10年前の作品ではありますが、ネタバレを含みますのでご注意ください!
死にたくなった時に見たくなくなるアニメ、なんてタイトルで筆を執ろうとしていた自分を恥じたい。そういう思考はもういい加減捨てたい。
というところで、そう、そうなんですよね、『がくえんゆーとぴあ まなびストレート!』というアニメ作品が公開されてから10年が経過したそうなのです。おめでたい!
制作はufotable、10周年ということでつまり2007年1月に作品は放送開始されたということになります。たった10年、されど10年。当時学生だった私は、社会人として既に5年も過ごし、ただのおっさんになろうかという年齢です。ちなみに、10年前の作品に対して「ネタバレがあるので気をつけてください!」と書ける今があるのはすごく良いことですね!
2012年にはBlu-ray Boxが発売されました。
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現物を見た時は思わず小躍りしてしまいました。高円寺のufotable cafeで予約をしていましたが、手渡しされる時のあの幸せったら無かった。 ウェブ店舗含むufotable店舗で購入すると、A4ポスター6枚セット及び2035年カレンダーが付いてくるということで
『まなびストレート!』BD-BOX発売おめでとおおおおおおおおおおお - 隠れてていいよ
2012年は東京に住んでいましたので(住んでいたはず)、高円寺で予約して受け取る、なんてことが簡単にできました。
BD Box 発売に合わせて開催された『まなびストレート!』イッキ見オールナイト トークショーにも当時参加しました。
10年前のアニメを、鮮明に思い出すことができるということはとても貴重だし、そしてとても素晴らしいことだし、そんなアニメに出会わせてくれてありがとうと声を大にして言いたいです。ありがとうございます。
さて、このアニメは結構珍しい設定があります。
少子化が進み、高校や大学に進学することが当たり前でなくなっていて、むしろ働くことがカッコいい、などと捉えられている世界。作中では「なぜ高校に行くのか」という理由が、大きなテーマとなっています。 まなびたちは学園祭の実施という大きなイベントに関わりながら、自分の生き方について考えます。特にみかんについては「自分の生き方」についての内面描写が多いのです。6.5話でも、みかんは「なぜ高校に行っているのだろうか、働くとは何なのか」ということをずっと考えます。
『まなびストレート!』イッキ見オールナイト トークショー簡易レポート - 隠れてていいよ
働くことが当たり前ではない世界……そんな世界観のアニメを当時学生だった私は何を見て何を考えていたかというと、多分何も考えていなかったように思います。
今私は仕事で、社会人として採用に関わることもありますが、そんな中で学生たちの話を聞くと、とても未来のことを真剣に考えているように思えます。
思えます、と書いているのは、今も昔も私は全然考えていないなと、そんな風に思ってしまうぐらいには考えていないと思っているからです(自慢するところではありません)。
働くことをちゃんと考えろよと、まなびが、みかんが、むっちーが、めいが、ももが、多くのキャラクターがあんなにも声を大にして言ってくれていたのに、果たして自分はちゃんと考えてきたのだろうかと、この記事を書きながら、今更ながらに10年前を思い出していました。
同時に、当時と考えが変わったこともあります。それは、青春、に対する考え方です。
当時何度も何度も引用した、愛光学園の理事長の言葉があります。「ただ純粋に、一生懸命になれたり反抗したり夢中になれるのは、学生の時だけ、なのではないかしら」という言葉。
みかんだけではない。彼女たちは、その「青春」を過ごしたからこそ、新しい一歩を踏み出せているのではないか。空港で、皆で右腕を掲げたポーズは、まさしくやり遂げた時にするポーズなのである。それを思い出せば、私たちはやっていける、ということなのではないか。
『まなびストレート!』から考える「青春」と、二度と経験できない学生時代 - 隠れてていいよ
では、振り返れない人はどうすればいいのか。そういう思考は「甘い」のだろうか。何か「青春」に触れてしまった時、自分の中でその「青春」として依拠するものがないというのは、やはりとんでもなく、辛いことなのではないか。そしてそれはもう、取り戻せないことなのだろうか。
「ただ純粋に、一生懸命になれたり反抗したり夢中になれるのは、学生の時だけ、なのではないかしら」という言葉は事実だと思っています。特に「ただ純粋に」という言葉の重みは、変わらずのしかかります。ですが社会人になったからこそ、学生を卒業したからこそできるようになったことがたくさんあるということをようやく肌感覚で分かるようになりました。また、学生でなくても「頑張る」ことができることも分かりました。
なので10年ごしに、まなびたちに、働くことについて返答するとすれば「割となんとかなっている、でも生涯を通してやりたいことかどうかと言われたらそうではない」です。もっともっと「頑張ろう」と思います。