隠れてていいよ

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諦められないからこそ、悩む――ニーゴ「空白のキャンバスに描く私は」を読んで

絵名は、誤解を恐れずにいうと、等身大の悩みが描かれていると思います。

画家として生計を立てられる父親を持ち、その姿を見ながら生きてきて、将来は絵の道に進むと疑わず進んできたけれども、その父親に、真正面から才能が足りないと言われ自分の将来を勝手に決めつけられる。



無自覚的に自分をよく見せようと振る舞っている中で、同年代の周りの成長を目の当たりにする。思春期まっただ中、まだ俯瞰して物事を見られない中で、強くショックを受け、前に進めなくなった過去。

その過去を引きずりつつも2年間のニーゴの活動を通じて、描き続ける大切さと自分の未熟さも同時に知った絵名は、あらためてリスタートを切ろうとしている……。



この、誰しもが持つかもしれない苦しさを、当たり前のように描いても違和感がないのが絵名というキャラクターなんだと思います。そういうところが好きです。


キーストーリー「ボクのあしあと キミのゆくさき」の中で、絵名はMEIKOから「信念を変えない――変えることのできない子」と評されてしました。

一歩間違えると頭が固いと捉えられなくはないですが、一方でどんなに苦しくても、自分の信念を貫き通すために諦めないということでもあります。
諦められないからこそ、悩む。前に進もうとするけれども、うまくいかない、だけど諦めないからこそもがく。そして苦しくなる。

その苦しさを、今回絵名は、仲間の手助けもあり乗り越えることができました。



こうやって言ってくれる仲間がいてくれることが、この2年間、絵名がちゃんと前に進もうとやってきた結果だと思うと涙が出そうになります。
気持ちがついてきたから結果もすぐに付いてくるとは限らないのが難しいところではあるのですが、それでも絵名は、ニーゴという居場所を通じて今後も前向きに進んでいってくれそうだなと思いました。

なんかお父さん目線な感想ですが、、

印象に残ったシーン

ここからはいつもどおり、思わず撮ったスクショとともに。

中学生の絵名

やっぱり絵名は美少女だと思う。
制服補正が効いている気もするけども。

瑞希


『でも、もし話したほうが楽になることなら、
いつでも話していいからさ!』

なんだろうな、「ボクのあしあと キミのゆくさき」を通ってきたからこそ、瑞希の言葉一つ一つにこれまで以上の思いやりを感じますよね。

これまで瑞希は演技をしてきたような描き方をされていますが、すべてが演技というわけではなく人の世話を焼くのは瑞希の性格なんだろうなとは思います。
ただ前回の絵名とのやり取りを通して、よりそのままの自分を絵名には語るようになってくれたようにも思います。



『いえいえ。困った時はお互いさま、だからね♪』っていうセリフ、なんかこういう感じのやり取りが、これまで以上に心にグッと来るのです。

今週のまふゆさん

『……曲のためになるなら、別にいい』

あいかわらずのサバサバ感。キーストーリーに1回は聞かないと満足できない体になってしまったかもしれません。

見ていてくれる人はいる


折れながらもやり続けてきた絵名を見てきた人が、ニーゴのメンバー以外にもいるというのはいいですね。
教室には通い続けると絵名は決めたようなので、今後二葉さんとの絡みが見れるのかもしれません。

来ちゃった


なにも言うことはありません。来ちゃいました。


終わりに

ストーリーを読み進めれば読み進めるほど、どんどんキャラクターのことが好きになっていきますね。
当初ニーゴのストーリーを読み進めたころから比較すると、絵名への好き具合は相当に上がっております。


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