隠れてていいよ

主にアニメや漫画の感想を書いています

フラクタルのワクワク感は異常

訂正:この記事では主人公の名前を「クレイ」と書いていますが、正しくは「クレイン」でした。ご迷惑をおかけしました。


今期話題の作品の一つ、フラクタル。技術的な話(作画とか、この人が描く作品は云々)は色んな人がやってくれるでしょうから、感情的なお話を主にしていこうと思います。とは言いつつも、話題性のある人たちが作っている作品ですので、それに触れないわけにはいかないでしょう。

監督は、山本寛さん。シリーズ構成は岡田麿里さん。ストーリー原案は、東浩紀さん。
3人について、山本寛さんに関わるのはかんなぎ以来。なんだかんだ言って、山本寛さんは好き。楽しみです。シリーズ構成の岡田麿里さんを初めて意識したのはtrue tears。少なくともtrue tearsという作品に関しての岡田さんのイメージは良くない。東浩紀さんは、テレビやニコ生などを通してそれなりに知っています。ただ、この人がどういう思想を持っている云々は専門外です。氏が書かれたクォンタム・ファミリーズは読んでいます。

というわけで、そんな立ち位置で進みます。

「出会い」

第1話のサブタイトルは「出会い」。このタイトルは、まさにこの1話を表していて、凄い。ボーイミーツガールって素晴らしい。
フリュネという女の子に出会う主人公クレイ。クレイは女の子どころか、生身のニンゲンに出会うのは初めてだという設定。その初々しさ、初めて女の子に触れる主人公の感情…この表現方法が半端ない。例えば、フリュネを助けるために崖に下り、初めて会話を交わすシーン。その際のクレイの「えっ、えぇ!?」って、顔を赤らめながら驚くシーンとか、何回観直しても脳汁が出る。少なくとも1話は、フリュネよりもクレイに萌えるアニメ。

フラクタルシステムという設定を理解する

設定考察するのはまどか☆マギカで十分だよ…と放り出すわけにはいきません。さて、東浩紀さんが書かれているせいなのか分かりませんが、非常にややこしい世界構造になってそうですね。フラクタルシステムって何やねん、フリュネは何者なの?っていうツッコミから、この時代の技術はどこまで進んでいるの? まで。

1話で強く感じたのは、このシステムを崩壊させるのが物語の主軸になるのかどうか、ということ。フリュネはクレイの笑顔を「違う」と言います。それは、クレイが子供の頃に両親と触れ合っている時に見せている笑顔と比較してなのです。今のクレイと当時のクレイ、何が一番違うのか。それは生身の人間と共に生きているかどうか、でしょう。つまり、ビデオに写っていたクレイの笑顔は、両親と触れ合っていた頃の笑顔。今のクレイの笑顔は、そうでない笑顔。その違いに、フリュネは涙するのです。

フリュネは、公式サイトのキャラ紹介によると、フラクタルシステム」を管理する“僧院”の若き巫女だそうです。そして、その僧院から逃げ出してきたというのが1話の顛末なようです。そうなると、フリュネはこのフラクタルシステムを良く思っていない可能性が高いわけです。このシステムのおかげで世界は幸せになったのかもしれない、しかしフリュネはそうではないと思い始めていた。そしてそれは、実際にクレイという少年に出会ってさらに強く感じることになる、と。

世界構造に物申す!的ストーリーは実に面白い。フラクタルは、見ていてワクワク感が凄い。1話もくり返しくり返し見てしまいました。オススメです。