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『ベン・トー』の白梅梅の理不尽暴力について

『ベン・トー』の白梅梅ちゃんというキャラが嫌われ過ぎなんだが・・・|やらおん!


上記の記事を受けて。
一般論として、どうにもこうにも受け入れられないキャラというのは確かにいるんですね。結論としては、人それぞれ、としか言いようがありません。しかしそれで話を終えてしまっては議論にならないので、もう少し考えることにします。
ちなみに私は白梅梅は大好きなキャラクターで、間違ってもフェードアウトしてもらっては困ります派です。



上記事で取り上げられている「ベン・トー」の白梅梅というキャラクター、何が嫌われているかというと、理不尽暴力キャラという面が強いように私は思います。
確かに、白梅梅は暴力的で有無を言わせず主人公を殴ります。しかもかなり理不尽に。4話に関してならば、「第三者ラッキースケベ制裁問題」と捉える事もできるでしょう。


ベン・トー4話における具体的なシーンを見てみましょう。
まず、著莪が白粉にちょっかいを出していて、それを見た白梅梅は「なぜ白粉さんがそんな目に?」と憤る(白梅梅は白粉さんを狂信的に愛しているが故)。白梅梅が著莪に対して理由を問いただすと「間接的に主人公の佐藤が関わっている」旨が著莪から伝えられる。それを聞いた白梅梅は、佐藤を問い詰め殴る行為に出る。
ポイントは、著莪が白粉さんにちょっかいを出したことは著莪の独断であり佐藤は全く関わっていないところに在ります。せいぜい、著莪に制服を提供した程度でしょう(白粉さんから制服を拝借したこともあるかもしれない)。
つまり、著莪・白粉・白梅梅の問題であるはずなのに、第三者である佐藤が理不尽に暴力を受ける、これが気に食わない人がいる、ということです。その後、白梅梅が著莪を連れ去り、ぱやぱや行為に出たことも、人によっては一層嫌悪感があったようです(気に入った女性なら誰でもいいのかよ、的な)。


なぜ理不尽な暴力を振るうキャラというのは受け入れられない傾向にある(ように思う)のか。それは「理不尽」という言葉に集約されているように思います。
理不尽とは、つまり道理に合わないことであり、それはすなわち筋が通っていない、正論ではない、もっと言えば理屈に合わない、理由が説明されないということです。
理不尽な暴力キャラとは、殴ること等の暴力において正当な理由が見出されていないキャラと考えることができます。理不尽だから肌が合わない・嫌悪感を持ってしまう、というのが一番の原因なのではないか、と私は思うのです。
逆に言えば、その理不尽さの中に何か、納得がいく何かを見出した人にとっては、それはもう理不尽では無くなるとも言えるわけです。


さて抽象的な話は一旦やめにして、以下、もう少し掘り下げてみます。

みんな違ってみんないい…のか?

理不尽暴力キャラを「肌が合わない」と感じているのは他でもない自分自身なのだから、結局は自分の考え方に落ち着くのではないかという考え方はある。
以下、@rikio0505さんとのやり取り。


つまり「白梅梅が嫌い、肌が合わない」とは、例えば@rikio0505さんの言葉を借りるならば「2次元くらいは男性上位でありたい&男性を立ててくれるヒロインで有って欲しい」等という、自身の信条から外れるために嫌悪感を持ってしまうということにほかならないのではないか、という考え方です。




@ko_baimoさんのツイートを引用。



やはりこう、自分の譲れない部分が刺激されると嫌悪感を持ってしまう、これは凄く分かるんですね。





もう随分と昔の話ですが、原作クレヨンしんちゃんにおいてひまわりが生まれてからしばらくの話は、しんのすけが割を食う話が多かったように思います。つまり、本来はひまわりが悪いことをして怒られるはずなのに、なぜかしんのすけが悪いことをしたことになりみさえに怒られる、というシチュエーションです。
もちろん現在の私はこういったシチュエーションを微笑みながら見ることができるのですが、当時、確か中学生(いや、小学生だったか)の私の気持ちとしては「イライラ」だったのです。
@ko_baimoさんの言葉をかりるなら、「男子が反撃できないのをいいことに物理的暴行し放題の暴力ヒロインの在りかたそのもの」にイライラしていたのかもしれません。



で、少しまとめるとですね、やはり個人の捉え方によって大きく異なる、としか言いようがないと思うのですね。今回の白梅梅の件についても、全く問題ないとする人と、アンチスレにまで出張して3行以上のレスをする人もいるわけです。




@chekisoraさんのツイートを引用。







@yuji_isogaiさんのツイートを引用。

理不尽に思う所があればイライラするのは仕方ない





暴力キャラ以外についても少し考えました。
例えば絶望先生に登場する風浦可符香という女性キャラがいます。このキャラはある種の完璧キャラで、弱みなど微塵も見せない謎キャラなわけです。このキャラを見て、「完璧主義で弱みを見せない、割を食わないから嫌い」というのも全然ありなわけなんですよね。

例えばWORKINGに登場する小鳥遊くんとぽぷらちゃん。小鳥遊くんは事あるごとにぽぷらの頭を撫で回すわけなんです。これを見て「可愛いロリキャラをいじりやがって、小鳥遊ふざけんなよ」という負の感情が出てもおかしくないわけです。当初、私はそうなりかけました。
しかしそこは上手く考えてある。小鳥遊は「ミニコン」なのであり、ミニコン故に「なんだ、ミニコンか。良かった、ぽぷらに対する恋愛感情はないわけですね。それだったらまぁ、好きなだけやってもいいよ」みたいな感覚。
つまり自分としては、小さい女の子が一方的に男の子に悪意を持って弄られるのが好きではないのですが、そこに理由が存在すれば溜飲は下がるのです。


これに関連して「君と僕」という作品に登場する茉咲という女性キャラを考える。




そう、可愛くてキュートで一途な茉咲ちゃんに対して、チャラけた態度をとる千鶴くんにイライラしていたわけですね。もちろん見終わる頃には、千鶴くんへのイライラは収まっていました。なぜなら最後には、千鶴くんの心の成長が見て取れたからです。自分の中で、納得がいったのです。


さらに私のことについて言えば、直近では「はがない」の夜空に対してイライラしていました。最新刊のネタバレを含むため本記事では詳細を述べませんが、興味のある方は星奈と夜空の対比 - 『僕は友達が少ない』7巻を読んでをご覧になっていただければと思います。


で、これらをまとめると以下のようなツイートになります。




原作者のアサウラさんのツイート

ベン・トー原作者であるアサウラさんが、上記やらおんさんの記事に言及されていたので、それに関連する発言を幾つかピックアップします。












































記事言及関連以外










終わりに

白梅梅というキャラクターについてのネガティブ評が目に付いていたので、ちょっとばかし書きたくなったのでした。取り留めない内容になってしまいましたが、何かの考えるきっかけになればと思います。

人それぞれ、と言ってしまえば簡単なんですが、まぁ色々考えたくなりますよね、と。


なお、ベン・トーについては今のところ各話感想を書いていますので、よろしければどうぞ。


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