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上江州 誠さんのインタビュー記事を読み解く―これはゾンビですか?をより理解するために

概要

これゾンについて、より深く考えたいと思いシリーズ構成の上江州誠(うえず・まこと)さんについての情報を探していました。すると直ぐに以下の記事が見つかりました。

上記事の内容は、これはゾンビですか?についてが半分、上江州誠さんご本人についてが半分、で構成されています。それほど長くないインタビューですが非常に興味深い内容でしたので、本記事で紹介したいと思います。


なお、MSN産経ニュースは約半年でリンク切れを起こす(サーバ上から無くなる)可能性があるそうなので、ウェブ魚拓を取っておきました。もしリンク切れを起こしていたら、以下の魚拓の方をご利用下さい。なおこの情報は @katoyuu1 さんから頂きました。有難うございます。

上江洲誠さんを知る その1

インタビューの内容に移る前に、上江洲誠さんについて少し調べてみました。
まず、肩書きは脚本家、だそうです。ご自身のtwitterでもそう書かれているので、問題ないと思われます。

Wikipediaを参考に、シリーズ構成を担当された代表作を挙げるとするならば、

などでしょうか。
まだまだ有名な作品が沢山あります。Wikipediaへのリンクを張っておきます。
上江洲誠 - Wikipedia


またシリーズ構成ではありませんが、solaという作品の脚本も数話担当されています。DVDにしか収録されていない「ベツルート」というお話も担当されていることを知り、「そうだったのか!」と、今更ながらに驚いています。


というわけで、お名前は意識していなかったものの、アニメを見ることを通してそれなりに関わっていたようです。

原作を再構成する

「シリアスと思ったら、場違いなギャグが入ったりするのが、ライトノベルなんだという考えで構成しました」


これを読んで、すげぇ、と思いました。これゾンを見ている方なら分かると思うのですが、まさにこういう印象を受けませんか?

これゾンという作品は、ギャグ要素が強い一方で、ユウの言葉の力を代表にシリアスな設定が内包されています。原作を読んでいただければ分かるのですが、実はシリアスシーンが非常に多いのです。私はアニメから入ってその後原作を読んだのですが、「別物」という印象すら受けました(関連記事:アニメから入った人が、これゾン原作を読んでみた)。


別物と感じたのには幾つか理由があるんですが、その一つは、原作と比較して構成が大胆に変わっていることです。具体例を出し始めると分かりにくいので端的に言うと、「○○を表現するために、原作の各種イベントを再構成している」です。
再構成とは、シーンを削る、前後させる、新たなシーンを追加する等々です。○○とは、例えば「ユウの設定」「歩の人間性」「大先生の性格」等々です。


今改めて思うのですが、6話までの構成は神だと思います。原作の良さが余すこと無く抽出され、構成されている。ラノベ原作としては、近年稀に見る素晴らしさだと私は思います(原作1巻を読むとよく分かります)。

シリアスな展開に入っても飽きさせない

「面白い部分を面白く見せるには、その前にシリアスな部分を見せておく前フリが必要と考えました」


私はことあるごとに「シリアスな展開に入っても視聴者離れを起こさせないアニメは凄い!」と主張しているんですが、これゾンはそれが体現されていると思います。
例えば6話はとてつもなくシリアス展開でしたが、「なんかつまらんなぁ」と思うどころか、最高に興奮しました(関連記事:「俺ゾンビっす、あと、魔装少女っす」っていう決め台詞は、実は最強の脅し文句)。

シリアスが大事、について語り始めると1本記事が書けてしまうので割愛しますが、この考え方はとても大事だと思うのです。この考え方を大事にして作られている本作品が面白いのも頷けるのです。

上江洲誠さんを知る その2

「なにも考えないで、その日暮らしをしながら、ネットで文章を書いていたら、ある時、有名な脚本家の目にとまって、いっしょにやらないかと誘ってもらいました」


上江洲さんのブログから考えるに、有名な脚本家とは、黒田洋介さんだと思われます(要ソース)。若い内から実戦投入させられ、鍛えられたと仰っています。
しんどい時期もあったものの、そのハードルを乗り越えられたから今の自分がある、そう私は読み解きました。


さてそんな上江州さんは「オリジナル作品」へ関心が湧いているそうです。なぜなら、

「もう一度、ハードルを上げたかったから」。


上江州さんが描くオリジナル作品が、今から楽しみで楽しみでなりません。

最後に

本記事では、上江洲誠さんのインタビュー記事を元に、これゾンの紹介及び上江洲誠さんについて掘り下げました。いかがだったでしょうか。

制作者側の熱い思いを感じること、そしてその思いが作品に反映されていること、これらが組み合わさる時の嬉しさは言葉では表せないものがあります。

これはゾンビですか?、残り2話ですが全力で楽しもうと思います。


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