高校生の頃、日常の何でもない「言葉」に、どうでも良いツッコミを入れて、やたらと盛り上がっていました。その盛り上がりは、仲間内以外には全く理解ができず、一体何が面白いのだろうかと思われているのですが、当の本人たちには面白くて仕方がなかったわけです。
さて、『男子高校生の日常』というアニメは、アニメ『日常』のように、幾つかの短い話(短編)で構成されています。短編にはサブタイトルが付けられており、基本的には「男子高校生と◯◯」となっています。
登場人物は意外と多いです。公式サイトではキャラクター集合画像があるので、そちらを利用して簡単に紹介します。なお、以下の画像以外のキャラクターもたくさん登場します。
大きくは「生徒会サイド」と「普通の高校生サイド」から描かれるのですが、あくまで大きくであって、各キャラクターは相互に出演しあいます。ちなみに「女子高校生は異常」とは、3人の女子高校生が異常なのではなく、この3人がメインの、Cパートで描かれる「女子高校生は異常」という短編です(でも女子高校生は異常だと思います)。
本作品は、「女子高校生は異常」のように絶対にこのキャラクターが出演するといった続き物が多く存在しています。例えばヒデノリというキャラと、上で示した「文学少女」の二人が登場する短編があります。私が毎週楽しみにしているシリーズです。
というか、文学少女さんの可愛さは異常。
(via 『男子高校生の日常』第2話・・・ついにEDが完成!! しかしなぜ夕方にやらないのか|やらおん!)
さて、彼・彼女らは確かに変わり者が多いものの、突然宇宙人が襲ってくるようなストーリーは描かれません。ある意味では、普通の高校生の日常が描かれます(皮肉じゃないですよ?)。
一体それの何が面白いんだ、と突っ込みが入りそうですが、あえて言うならばそれが面白いんです。
私自身が、なぜ本作品を面白いと思うようになっていったのか。
前述したように、本作品は短篇集ですから様々の話の中で様々の小ネタが描かれます。すると、全体としては「面白い!」とならなくても、細かい部分のいくつかがツボに入っていることに気づきました。気づいたというか、素直に笑った、という表現が正しいでしょうか。あぁ、彼・彼女ら高校生はなんとバカなんだろう……と。
そういった一部のネタであるとか、前述した「文学少女」シリーズのように特定の短編に、まずハマりました。そして一部分が楽しくなってくると、次は全体を楽しめるようになったんですね、面白いことに。
なぜか?
冒頭の実体験にも述べたように、本当に高校生の日常が描かれているとしたら、やはりそれは盛り上がっている本人たちが一番面白いわけで、見ている私たちにとっては多分面白くないわけです。
事実、1話で「普通の高校生サイド」の3人が、延々どうでもいい小芝居(しかし、やっている本人たちは全力で楽しんでいる)を見て、乗りきれない部分がありました。
まぁ、実況しながら見るなら視聴に耐えうるかな、と。最初はそう思っていました。
しかし先ほども述べたように、ある程度こなれてくるとですね、いつの間にかハマっている状態になっていたわけです。
これは、以下のような過程を踏んだのではないかと推測しています。
- 最初は細かいネタや短編に笑いどころ・楽しみどころを見つける
- 次第に各キャラクターが、自分の中で理解できてくる
- そして本格的にハマる
「キャラクターへの一定の理解度」「キャラクターを知る」という部分まで自分が到達できるかどうかが、本作品を楽しめるかどうかの分水嶺であるのではないかと推測しています。
キャラクターが主体
『男子高校生の日常』に限らず、いわゆる「日常アニメ」と呼ばれる作品では、「キャラクター」が最も重要であると私は思います。
以前、アニメ 「日常」 から考える、日常アニメの特徴という記事の中で取り上げた
- 日常系アニメでやってはいけないこと(みなみけ - アニメ梁山泊)
という記事で、こんな指摘がありました(引用中の太字は筆者)。
日常系アニメはキャラクター設定をきちんとしていたらどんなストーリーでも対処できる。もっと言うと、日常系アニメはキャラクター主体のアニメといえる訳だ。
日常系アニメのみなみけもキャラクター中心であり、個性豊かなキャラクターたちが魅力的である。勿論、みなみけだけでなく、他のアニメもキャラクターの設定には慎重さが必要となる。
日常系アニメでやってはいけないこと
「キャラクター設定をきちんとしていたらどんなストーリーでも対処できる」という部分が制作側からの視点とするならば、視聴者側としては、「キャラクター設定をきちんと理解できていたらどんなストーリーも楽しめる」と言い換えられるかもしれない。
この意味で、私はようやく『男子高校生の日常』を深く深く楽しめるようになってきたのかもしれません。
正直なところ、2話3話くらいまでは「ふーん」という感じで見ていたんですね。ですが、徐々にですが、瞬間風速的に笑いが起こるようになって、画面に惹きつけられるようになって来ました。今では「りんごちゃんきたああああああ」と興奮するくらいには、各キャラクターが大好きになりました。