隠れてていいよ

主にアニメや漫画の感想を書いています

漫画『チ。―地球の運動について―』読後感

本記事は漫画『チ。―地球の運動について―』のネタバレを含みます。
まだ読了されていない方はお気をつけていただければと思います。




読後感

どこで知ったかは忘れてしまったのですが、本作品を読み始めてずいぶん経ち、ようやく読み終わりました。
最終巻だけ何故か読む気分になれずずっと置いておいたのですが、ふと今日読みたくなってさっき読み終わりました。最高でした。

最終ページ1ページ前の、コペルニクスの記載を見た瞬間、体の奥底がゾワッとして震えました。
最終巻は怒涛の気持ちの入った言葉の羅列で、もうそれはそれはしっかり読まないと読み進められない濃度。

最近読書を再開して集中力とか考える力が多少戻ってきたおかげか、なんとか通して読み終えることができました。
漫画は得てしてスラスラとよもうと思えば読める素晴らしい媒体で、自分の場合はスラスラと読みつつも、それを何度も何度も繰り返すタイプです。
好きな漫画を永遠と読み返してセリフとかまで覚えるタイプでした。

でもいつしか、何度も読み返すものの、それは表面をなぞるだけで、ただその読んでいる時間をストレスの解消に使っていたような気がします。
しかし、本作品のような骨太の作品に出会うと、心が揺さぶられてしまうのです。そして、スラスラと読むことを拒否するのです。
これはちゃんと「考えながら」読まないといけないものなんだということです。

だからこそ、その時の気持ちに合わない作品に出会うとなかなか先に進められないことも多く、結果的に娯楽的な同じ作品をずっと読み返していたりしたものでした。
しかしやっぱり、どこか気持ちが落ち着いたタイミングになると、こんな作品をちゃんと読みたくなるのです。

心揺さぶられるということは、その作品で語られていたり描写されていたりすることに対して、なにか思うところがあるということだと思います。
思うところというのは、自分にはできなかったことを羨ましがったり、自分の境遇に照らし合わせて深く感じ入ったり、そんなことです。

読みながら色んな妄想をしたり、自分の考えと混ぜ合わせて考えたり、いろんなことができる、それが心揺さぶられるということなのです。
本作品はあまりに揺さぶられることが多く非常に重い作品であるというのも事実なのですが、それでもなんとか最後まで読み終えられたことは自分を褒めてあげたいです。

もう少し落ち着いたら、繰り返し繰り返し読んでみたいと思います。作者様、遅ればせながらお疲れさまでした。