隠れてていいよ

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『小林さんちのメイドラゴン』は日常系アニメだった

全13話、全て見終わりましたので最後に締めの記事をば。

この感じだと、ドタバタ日常系+シリアスをちょっとだけ混ぜるよ、でも最後は笑顔で大団円! という単純な想像をしていますけれども、この想像の斜め上をぜひ行ってほしいと思っています。

『小林さんちのメイドラゴン』は日常系アニメだった……のか? - 隠れてていいよ

7話まで見た感想にて上記を書いていたのですが、最終話まで見終わって、やはり特に捻りはなく、すんなりと終わりました。
良くも悪くも、普通の日常系、でした。

なぜ普通の日常系で終わってしまったのかについて少し書いてみようかなと思います。

キャラクターの掘り下げが間に合わなかった

1クールにもかかわらず、それなりにキャラクターも登場したことで、一人ひとりのキャラクターの掘り下げはやはり甘くなっていたと思います。
例えばトールはヒロインですが、圧倒的ヒロイン感は感じられませんでした。トールって、常識人なんですよね、元がドラゴンなだけに。伊達に長く生きていないというか。
小林さんに諌められたらちゃんと言うこと聞いて、しゅんっとなったり反省したりするんですよ。ドラゴン味が薄いというか。

そこが多分トールの良さでもあるんですが、それだけでは足りない……ヒロイン感……。圧倒的ヒロイン感がない。
色気を出しまくるでもないし、ボケ続けたりもしない、妹でもない……そう、良くも悪くも可愛い普通の女の子になっていたのかなと。

トール
常識的なメイドさん。良くも悪くも可愛い普通の女の子
カンナ
妹ではない子供キャラ。とても空気が読める可愛い女の子。常識人
ルコア
お色気担当お姉さん。基本は翔太くんとセットのため、出番は控えめ。常識人
ファフニール
ゲーマー担当……ではなく人間には愚かではないものもいるのだな担当。常識人
エルマ
だしに使われる担当。妖怪尺稼ぎ。甘いもの好き。多分バカ

なんという圧倒的常識人たちの集まり。
もちろん各人癖はあるのですが、いかんせんキャラクター数が多いため、掘り下げが間に合わない。2クールぐらい無いと多分間に合わない感じ。
加えてトールのシリアスストーリーも入れていく必要があるとなれば、1クールでは収まらず。

また、ドラゴン達だけでもこんなに居るのに、人間の方まで掘り下げるのは更に難しい。小林さんですら、メイド好き設定はそれほど生かされませんでしたし。ここは惜しい。
もっとメイドメイドした、はっちゃけた回がたくさんっても良かったと思う。全員ひん剥きとメイド姿にさせる、は必要だったかと(願望)。
滝谷くん始めとするキャラクターたちは、そもそも登場回数が少ないので絡みづらく広げづらい。才川リコちゃんはかろうじてキャラ立てされた感はあるものの、昇天ネタは天丼しすぎると刺激は減る。

別作品で『這いよれ! ニャル子さん』という作品がありますが、こちらも設定的には少し似ていて、クトゥルー神話に登場するキャラクターが容姿を美少女に変えていたりするのですが、ニャル子さんばりにギャグを突っ走るというのも方向性としてはあったのかもしれないなと。

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異種に対して主人公が意見するのは定番
画像は公式サイトより引用(http://maidragon.jp/story/episode.php#4)

終わりに

個人的に今回小林さんちのメイドラゴンを「普通の日常系」と感じてしまったのは、ギャグに徹しきれていなかったからかなと。ギャグとシリアスを混ぜる場合、特に1クールであればギャグを8割から9割くらいにしないと間延び感を感じてしまう派なので。逆に言えば、ぼうっと眺めているには最適なアニメであるとも言える。

とはいえ、久々の京アニアニメは、リハビリにはもってこいだったかもしれません。