隠れてていいよ

主にアニメや漫画の感想を書いています

アニメ『艦隊これくしょん -艦これ-』から考える、大量のキャラクターを順に紹介していくストーリー構成の是非

あぁ、触手姦待ったなし!(見終わった後の感想)


去年はほとんどアニメを見ることができていなかったので、今期は少しでもアニメを見ようとしてみます。その中でチョイスしたのは艦隊これくしょん、通称艦これ。この作品を選択した理由は

  • 流行りだから
  • 流行りだから持ち上げられるだろうことが予想されるから
  • 持ち上げられた作品に対して「それは違うんじゃない?」っていうのが好きだから

です。
そういった意味で本記事は、持ち上げるような内容にはなっていないのでそういうのをご所望な方は立ち去ったほうが無難かと思われます。


というわけでアニメ艦これ1話を見ました。私は艦これをプレイしたことがありません。また、軍事にも一切興味がありません。そんな私にとって艦これの1話はいわゆる「ポカーン」でした。あれです、「キャラクターがどんどん紹介されて、でも数が多いから掘り下げはまだ行われず、とりあえずファンサービスも兼ねてみんな登場させまっせー」メソッドな印象を受けました。
この1年アニメを見ていなかったので頓珍漢なことを言っているかもしれませんが、1話から視聴者を惹きつけない作りにしている作品は、数あるアニメの中から視聴者に選んでもらわなければならない昨今、致命的であると思います。しかしなぜそんな作りになっているかを考えれば、この作品が「既に艦これを知っているファン」に対する作品だろうということが想定されます。
なんて身勝手な想像ばかり膨らませた後にネットを彷徨っていましたら、以下の記事を見つけました。
【艦これアニメ】「1クールで確定」「各艦娘のテーマ曲を出す予定」「アイキャッチは原作のイラストレーターの描き下ろし」 | オタク.com
1クール確定だそうで、角川なので円盤2話構成でしょうから全7巻とかで売り切る感じでしょうかね。
上記事の中で、該当冊子から引用している箇所で気になったのは

・登場する艦娘は30隻以上
(様々なキャラをクローズアップしてあげたいけど、
あまり多くの艦娘を登場させるとストーリーが散漫になるので、
絞ってひとりひとりをしっかり描いていく)

という部分。1話で登場したキャラクター全員を掘り下げていたら何クールあっても足りないので、それは正しい。だけども、「キャラをクローズアップしてあげたい」という、原作ありきで「どのキャラをクローズアップするか」という思考で作られている時点で、単なるキャラクター消費で終わる気がする。敵が攻めてきて、それを駆逐していく、という骨子となりうる設定は殆どないがしろにされるのではと考えています。

原作は、ラノベやマンガのようにストーリーがガッツリあるわけではないそうなので、であれば、それを活かしてオリジナリティあふれる内容になれば良いなと思っているのですが、1話の「全体紹介」メソッドを利用した時点で50%ほど期待値が下がってしまいました。
ちなみに、こういうネガティブなことを書いていますが、2話以降で期待を裏切ってほしいという思いがあるのです。だからこそ1話ではブーメランになりそうなことを書いておきますのです。

全体紹介メソッドについて

エロゲのように、主要ヒロインがせいぜい5、6人程度ならば十分に機能するかと思います。というか、このメソッドはエロゲ原作によく見られるので。エロゲのキャラクターはゲームの特性上、個々の属性が非常に強いので、少しずつ紹介しても印象に残りやすいと私は感じています(経験的に)。とはいえ数が多くなると、やはりそのメソッドも通用しにくくなります。
ふと思い出したのは、みなとそふとより発売されている『真剣で私に恋しなさい!』というエロゲ通称まじこい、そのアニメの第1話。
【ニコニコ動画】真剣で私に恋しなさい!!第1話「真剣で私にかかってきなさい!!」
ニコニコ動画で1話が無料配信されていたので時間が許せばぜひご覧頂きたいのですが、この1話も「大量のキャラクター」が登場し、突然合戦が行われ、あれよあれよと30分間ずっと戦い続けて終わるという、近年のアニメの中でも特異な1話だったと記憶しています。改めてこの1話を見てみたのですが、「大量のキャラクターを順に紹介していくストーリー構成」にも関わらず引き込まれてしまいました。当時見た時よりも、そう強く感じました。
その理由は、「大量のキャラクターを順に紹介していく」とはいえ、細かなキャラクター紹介などはそっちのけで「そのキャラクターを私達が既に知っているかを前提にしているかのように躍動感あふれる動きをさせる」ことが行われたからだと私は思っています。つまりキャラクターが生き生きしているんですね、本気で。「知っている人にだけ分かるよ」ではなくて「知らない人でも引きこまれてしまうよ」という感じで、潔ささえ感じさせるあっぱれな1話だったと記憶しています。
翻って、記事のタイトルにもしている「大量のキャラクターを順に紹介していくストーリー構成」とは、キャラクターがまだ立っておらず、私達がそのキャラクターを知らない段階で、キャラクターの躍動感を感じることもできない中で進んでいくストーリーに「薄さ」を感じるのではと思っています。キャラクター紹介も、ストーリー進行もどっちつかずになっている状態といえるでしょうか。


「大量のキャラクターを順に紹介していくストーリー構成」をやるならば、見ている人を惚けさせるぐらいに突っ走ったほうが良いのではということです。おいおい、これ大丈夫か? と思わせるような突っ走った内容に……これが1話には必要なのではないかと個人的には思います。
同じように、大量のキャラクターが登場且つガンガン進む系の1話ってなんだろうなぁと考えていてふっと思い出した作品は、

とか。Angel Beatsはニコニコで1話が無料配信されていますので、よければどうぞ 【ニコニコ動画】Angel Beats! 第1話 「Departure」
関係無いですが、この記事を書いていてコヨーテラグタイムショーが無性に見返したくなりました。

終わりに

というわけでいつの間にか艦これからそれてしまいましたがそれも仕方ないね。2話以降に期待しています。