シーンをカットすればそこはカットする所じゃないだろうと言われ、じゃあどうすればいいんだろうとなると多分どうやっても叩かれる。
しかし一番してはいけないことは、キャラクターならそのキャラクターが決してやらない言動を取らせること。
出荷作業と場所の影響でどうやら4日発売だった「紅 kure-nai4巻『電波的な彼女 幸福ゲーム 』アニメDVD付予約限定版」を明日に受け取ることになるようです。電波的な彼女第一弾アニメ化(紅3巻限定版付属)については以前記事を書きました。まさに「原作厨涙目」な感想を書いてしまっているのが悔しいです。はてなキーワードさんによりますと原作厨とは
だそうです。蔑称という名の通り、主にその人たちを蔑む形で使われていることが多いように思われます。最近だと大分に減ってきたように思える「ラノベ→アニメ」の流れ、またラノベに限らずいわゆる別媒体での原作がアニメ化されるケース、つまり完全オリジナルアニメではないケース(true tearsなどは微妙なケースですがおそらくオリジナルに含まれると思います)。つまり、アニメ化され視聴するよりも先に原作に手を出しているケースの事です。アニメの感想を書かれるサイトでは「このアニメは原作既読」だとか「このゲームは一応プレイ済み」という記述をよく見かけるのではないかと思われますが、つまりこれは自分の立ち位置(スタンス)を明らかにしているということです。こうすることで、例えば予防線を張っておくことになりますし例えば今から書く感想はそれなりのスタンスに則ったものになりますよと宣言することにもなります。前者、予防線を張るという意味合いについて少し書きますと、例えば今からこの作品に対してよくないことを書いてしまうことをお許しください、ということです。冷静に考えるとひどい事ですが、しかし書かずにはいられないのですから原作厨なんです。ただその作品に手を出している、程度なら「ここのシーンは原作だと〜なんですけどアニメでは〜なりましたねー。原作だと結構かっこいいんですがアニメだとちょっと微妙でしたねー」程度で終わるところが、原作厨になると「ここのシーンは原作だと〜で〜で〜で、さらに〜でこうなるんですけど、アニメではなんと考えられないことに〜のシーンをこんなにも削ってるんですよ。この作品の重要なところを削ってどうするんだよって感じですよね」となります。なぜ後者の文章に不快感を覚えるのかといいますと、比較という域を超えてしまっているからだと私は思います。自分の中である種の神格化がなされている物に対しては必死になってしまうんですよね。同じように思っている同志からすればそれは非常に共感を覚えるものとなるのですが、ただ単にその作品に対しての思いを読みたいだけの方にしてみると、ただの罵詈雑言が並べてあるだけのひどい文章になってしまうわけです。
原作を大切にしすぎる人たちへの蔑称。又は軽く自己卑下する時の自称。他メディアへと展開した時、原作と違う面白さを認めない傾向にある。
だからこそ、原作を知ってしまっている作品の感想を書くということは非常に難しい。ピュアではないんです。私がアニメに熱中しだしてしばらくは、「アニメ→他媒体」は多かったものの(というより買っているほとんどの漫画はアニメから)、「原作→アニメ」はほとんどありませんでした。実際、原作を知っていてアニメ化された作品は数えるほどしかありません。いくつか挙げるとすればハヤテのごとく、狼と香辛料、ドクロちゃん(OVAですが)、とらドラなどでしょうか。まだいくつかはあると思うのですが非常に少ないですし、逆に言うとアニメから入った作品がとても多いです。前者の、アニメよりも先に知っていた作品はネットで取り上げられていたり個人のサイトで取り上げられていたりしたものに興味を抱いて買ったという理由が多いです。ハヤテは今亡きある個人のテキストサイト、狼と香辛料はどこかの2chまとめサイト、ドクロちゃんは表紙買い、とらドラは作者の前作品からでその前作品はネットのどこかしらの情報からです。
ほとんどの作品を私は純粋な気持ちで見ることができているというある意味で恵まれた環境だったわけです。恵まれているのかどうかは個人の考え方に差があると思いますが、前述した通り私は新鮮な気持ちでその作品を評価できるという点で非常に恵まれていると思います。
長くなってきたのでまとめに入っていきますが、原作を知った上でアニメ化されたものに対して満足がいかず意見したい場合には、少なくともしっかりと理由を明記しないとただの乱暴な文章になってしまうという事です。特によく見られるものとしては「アニメ見たけど原作からかけ離れすぎててあきれたわ。1話切り確定」などでしょうか。この感想に対して一体何が読み取れるかといえば、いかにその作品に愛を注いでないのか、ということです。つまり議論の余地がもう無いんですよね。はたして上のような感想を残した方に対して「まぁ確かに原作からかなり変えてきたけど〜は良かったんじゃね?」といったような返信をしたらまともな返答が帰ってくると期待できるでしょうか。褒めるにしろ貶すにしろ意見するにしろ、議論の余地を残さない感想はあまりよくないなと私は思います。
その作品に対して納得がいかなければ、それだけ思うことを文章化して伝えてみれば良いと思うんです。それを削って削って「これは駄目」という一言だけ残しても良くないと思います。少しずれるかもしれませんが「1話切り」という言葉はなんともまぁ残酷ですし、私からすればもったいないなの一言です。しかしその1話切りでさえも、自分の思いのたけを添えてやればいいんです。
こういった考え方を大事にしようといつも感想を書いてますし、また上で紹介した電波的な彼女の第一弾アニメ化に際しての感想もそのつもりで書いたものです。それでも読み直してみるとひどい箇所がところどころ見られます。ですが、その作品に対する愛情の裏返しでもあるんです。行き過ぎなものは置いておいて、必死に必死にその作品に対して書かれた文や思いっていうのは素晴らしいものです。だから許してね、という事を言いたいのではなく、作品に対して真剣だからこそ書かれる酷評も多々あるということです。原作→アニメでそういった思いをしたことがある方はよくわかるのではないかと思います。