隠れてていいよ

主にアニメや漫画の感想を書いています

サマーウォーズはぼくらのウォーゲームの作り直し

とかそんな感想見てもつまらんでしょう。さて、見にいけるかどうか不安ではありましたがうまく予定が合いましてサマーウォーズを鑑賞してまいりましたのでいつもの様な感想をば。ネタバレになるので、まだ見ておられない方は目を通されないほうがいいと思います。極力ネタバレを避けるというものではなく、作品の感想をつらつらと書いているのでお気をつけください。




何はともあれ、まず仮想世界OZの魅力がたまりませんでした。アバンで、いきなりOZの世界観の説明がだーっとされた所で完璧にこの世界に引き込まれたと思います。映画館補正は多少あるでしょうがしかしそれでも、OZという現実には存在しない仮想空間が広がっているというイメージを持つことが容易に出来たと思います。サマーウォーズという映画の情報をほとんど仕入れていなかったためか、仮想世界が出てくることすら知りませんでした。エヴァ破を3度見に行ってその都度サマーウォーズの宣伝していたのは覚えていたのですが、ほとんどそういった世界観の説明がなされていなかったと記憶しています。というのもあり、全くまっさらな状態でいきなり冒頭からOZの世界がばーっとスクリーンに広がるわけでして、それはもういい刺激になりました。
さて、今作のおそらく主人公だと思われる小磯健二。そしてヒロインだと思われる篠原夏希。まずはこの二人の登場から物語りは始まるわけですが、二人のギクシャク感がまずたまりませんでした。ギクシャクというより、ギャップといいますか。数学オリンピックの日本代表に選ばれ損ねるくらい数学が得意な健二が出す誕生日問題。夏希の「曜日まで覚えてないわ」な発言には確かにという共感を覚えるとともにかなり笑ってしまいました。逆に、陣内家へと着くと今度は健二がその雰囲気に呑まれる方へと回ります。一気に家族紹介が行われ、こんなにいっぱい覚えられるわけがないと劇中の健二と同じ心境でしたが、案外見終えた後は名前を覚えているものですね。
そんなこんなをしている間に再び電脳世界へとステージは移るわけです。そこで登場するのが我らがアイドル佳主馬くんです。長男というキーワードが出るまではもしかしたら、という希望を持っていましたが残念、男の子でした。可愛い男の子も好きですがやはりカッコいいかわいい女の子の方が好きなんです。しかしいくら男だと言われても脳内ではすでに女の子として見た方がいいと言っているのでなるべく女の子として見てました。さて、このカズマがキングカズマというアバターの持ち主であったという事なんですが、初めてキングカズマがカズマのアバターだという事がばれるシーン、とてもよかったです。ある意味で王道といえば王道なんですが、つまり何気ないところでキングカズマの活躍を見せておいて、その後ピンチに現れて実はそれは身近にいた〜でしたっていうものなんですが、実に良かったです。キングカズマが出てきた瞬間一斉に他のアバターたちが「キター」という発言をするのもとてもよい演出だと思いました。
侘助という、健二よりも主人公じゃないかと疑ってしまいそうなキャラが出てきた時、もしやNTR展開があるのかとワクワクしましたがなんと夏希の初恋だったというオチは良かったです。最初は悪い印象なんだけど、後に行くにつれその人物が本当は心優しいキャラであるという展開が私は大好きなので、侘助というキャラクターにはとても愛着がわきました。侘助に関連したシーンで最も良かったのは、夏希からばあちゃんの死を聞かされるシーンでした。停車中の車内で電話をしている侘助の背景には人ごみが描かれているわけですが、そこにふと立ち止まる影が2つあるわけです。それはまさしく昔のばあちゃんと侘助の姿なんですね。それを見た瞬間、あぁ侘助は本当はばあちゃんのことが本当に大切で大事で好きなんだという事が分かってしまうわけです。ここのシーンは感動しました。侘助から直接ばあちゃんの死における動揺を見れなくても、このばあちゃんと侘助二人が手をつないでいるシーンがあるだけで推測させて理解させてくれる、このシーンはとてもよかったです。
さて、もう一度OZの描写のお話に戻ります。このOZでは現実世界で起こっていることが仮想世界に描かれていたと思います。その中でも、ラブマシーンを封じ込める作戦のシーンでの、マシンの熱暴走によって城が崩れていってしまうシーンがとてもよかったです。2度目になってしまいくどいのですが、つまり現実世界に起こっていること、やっていることが実際に仮想世界に描写されるというのが非常にワクワクするんですね。ネットのハッキングのシーンなどはよく仮想化されたりしていますが(どこどこに侵入してハッキングをするという動作を映像化することで視覚的に分かりやすくしたりするなど)、まさにOZの世界はそういうものの集大成といいますか、どこを見てもそういうものが見え隠れしているんです。こういう描写や演出が好きな人にとってはまさに垂涎ものだと思います。
もっと細かく見ていくと際限がないのですが、やはり実際見に行って感じるのが良いと思います。映画館に行って見る価値のあった作品だったと思います。細かい描写を見逃しているところがありそうなので2回見るのも楽しいかもしれません。