こんなに心動かされていいのだろうか。まなびストレート!4話「プロモでゴーの巻」は、私の心を掴んで離さない。
本作品の4話は、衛藤芽生を中心に描かれる。
芽生のトラウマは小学生時代に遡る。端的に言えば、信頼されていると思っていた仲間に本当は信頼などされていなかったということだ。「自分がやっていること」は「みんなのため」であったはずが、それはみんなから押し付けられたり便利役としてみられていただけであったということだ。
生真面目な自分とどのように接していけば良いのだろうか、と悩んでいるまさにその時に、心に傷を負ったわけです。
この小学生時代のトラウマ体験が再現したのが4話でした。
- 生徒会で学園祭のプロモを作ろう!
- 芽生はコンピュータグラフィック全般に詳しく、非常に良いものが出来上がりつつあった!
- 「芽生ちゃんすごい! 芽生ちゃんが居れば、私たちは必要ないかも!」
- また、押し付けられるのか。私は仲間ではないのか
4話の終わりを先取りすれば、芽生の心は、生徒会のメンバーを芽生が理解することによって前進します。
芽生が皆を理解しようとするキッカケを作った、むったんこと上原むつきはもちろんのこと、素の気持ちで、全力でプロも作成に取り組んだまなび達に、私はすごく感動します。皆が全力で取り組もうと努力したからこその、「エンター!」なのです。
むったんと芽生
4話の中で特に好きなやり取りは、むったんが芽生を心配して、芽生の自宅を訪れるシーンです。むったんは芽生と同じ小学校であり、そしてトラウマを最も身近に知っている一人です。お互い、言葉をかわさずとも理解できるぐらいには、付き合いが長いようです。
この、「言葉をかわさずとも理解できる」という部分を非常に上手く描いているのが、自宅を訪れるシーンなのです。
むったんは、芽生に対して感情的になりません。だけど芽生は、むったんに感情的になります。時に、「当事者ではないあなたに何が分かるの!」という切り札まで出します。それに対して、むったんは怒りません。
どうでもいい話を幾つかした後に、以下のように問いかけます。
「なぁ、お前なんで高校に行くことにしたんだ」
そして以下の台詞を残して去っていきます。
「あ、それとプロモなんだけど。今うちらだけで完成させようとしてんだけど、すっげーぞー。3Dが4Dで16回転だ。信じられないなら、生徒総会来いよ。じゃあな。」
いや、言葉かわしてるじゃん! というツッコミは確かにそうなんですが、直接的に無理矢理に動かそうとしていないのがミソなんですよ。
キッカケを与える、そして考えるのは本人次第……という状況を作れることは、「言葉をかわさずとも理解できる」関係と言えるでしょう。
むつきがきっかけで、芽生はもう一度、皆と向き合おうと前進します。芽生は自分自身の意思で、前に進みます。なんと素敵か。