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隠れてていいよ

主にアニメや漫画の感想を書いています

ティアラ学園長のイノベーション スターライト学園とドリームアカデミー、生き残るのはドリアカかもしれない

アイカツ!

アイカツ2年目から登場した、スターライト学園のライバル校「ドリームアカデミー」。スターライト学園から神崎美月と星宮いちごが抜けている間に勢力を拡大、一気に躍進し、今や「名門」スターライト学園と肩を並べる……いや、世間への影響力という意味ではスターライト学園を超えているかもしれない。「新生」ドリームアカデミー。

当初、ドリームアカデミーは2年目のストーリーの都合上「登場させられた」という意味合いが強いのかなと思っていました。いちご、あおい、蘭を始めとするスターライトの面々だけではストーリーを作りづらいわけで、そこにセイラ、きい、ソラ、そして最近ではマリアと投入することでストーリーを展開させる。そのための「ドリームアカデミー」だと、アイカツに対してそういった「裏」を探るような考え方はしたくはなかったものの、そう感じてしまうところはありました。
ドリアカのティアラ学園長は、いかにも色物っぽい安っぽい感じがしていて、神崎美月を輝かせるための脇役に近いという印象も、持っていなかったというと嘘になります。


しかしアイカツ2年目第65話「夢への扉」を見て、その考えは変わりました。もちろんまだ深くは描かれていません、しかし65話ではティアラ学園長の想いが僅かながら描かれ、そしてそれは私に「ドリアカは強い」と思わせるぐらいには説得力があるものでした。

本記事では、ドリームアカデミーそしてティアラ学園長のアイドルへの想いと、セイラのアイドルへの想いについて思うところを書きたいと思います。多少アイカツへのハイコンテキストな話になるかもしれませんが、お付き合いいただけますと幸いです。
少し長いです、しかし熱い想いが詰まっていること請け合いです。

学園長の想いとセイラの想い

第65話では、スターライトの掃除屋さん(殺し屋さんじゃないですよ?)である涼川直人が、ティアラ学園長の弟であることが明かされました。そして涼川直人の口から、ティアラ学園長の過去について触れられました。
ティアラ学園長は元IT企業の社長。テレビや雑誌に取り上げられるという表現が使われていたので、リアルで言えばDeNAの南場さんのような感じだったのかもしれません。
そんなティアラ学園長がなぜ、社長をやめてまでアイドル学校を作ったのか。それは「夢」だったそうです。学生だった頃にマスカレードのライブスタッフとしてツアーに参加して、アイドルの世界にすっかり魅了された、と。
しかし「すっかり魅了された」だけでアイドル学校を作るでしょうか。それだけならただの薄っぺらい設定です。
ティアラ学園長の想いについて書く前に、セイラについて少し書きましょう。



セイラが元々ロックバンドをやっていたという事実は、これまでも何度か言われてきました。ただ、きちんと過去が描かれたのは第65話が初めてです。
アイドルになる前、路上ライブを繰り返していたセイラですが、ライブから帰ったある日、妹のノエルがソレイユのライブを見ているところに遭遇します。ソレイユのライブを見るセイラが注目したのは「人を楽しませる」ということです。ソレイユのライブに参加している観客が本当に楽しそうであるということに気づいてしまったのです。アイドルってすごい、と。
アイカツ2年目からずっとセイラが言ってきた「人を楽しませる」ということ、実はその原点はソレイユ、そして星宮いちごだったのです。


私が65話で少なからず衝撃を受けたことの一つが、セイラがスターライト学園の編入試験を受験していた過去があったということです。画面に向かって思わず「マジかよ!」と叫んでいました。
「人を喜ばせる」ことができるアイドルになろうと、ソレイユを見て決心したセイラは、すぐさま行動に起こしていたのです。しかし編入試験ではセイラは落とされてしまいます。理由は「あなたはロックバンドに向いていると思うから」です。
果たして人生の先輩からのアドバイスは、正しいことのほうが多いのでしょうか。こと編入試験で審査をしていた人たちというのは、これまで幾度と無く審査を行い、アイドルの素質があるかを見極めてきたでしょう。ですから、「セイラがロックバンドに向いている」ということは、紛れも無く事実なのでしょう。実際、悪い意味ではなく、非常に前向きに、セイラにロックバンドの進路を進めていました(悪意を感じませんでした)。
しかしそういった「大人の言葉」が少年少女に与える影響というのは少なくないと私は思います。使い古された言葉で言えば、「いつの世も、子供の可能性を狭めるのは大人である」でしょうか。果たしてセイラも「はぁ……やっぱりアイドルっていう柄じゃないのかなぁ……」と溜息をつき凹みます。
しかしそこで、セイラは運命の出会いを果たします。もちろんそれはドリームアカデミー。編入試験の帰り、町中で手にとったアイドル雑誌にドリームアカデミー入学受付中の広告が出ているのを見つけます。そして、以下のようなメッセージが添えられていることに気が付きます。

「なりたい想いがあれば、誰でもアイドルになれる」

この言葉は、ティアラ学園長のポリシーであることが明かされます。この言葉は、確かに「よくある言葉」だと思います。と言うか、世間一般的にはマイナスのイメージすら付いていると思います。安い言葉で騙して入学させて、お金だけむしりとってやる……みたいな、ドラマ的展開がすぐに思い浮かびます。
とは言え、今回のアイカツで示されたこの言葉は、ティアラ学園長の想いに嘘偽りがありませんでした。そしてその言葉を信じて、セイラはドリームアカデミーに入学することになるのです。

