終わりました。結論だけ先に言うと、ちょっと詰め込みすぎた感が否めなかった、でしょうか。もう1話あれば、もう少しゆったりと話を進めることが出来たと思います。
では、もう少し細かい事に入っていきますが、まず菜々香が記憶を思い出したことでトラウマが蘇り精神的に不安定になる、という状況はよく理解できました。それほどその当時の記憶が精神的にダメージがあったということがわかります。その後、リスカをするところも、悲惨な演出ということで、痛々しかったですし、菜々香がそこまで追い詰められていたということもよく分かりました。しかし、その後佐菜が説得するシーンにちょっと強引さを感じてしまいました。つまり、「自分と同じ境遇だからわかる」解決法なのですが、この解決法はうまく使わないと本当に強引に感じてしまうと思うのです。うまく使うというのがまた難しいと思うわけでして。この解決法って悪くいえば卑怯だと思うんです。というのは、「あんたなんかにわかるわけないじゃないっ」→「いやわかるよ」→「解決」という図式がかなり成り立ちやすいからなんです。つまり、今までのアドバンテージを全て跳ね返して一気に有利な方向に持ち込める武器なんですよね。では、今回の佐菜の場合はどうであったかですが、佐菜が中学時代にいじめられていて、そしてリスカを隠すために時計をしていたんだよ、というエピソードは、おそらく視聴者側としては「えー、そうだったのか。なるほど、このための伏線だったんだな」というよりは「いきなりそんなエピソードを持ち出すんですか」だと私は思いました。結局はそれで一気に話は解決し、そして10年後に飛び、菜々香の野外コンサートで終わるというオチなのですが、これもちょっと強引だと私は思いました。はたして10年後に飛ばす意味があったのかどうか。うまくまとめる、という意味では10年後に飛ばす意味はあったのだとは思います。つまり、朱里と修輔のことだとか、あさみのことだとか、菜々香や麻緒衣のことだとか…人間関係がが10年も立てばきれいに改善されているということです。雛子も大きくなっていましたしね、でも胸はぺったんこのままでした。
さて、前々から危惧していた麻緒衣の件ですが、10年後に飛ばされてしまったせいで登場シーンどころではありませんでした。10年後に飛ばされるまでは菜々香と佐菜しか出てこず、他のキャラクターたちは全くの蚊帳の外。結局終わってみれば完全な菜々香ルートだったわけです。今更ですが菜々香に焦点がずっと当てられ続けていましたものね。ギャルゲーやエロゲをアニメ化するにあたって一番難しいのはやはりヒロインたちをどう扱うかですが、このアニメに関しては菜々香ルート、つまり誰か特定のヒロインエンドとなったわけです。私としては、このアニメにはハーレムエンドというか、うやむやエンド的なものになって欲しかったのが本音です。朱里と修輔の問題を二人の退場なしに解決し、菜々香の問題も出来れば最終回のAパートまでに解決し、その後日常パートで終了してほしかったなぁと。これが最も納得できる終わり方じゃないのかなぁと13話見続けてきて思いました。
とまぁ、どんな終わり方をしようとも面白かったことは事実でした。良いキャラ、良いストーリー、若干空気が読めない佐菜と、毎週全く飽きず見ることが出来ました、良いアニメでした。最終回にちょっと不満が残りましたが、それもまた良いのかもしれません。お金と時間に余裕が出来たらゲームの方もプレイしてみたいと思います。麻緒衣ルートがどういった展開になるのがとても気になるのです。そういえば、ゲームには修輔と朱里のルートがないらしいですね。これはゲームでねっとりと描いて欲しかっただけにちょっと残念です。