隠れてていいよ

主にアニメや漫画の感想を書いています

ライトノベル『りゅうおうのおしごと!』12巻読了、またはアゲアゲさんこと折田アマの棋士編入試験の宣伝

いきなり何の話やということなんですが、日付も変わった本日2月25日、将棋の棋士編入試験第4局が行われます。
news.yahoo.co.jp


試験を受けていらっしゃるのは折田翔吾アマ。将棋系Youtuberのアゲアゲさんという名前のほうが知っている人は多いかもしれません。
少し前の記事で最近将棋を始めたと少し書いていましたが、将棋にハマるとやはりYoutubeなどで動画も見たくなり、その中でアゲアゲさんのチャンネルを見つけそしてハマりました。
アゲアゲ将棋実況[プロ棋士] - YouTube


将棋のプロ棋士になる方法は大きく3つあります。1つは新進棋士奨励会、通称奨励会に入り既定の成績を上げることで昇級・昇段し、最後のリーグ通称三段リーグにて上位二名に入ること。これによって四段に昇段しプロ棋士となることができます。
おそらくこのルートが一番有名で、私も将棋にハマるまでは他の方法については知りませんでした。

残り2つのうちの1つが、今アゲアゲさんこと折田アマが挑戦されているもので、棋士編入試験というもの。受験資格を得るためには、プロ公式戦において10勝以上且つ6割5分以上の成績を残さないといけません。
その上で、受験を申し込んだタイミングでの新四段5名と戦い3勝以上を上げることで合格です。
アゲアゲさんは過去奨励会で三段まで昇段されていますが、年齢制限で退会を余儀なくされていて、今回再度プロ入りをかけての挑戦ということになります。

このプロ編入試験の受験料についてクラウドファンディングで募られることとなり、わずかながらですが私も支援させていただきました。
news.yahoo.co.jp


もっと詳しく知りたい方は、ぜひ以下の記事も参考にされてみてください。一言でいうととんでもない難易度の受験資格及び試験内容ということになります。
myshogilog.com



第4局が25日に行われますと最初に書きましたが、現在の戦績は2勝1敗で、この1戦に勝利すれば合格という大一番なのです。
明日は有休をとりまして、Abemaで中継予定の対局を最初から最後まで応援しようと思っています。
gxyt4.app.goo.gl


とりあえず宣伝したかったことは以上です。

さて、ライトノベルりゅうおうのおしごと!』についての感想をここからは書いていきます。
最新12巻のネタバレを盛大に含みますので、未読の方は回れ右をお願いできればと思います。








(ネタバレ防止のためのスペース)







11巻から続く作品展開はどうなった?

11巻の感想については以前以下のような記事を書きました。
thun2.hatenablog.jp


上記記事で特に伝えたかったことは、ラブコメにおけるヒロイン確定は作品の死期を早めるということでした。
これまではあいや天衣とのいちゃラブドキドキを描いていたけれども、11巻で完全に銀子ルート確定となってしまったことで、今後どうやって作品を展開させるつもりなんだろうということを一人で心配していました。

結論から言うと、12巻では核心までは行きませんでした。つまり八一は、あいに対して「銀子に好きだと言った」と伝えることができませんでした。
12巻は実質銀子の三段リーグ編なので、こっち側の進展は13巻以降になるんじゃないかという予想があったので、正直なところそこまで拍子抜けはしませんでした。

ただ、やっぱり恐れていたことは起きていて、「見てられない」というものでした。あいも天衣も察しがいいので、まぁ十中八九気づいているわけですよ。
なんだけど、一応直接的には描写はしていないので、かろうじてまだ延命している感じ。つまりつまり、すいませんくどいのですが何が言いたいかというと、やっぱり負け確定ヒロインルートはつらすぎる。

どんなに頑張っても、もう銀子ルートなんですよ。これは天地がひっくり返っても覆らない。封じ手開封されたので、もうダメ。
今後、付き合うことになった二人はキスはすれどもその先にはなかなか進めず、そこをあいや天衣が横から何とか入り込もうとするというわちゃわちゃが描かれることは容易に想像できるわけですが、果たしてそれは楽しいのだろうか。いっそ将棋イベントに全振りしてほしいくらいではあるのですが、多分そうは問屋が卸さない。

この八一とあい、天衣との微妙な関係を続けつつも将棋イベントを続けていくのだと思うのですが、果たしてそれでいいのだろうかと勝手に思う。個人的には、将棋フェーズが面白いので読み続けることは確定なのですが、もうゴールが決まったラブコメを見せられてもなという思いになる。
ここをどう破壊してくれるのかと12巻には期待しましたが、そこはまだ描かれていませんでした。なので、13巻は待ちたいと思います。もし13巻で素晴らしい破壊が行われたのであれば、それはもうジャンピング土下座して崇め奉ります。

三段リーグ編……熱い

とは言いつつ、まぁ三段リーグ編は超絶面白かったのですよ。特にプロ自力昇段がかかった銀子・鏡洲戦から、勝利後の封じ手開封までの流れはマジで目頭が熱くなりました。
銀子はクールで強いキャラクターなのですが、反面心は弱く描かれてきました。もちろん体が弱いというのはあるのですが、それ以上に八一が好きすぎるのです。
つまり、最後の最後は八一に頼ってしまうし、八一だったら弱さを見せてもいいやとなるんです。これまで重要なシーンで、その伏線がずっと張られていました。

だからこそ三段リーグの大一番でハラハラドキドキだったわけです。また負けてしまうんか銀子……と。
それがですよ、それがですよ皆さん。読みました? 超絶男前の挿絵から胸ドーン! の骨ぐしゃーですよ。そのあとに言ったセリフ皆さん聞きました?

りゅうおうのおしごと! 12巻, pp343

「や…………い、ち……………………むね………………が…………」
胸が。
こんなにも、胸が!


「熱い」

あっつーーーーーーい。甘くないです、熱いです。個人的には、このセリフも熱いのですが、骨が砕けるというのが最高でした。なんというか、一緒になって銀子を応援していて、でも最後の最後にまた心の弱さが出てしまって、これは四段昇段は次巻に持ち越しなのだろうかと頭によぎってしまって、あぁまずい、この思考は銀子も自分もやばいと思っていたところからのあの挿絵に骨が砕ける描写ですよー、これは本当に熱い。

そしてそこからの同歩ですよ。同歩同歩。さんざん同歩ネタを引っ張っておいて最後にこれ。まぁ間違いなくこれを描きたかったがための伏線だったわけなのですが、まぁ実際文字にしてみてみるとたまりませんよね。

「同歩(わたしも)」というルビを打ちたくて仕方がなかった作者の顔がすぐに目に浮かびましたよ。正直負けましたよ、すっごくいいシーンでしたよ。これ書きながら何回もページをめくり返したのですが、何回見てもぞわっとする。それぐらい良いシーン。これ以上語るとなんか安くなりそうなのでこのあたりでやめておきますが、いやー、三段リーグの結末にふさわしい最高の流れ、そして最後だったと思います。

それでも13巻では破壊を望む

とはいっても、気になるのは今後の八一とあい、天衣の関係と物語の進み方です。もし本当に、うまくうまくまとめ上げることができれば、ラブコメの新しい道を築くことができるかもしれません。
将棋星人八一のあい実験計画が13巻のメインとなりそうな気がしているのですが、それにしてもうまくまとめてほしいと心から願っています。