「ここに来れば、なりたい想いがあれば、誰でもアイドルになれるって聞きました。私もアイドルになれますか、ラララって音を出せますか?」
いきなりドリアカにやってきて、そうティアラ学園長に直談判するセイラ、それを見てティアラ学園長はセイラに強い想いを感じることになる……。


「スターライト学園は、選ばれし者のみが入れる狭き門。でもドリームアカデミーは違う。夢と熱意があればアイドルへの道は誰にでも開かれる」
ティアラ学園長は、雑誌のインタビューなどでそういう風に答えているという。

織姫学園長のプライド、そしてセイラを見つけられなかったこと

ティアラ学園長は、元々マスカレードのファン、つまり織姫学園長のファンでした。そんなティアラ学園長がなぜスターライト学園のライバル校を作るような真似をしたのでしょうか。
ここからは私の勝手な推測です。
ティアラ学園長はアイドルの閉鎖的構造にイノベーションを起こしたかったのではないでしょうか。元々IT企業のやり手社長で、自分の実力で時代を切り開いてきたことが想像できます。そんな彼女が、元々憧れていたアイドルの世界。しかし調べてみると、アイドルになるためには「良い学校に入ること」が常識の、ある種の構造的な問題を抱えていることに気がついた。「アイドルは、そんな小難しいものだったかしら」と、マスカレードを見てきたティアラ学園長だったからこそ、なおさらその思いが強かったのかもしれません。芸能人はカードが命、しかしそのカードを切れる場所がそもそも無かったとしたら……。
だから、「夢と熱意があればアイドルへの道は誰にでも開かれる」と挑戦的な文句を雑誌などのインタビューで述べている。織姫学園長への挑戦状だと思われます。
65話では、そんなティアラ学園長の想いに対して織姫学園長がこう評します。「でも嬉しく思ったわ。あのティアラが、私とは別のやり方でアイドルを育てている。さすがね、ティアラ。私達が競え合えば、アイドル界はきっとすごいことになるわ」
もちろん本心として、「アイドル界を盛り上げていきたい」という想いが織姫学園長にはあるのでしょう。しかし同時に、「そんなやり方でトップアイドルを生み出せると思っているの?」という織姫学園長のプライドが見えてしまうのは私だけでしょうか。「敵視」という言葉は不適切かもしれませんが、やはりどこかでそんな想いがあるのではと私は推測しています。

これだけで話が終われば良かったのですが、本編ではさらに衝撃的な会話があります。織姫学園長がティアラ学園長に対して言った、以下の言葉は本当に衝撃でした。
「ところで、ずっと気になっていたんだけど。音城セイラ、あんな才能を一体どこで見つけたの?

何が衝撃だったかって? それは「織姫学園長がアイドルを『見つけるもの』と言ったことです」。もちろん織姫学園長はアイドルを大切にしているし、単に「見つける」とだけ考えているとは思えません。しかし少なくとも、セイラというアイドルに対して「見つける」という言葉を使ったことには衝撃を受けました。なぜかって? それは上述の織姫学園長の言葉に対するティアラ学園長の返答を持ってお答えしましょう。
「いえ、見つけたんじゃありません、セイラは現れたんです」
「アイドルの新しい扉を開くのは、音城セイラですから」


分かりますか? 100年たっても、きっと織姫学園長にはセイラを見つけられないのです。果たして、今のスターライトの体制で、第二の神崎美月、第二の星宮いちごが現れるでしょうか。もちろん、今後織姫学園長の考え方は変わるのかもしれません。しかし、その時にはドリームアカデミーはもう、誰も手の付けられない影響力を持ったアイドル学校になっていると私は思うのです。
「アイドルの新しい扉を開くのは、音城セイラですから」と言った時の、あのティアラ学園長の力強い、そして自信に満ちた挑戦的な顔をご覧になりましたか? あれは間違いなく挑戦状ですよ。



スターライト学園という超名門の織姫学園長がなぜ、ティアラ学園長に対してあんなに肩入れするのかずっと疑問だったのですが、今回それが僅かながら理解出来ました。
それは織姫学園長が、自分にはないものをティアラ学園長に感じているからだと私は思うのです。もしかしたらそれは「恐怖」という言葉でも表せられるのかもしれません。


神崎美月というブレインを持つ、行動が早い、型にハマらない実践練習の取り入れ、アイドルコースだけでなくデザインコースやプロデュースコースも併設している……アイドル業界に革新を起こそうとしているという意思が見えます。
ビジネスの世界になぞらえるのは正しいかはわかりませんが、自分にはない能力を外から取ってきて、圧倒的なスピードでいろんなことを試していくという考え方……今後生き残るのはドリアカかもしれません。

終わりに

何か久々にアイカツのほんわかとはかけ離れた記事を書いてしまったのですが、それほど第65話は衝撃的なお話でしたので筆を取りました。
もちろんこれは私が65話から受け取ったことからの推測の域を超えません。しかし、少なくとも「そう思わせてくれるだけの」描き方がされたと私は思います。これだからアイカツはやめられません。

今後、スターライト学園とドリアカの対決姿勢はこれまで以上に加速するのではないかなと予想しています。ギスギスするのは嫌ですが、でもドリアカの快進撃ももう少し見てみたいなと思う私でした。


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