ちょっと前ですが、「アニメから入った人が、これゾン原作を読んでみた」という記事で、ライトノベル「これはゾンビですか?1 はい、魔装少女です」の感想を書きました。書評というよりは、アニメと比較しながらの感じたことを書きました。
今回の記事は、どちらかと言えばラノベ自体の感想ということになります。ただ、個別個別のシーンにツッコミを入れていくスタイルというよりは、全体を俯瞰するような、そんな内容になっております。
原作2巻、「これはゾンビですか?2 そう、私は死を呼ぶもの」の内容は、アニメ7話以降のネタバレになる可能性が大いにありますので、その辺り、ご自分でご判断下さいませ。
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1巻でも思っていたこと
この作品の文章・文体は、全てではないものの、非常に切れ目がありません。つまり、場面転換が非常に分かりにくいのです。誰かが敵と戦っていたと思っていたら、いつの間にか別の人が別の敵と戦っているシーンになっていたり、別キャラクターが登場したはずなのに登場した感じがしないなど。
これゾンは、プロローグから始まり、第1話、2話、…、第n話、エピローグという流れになっています。1話2話などの切れ目はあるものの、その話の中での切れ目が殆ど無いのです。いや、切れ目はあるんですが、それが読んでいて非常に分かりにくいのです。
これについては、人によって好みがわかれると思います。「今どんな状態かわからないので、話の流れが理解しにくい」と思う方と、「ダダダダダダァって頭に直接流しこむように読める」と思う方がいるのではないか、と思います。ちなみに私は後者で、これゾンの勢いをそのまま脳内に流しこんで楽しんでました。
描写が殆ど無い
風景描写だとか人物描写、これが極端に少ないように思います。私はアニメから入ったので、例えばキャラクターがどんな格好をしているとか、どんな場所なのかということを、それなりにイメージしやすいのですが、原作のみだと非常に頭をつかうのではないか、と思います。
また、ダラダラとした描写が少ない、というのも特徴なのかなと私は思います。
具体的な話をしましょう。ふと近くにあった俺妹1巻をペラッとめくったら、次のような文章が書いてありました。
DVDの持ち主は桐乃。そう仮定してみると……確かに色々なことに辻褄が合う。落としたのは夕方、俺とぶつかったときだろう。あのときバッグに入っていた例のブツが、散らばった拍子に靴箱と壁の隙間に入っちまった。
これを私が思う、これゾン風の文体に直すと、
でしょうか。
ただまぁ、この例は私のイメージを極端に表したものなので、話半分に聞いてもらえればと思います。
もう一つ例を。2巻では大先生が魔装少女に変身して戦うシーンがあります。今まで謎だった大先生がついに魔装少女に!という素晴らしい、脳汁が出てもおかしくないぐらいのシチュエーションなんです。なのに、そのシーンをたった1行で終わらせてしまうんですよ。1行ですよ。「大先生が魔装少女に変身していた」レベルの描写しかされないんですよ。これはもう、すげぇって思いました。そこはもっと、ネットリと描写しても良いのではないの?と心配になるほどさらっと流されるんですよ、すげぇ。
妄想力が限界突破
ダダダって流れるように読める、限りなく描写が少ない(ように感じる)、これらから言えることは、異常に妄想してしまう、ということです。先程の大先生の例を出すと、「大先生が変身する時も、あの呪文を唱えるのかな」「どの程度パワーアップしてるのかな」「変身する前は『はぁ、仕方ないから変身しますかぁー』とか言っちゃうのかな」とか…もう考え出したら止まらなくなります。
もちろん大先生のシーンだけでなく、殆どのシーンで妄想を掻き立てられます。想像する余地があるから、妄想できるんです。見えそうで見えない方が「どんなパンツなのかな」と想像できるのと同じです。
ということで、2巻を読み終わった後、ものすごーくモヤモヤしてるんですよ。そしてしばらくは、これゾンについて妄想に耽ってしまいました。いや、現在進行形で妄想してしまいます。これはすごいことですよ。これゾン中毒といっても過言ではないのです。次々と読みたい、という欲が出てくるのです。
アニメはどこまでやるんだろう…
残り6話程度で、2巻全部やるつもりなんでしょうねぇ…だって1巻だって6話でやったんだから。1巻よりも遥かに情報量が多い2巻を、どうやって料理するのか…もう考えるだけで楽しくて楽しくて、また妄想しています。ただ、大筋を原作に合わせるとするならば、2巻で終わってしまうとものすごく消化不良なのですよ。なので、2期を見据えた作り方をするのか、それとも一旦終わらせるような作り方をするのか、そこが問題になってきます。分割2クールという噂は聞かないので、売上次第でしょうか。
7話からの流れを見て、これは間違いない!と感じたら、BD買おうと思います。
最後に
ダダダダって読めて、頭に流し込めて、妄想ができる。素晴らしい作品だと思うのです。最近は多忙でラノベは殆ど読んでいないのですが、2巻を読んだら今度は3巻を読みたくなってきて困っています。
アニメを見て原作に興味を持った方は、まず1巻だけでも読んでみてはいかがでしょうか。肌に合った!という人なら、とことんハマってしまうこと請け合いです。