隠れてていいよ

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アニメ公式サイトの消滅は、アニメ作品の終わりを招くかもしれない

トライネットエンタテインメントというアニメ制作会社をご存知でしょうか。詳しくはトライネットエンタテインメント - Wikipediaに譲りますが、2004年頃からアニメ制作に関わるも、合併等の影響で2009年に消滅したアニメ制作会社です。

トライネットという名前を知らなくても、

などのアニメに関わっていたといえば、ピンとくるところがあるでしょうか。聞くところによると、トライネットが製作を手がけた作品が好きな人達をトライネッターと言うのだとか。上のリストを見てニヤッとした人は、きっとトライネッター。私もきっとトライネッター。



さて、トライネットという会社は既に消滅していますので、トライネットの公式サイトはドメイン切れを起こしており、見ることができません(http://trinet.cata.jp/)。
ではトライネットが関わったアニメ作品の公式サイトはというと、これもまた、見ることができません。トライネットが直接運営していたのか委託していたのかは分かりませんが、トライネットが消滅したことにより管理が行われなくなり、消滅したのでしょう。
作品の権利が他の会社に移っていた場合、独自にサイトが新たに作られている場合もありますが、元々の公式サイトという意味では、やはり消滅しています。また制作会社ではなく放送局が管理しているであろう公式サイトは残っているものの、やはり本家のサイトが消滅していることも多々あります。



本記事で言いたいことはすごく単純です。私は、アニメの公式サイトも含めてアニメを愛していたいと感じています。だから、あまり考えたくはないのですが、制作会社の消滅という事態が発生してしまったとしても、何とかウェブサイトは保存されるような仕組みがあればいいな、と常々思っています。
作品の名前で検索してもキャッシュすら引っかからないというのは、まるで作品が死んでしまったように感じるのです。

トライネット製作のアニメにしても、私がアニメを最も多量見していた時代のバイブル的作品が多いのですが、公式サイトが跡形もなく消え去っていた時の喪失感は言葉にできません。



アニメ作品の終わりとは何か。これには議論がありますが、私が考えるアニメの終わりは「無関心」です。文句を言われているうちは華だとすら思います。この「無関心」に至るフローは幾つか考えられますが、その中の一つに「公式サイトの消滅」が挙げられるのではないかと考えています。
最近はWikipediaという便利なものがありますので、確かに作品の詳細を調べることは簡単になりました。しかし本当に、Wikipediaの情報だけで、アニメ作品の「空気」のようなものを感じることができるのでしょうか。
もちろんアニメのサイトだけを見て、「当時の雰囲気がわかる」とは一概には言えないでしょう。ですが、そうは言っても当時を生き抜いたウェブサイトであることは間違いなくて、その生き証人とも言えるウェブサイトが消失することは、作品の一部の消滅でもあると私は考えてしまうのです。無いということは、感じることもできないのです。

少し話が変わって

ところでなぜ突然にこんな記事を書こうかと思ったのかというと、最近、『瀬戸の花嫁』というアニメ作品を見返しており、そして本作品を製作したGONZOが管理していたであろう瀬戸の花嫁の公式サイトが消滅していることに気がついたからです(http://setonohanayome.com/)。
実は「瀬戸の花嫁」と検索すると、「「瀬戸の花嫁」アニメオフィシャルサイト」(https://ssl.avexnet.or.jp/avexmovie/setonohanayome/)がヒットします。2010年3月3日に発売されたBDBOXの宣伝が行われていたことが分かりますが、よくよく見ると、サイトの作りが荒いことが分かります。
例えば、商品情報、スペシャル、リンク以外のコンテンツは全て旧サイトへのリンクが貼られておりリンク切れになっていますし、また「リンク」コンテンツは今でも工事中となっています。
またこちらは詳しい方にご指摘いただきたいのですが、ウェブサイトのURLを見ると「ssl.avexnet.or.jp」となっており、アニメの公式サイトのトップアドレスに「ssl」を残しているのは気分が良くないんですが、私だけでしょうか(というかhttps接続なのは何故)。どうやら人気投票を行なっていたようですので、投票フォームが存在する→じゃあhttps://ssl.avexnet.or.jp使おうぜ、みたいなノリなのだろうか。ちなみに「ssl.avexnet.or.jp」で検索すると幾つかサイトが出てきますが、例えばスケットダンスのサイトでは「おたより投稿」ができるようになっているので、この推測はあながち間違っていないかもしれない。


さてドメインを見ると「avex.net」となっている通り、このサイトはavexグループが管理しているようです(avexの元サイトを探るとavex networkが管理している気もする)。GONZOの吸収合併問題には詳しくないのですが、おそらく『瀬戸の花嫁』という作品の権利の幾つか(または全部)はavex側に移っていると考えられそうです(GONZOのHPからも、瀬戸の花嫁のリンクとして旧URLがリンクされている、http://gonzo.co.jp/works/0703.html)。


権利を持っている者がその作品をどう扱おうと勝手ではあるものの、上で紹介したavexが管理しているであろう瀬戸の花嫁のオフィシャルサイトhttps://ssl.avexnet.or.jp/avexmovie/setonohanayome/ は、見るに耐えません。愛が感じられません。このようなずさんな管理が行われているアニメのサイトを見て、視聴者が何を感じるのかを少しでも考えているのでしょうか。
瀬戸の花嫁を再視聴して、「やっぱり瀬戸の花嫁は最高だわ!」と意気揚々と検索してサイトに辿り着いてみたら、あんなものを見せられたわけです。ちなみにテレビ東京が運営している瀬戸の花嫁のサイトは残っていますが(http://www.tv-tokyo.co.jp/anime/setohana/)、Googleでの検索順位はかなり低いです。
Google/Yahoo/Bing 順位検索ツール : DW230を用いて「瀬戸の花嫁」及び「瀬戸の花嫁 アニメ」で調べてみると以下のようになりました。赤色がテレビ東京のサイトです。Bingでは1位もしくは2位にランクされていますが、(画像にはありませんが)Google(Yahoo)では68位または100位以上にランクされています。




検索ワード「瀬戸の花嫁



検索ワード「瀬戸の花嫁 アニメ」



本当は検索ワード等は、著作権法違反幇助的観点から載せないほうが良いのかもしれませんが、さすがに「作品名 アニメ」は勘弁して欲しい。というか、Bingの検索精度の高さにちょっと驚いた。
ていうか、こういうワードで違法動画共有サイトがわらわら出てくるってどうなのよ。まとめて潰れろ。


まとめ

もともと権利を持っていたであろう会社(多くはアニメ制作会社か?)が消滅した際の、アニメの公式サイトの取り扱いは慎重になるべきだと私は主張します。
理由は冒頭にも述べましたが、主観的には「寂しいから」です。客観的には、「アニメ作品の終わり」が危惧されるからです。


視聴者・受け手はバカではありません。愛のないものくらいすぐに見抜きます。たかがウェブサイト、されどウェブサイト。今後も、素晴らしいアニメ作品に出会えますことを祈っています。



ところでavexが管理しているであろう瀬戸の花嫁のサイトがあまりにも雑であったので、問い合わせフォームから修正願いを出しておきました。あまり期待はしていませんが、誠意ある対応があれば嬉しいなと思います。
余談ですが、avex networkのお問い合せフォームで、問い合わせ内容が全角125文字までしか書けないとか、ふざけてんのか。Twitterですら140文字書けるというのに、問い合わせで125文字は、問い合わせフォームを設けている意味がないと言わざるを得ない。