奏が、絶望の中の一筋の光、希望を見出そうとしていることがあらためてわかり、とても安心しました。
一方で、当初からそういう曲作りをしようとしていたものの、完璧にはいかず、あと一歩のところでまふゆの答えに近づけていなかったともいえる構図が素敵だと思いました。
タイトルの「いつか、絶望の底から」はあまりにもストレートにそれを表現していると思いますが、奏の曲作りにの根底には絶望、辛さ、悲しみ、それを乗り越えるための必死さ、死ぬ気……そんなものが溢れています。
まふゆも、進み続け何か答えの糸口を見つけないと死んでしまう……そんな辛さを抱え続けていました。
その根底にある絶望のシンクロから始まった二人の出会いでしたが、その時から奏の「あたたかさ」のようなものはわずかでもまふゆに伝わっていたというのが本当にエモい。
(この人はどうしようもないくらい消えたくて、
でも――消えたくないって思ってる)
今回描かれたような出会い・過去があったことはうっすらと想定はできていたものの、きちんと描かれて、その上で直近の「カーネーション・リコレクション」で描かれた内容を思い出すとまた温かい気持ちになりました。
thun2.hatenablog.jp
「カナデトモスソラ」は、まふゆの次のステージへ進むきっかけとなった曲だと思っていて、この記事を書きながら聴き直しているのですが、メロディーも歌詞もよすぎです。
特にサビ部分。
拒んだもの多すぎて
見えないものばっかみたいだ
ちょっと 触れようとしてみてもいいかな
伝えたいよ きっと無理かもしれないけどどうか
ねえもっと ねえもっと 見たいよ
知らない世界で見つけたイメージを
壊れかけで咲いた不確かな欠片
音にするから
以前の記事でも書いたのですが、この曲って寄り添ってくれる優しい曲でありつつも前も向いて歩いていこうとも思える、そんな明るい曲だと思っているんです。
前向きな曲だと思える理由の一つは、歌詞の中で、行動して前に進んでいこうとする気持ちが見えるからなんです。
奏もまふゆも、答えがわからない壁にぶつかりながらも必死に前に進もうとしていると思うんですけど、それが伝わりすぎて胸が痛くなるほどに感動するんです。
二人の問題は解決にはまだ至っていないのかもしれないけれども、一筋の光だとしても、明るい方向へ進もうとしていることが本当に嬉しいのです。
ストーリー振り返り
いつもながら、いくつかキャプチャを紹介しながら印象に残ったシーンを少し。
ミクさんマジ天使
まふゆ達がここに来る時は、
寂しい気持ちの時もあるから。
だから、いっぱい来なくても大丈夫
なんか、このセリフを見た瞬間、本当に優しい気持ちになってしまいました。
このセカイのミクさんが、寄り添う姿勢を持っていることはずっと知っていましたしこれまでも何度も感動していましたが、このセリフは本当にいい。
ルカ姉さんが発想の転換で、こちらのセカイにいない時に会いに行こうっていうのも良かった。
穂波さんのこと
奏と穂波は、想像よりは劇的な出会いでした。
当初私はお祖母ちゃんが、同年代の子ともコミュニケーションを増やす意図もあって穂波を意図して選んだのかなと思っていましたが、まさか倒れた奏の発見者からの縁だったとは。
結果的には、年代が近い子と話す機会が増えたことは奏にとってプラスだったんだろうなとは思います。
関連:もっと心に近づきたい――キーストーリー「囚われのマリオネット」初見感想 - 隠れてていいよ
聞き方
(――どうしてあなたの曲は私を揺さぶるんですか、って?)
自問自答して、さっと冷静に流していくこの感じめっちゃ好きなんですよね。
まふゆは本当におもしろい。
初対面
ネット越しとはいえ、初対面の人にハンドルネームを名乗りながら自己紹介するっていうシチュエーションが、古き良きネットコミュニケーションって感じでめちゃくちゃ好きです。
昔、オンラインゲームのチャットで同じようにした自分の経験がぶわっと蘇ってきました。
当初二人が敬語で話していたっていうのが、なんかエモいですよね……。
カップリング的には間違いなく奏とまふゆって人気だと思うのですけれども、そりゃそうですよと。
終わりに
もう一波乱ではないぐらいの波乱はあるのでしょうが、でも、この二人なら前に進んでいけるとあらためて確信したキーストーリーでした。
アフターライブでの、ずっと作り続けるからねとあらためて伝える奏が良すぎて、思わずスクショを撮ってしまいました。