断をできないようにし、通常なら冷静なはずの兄妹たちをも納得させるような真剣な表情にさせる、そして「直接行けないからあの人に渡して」と足がつかないようする……まさしく振り込め詐欺の手法そのものです。


15話は、さらに巧妙な手口でした。妖怪フタクチオンナは、人をだますことが得意な妖怪です。スターニンジャーのオトモ忍*1のロデオマルに声をかけ、「君は劣悪な環境で働かせられている。代わりにスターニンジャーと交渉してあげよう。だからこの契約書に拇印を押して」と唆し、契約を結ばせてしまいます。契約を結んでしまったロデオマルは操られてしまい暴走。それを止めるためにスターニンジャーはロデオ丸と話そうとしますが、交渉を一任されているフタクチオンナに阻まれます。
フタクチオンナは、ロデオ丸を止めたければこの契約書にサインをしなさいと今度はスターニンジャーに迫ります。非常に小さな字で様々の条件が記載されている契約書を、ロクに読まずに拇印をおそうとするスターニンジャー……見かねた霞姉と八雲がスターニンジャーの代理人を引き受けることで、フタクチオンナとの交渉戦が始まります。
交渉中、暴走したロデオマルが仲間を傷つけるのを見てスターニンジャーは拇印を押してしまいます。たちまち操られるスターニンジャー……。フタクチオンナはそれを盾に、ロデオマルとスターニンジャーを止めるためにはこの契約書をと、今度は霞姉と八雲に契約を迫ります。
交渉の場はフタクチオンナが創りだした別空間なのですが、暴走する仲間とそれを何とかしようとする兄妹を交渉の場の窓から見せることで、精神的に追い詰めて、判を押させる……という巧妙な、しかし交渉の基本とでもいうような手口を見せてくれました。

どちらの話も「いやいや、それ騙されてるよ」と我々視聴者は突っ込みながら見ているわけですが、それと同時に全国のちびっこたちが、お父さんお母さんに諭されている姿が容易に想像できて一人微笑んでいました。もちろん、子供のほうが悪意に素直に敏感であることもあるので、「だめええええ」と叫んでいた図も想像でき、また一人微笑んでいました。


頭脳戦にニンニンジャーは立ち向かえるか

この2週、少し頭をつかうような戦い方を敵がしてきているのは偶然ではありません。ラスボスである牙鬼幻月の家老、晦 正影(つごもり まさかげ)が登場してからです。晦正影は、ただ何も考えずに真正面から戦うを好まず、じっくりと外堀から埋めていく考え方を持っているようです。まさに策士です。
そんな晦正影が取った手段が、ここ2週の「変身できなければどうということはない」「オトモ忍から切り崩す」というものでした。「変身」「合体」という十八番に対して切り込む晦正影から目が話せません。

終わりに

ところで晦正影は、十六夜 九衛門(いざよい きゅうえもん)のことを「はちえもん」「じゅうえもん」などとわざと名前を間違えて読ぶことでからかいますが、そのからかいに毎度ツッコミ返したり、あまりに何度も突っ込まれるので呆れたりする九衛門が可愛すぎてなりません。声優は潘めぐみさんで、ちょっとボーイッシュな感じが私の心を打ちます。

さぁ、みなさんもダマされないためにニンニンジャーを見よう!


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*1:オトモ忍シュリケンと忍者一番刀の「呼」ボタンによって召喚されるニンニンジャーの巨大戦力(手裏剣戦隊ニンニンジャー - Wikipediaより引用)