隠れてていいよ

主にアニメや漫画の感想を書いています

俺妹の桐乃の妹キャラ好きは、同性愛の問題を孕んでいるの?

昨日の深夜に俺妹の記事を書きました。その後、俺妹の8話に関する記事を漁っていて、思う部分がある記事を見つけたので、私の意見を書いておきたいと思います。

大前提

私は、俺妹を同性愛を扱った作品であるとは思っていませんし、また桐乃の妹キャラ好きを百合や同性愛という視点で見たことがなかったです。これは私の主観です。
この俺妹についてを同性愛の問題と捉えることに対して否定するつもりもありませんし、そういった意見もあるんだなぁという捉え方もしているつもりです。
ですが、上2つの記事を読んでいると、どうしても「ん?」と思うところが出てきてしまったので、なぜそう思うのか、またどうしてかみ合わない気がするのか、について考えてみます。

なぜ京介が怒ったのか

桐乃の想い、つまり妹キャラが好きという想い、を(作品内で)アニメ化というフィルタを通す時に、スタッフが蔑ろにしようとした、からだと考えています。桐乃が書いた作中小説『妹都市』は、桐乃の「妹キャラ(女性キャラ)が好きだ」という想いに溢れている作品だと、私は感じました。そして、京介や黒猫、沙織もそう感じていたはずだと私は感じました。

京介が怒ったのは、桐乃が思いを込めて書いた作品を、尊重するどころか蔑ろにされたから、だと思います。これは、黒猫も沙織も同じだと、私は思います。

どうして上記事に、どこか違和感を覚えるのか

hokke-ookamiさんは、上記事において


私が疑問に思ったのは、id:sasahira氏が指摘するように、主人公以外にマンガやアニメを強く好むキャラクターが2人もいること。ここで「百合」が全く言及されないのは不自然ではないかと思う*2。逆にいうと、他の百合作品の存在を作中キャラクターが指摘し、対するアニメスタッフも対象視聴者層や売り上げ等を理由として反論し却下した描写があれば、エクスキューズと理解しつつ同時代的なリアリティも感じたと思う。物語で最終的に「善」が敗北すること自体は全くかまわない。
と書かれています。
例えばここに違和感を覚えるのですが、なぜ覚えるのかは理解できます。先程から何度も述べているとおり、8話においては、女性キャラクター同士の問題(同性愛の問題)に限定しているわけではなく、それも含めて、桐乃が書いた原作が蔑ろにされていることに京介たちは腹を立てているのだと、私は考えています。なので、少なくとも、私が問題にしている部分とhokke-ookamiさんが問題にしている部分が違うんですよね。

何度も書きますが、これは視聴者の考え方次第で幾らでも捉え方が変わってくるということ。だから、今回であるならば同性愛の問題に焦点を絞ること自体は何ら問題は無いし、むしろ、なるほどとも思いました。私はこう思うし、でもそういった意見もある、という、単純なことだと思います。

つまりどういうことだってばよ



id:sirobu アニメ 女性エロゲーマーが抱く「ヒロインキャラが好き」って感情は概ね同性愛じゃないし、桐乃の妹キャラ好きも同性愛じゃない。よってアニキが「同性愛は悪くない」と批判する必然性もない。 2010/12/07
必ずしも兄が批判する必要を感じているわけでないことは先述したとおり。

また、「桐乃の妹キャラ好き」が一般的に思われている同性愛と違うことは確かだと思う。ただし、セクシュアリティが一般的な観念のそれでないことは、それを尊重する必要がないことには繋がらない。アニメスタッフ側の言い回しを工夫することもできただろう。

ここあたりに集約されるのではないか、と思っています。
hokke-ookamiさんは、桐乃の妹キャラ好きを、一般的に思われている同性愛とは違うだろうと感じていらっしゃいます。それと同時に、同性愛という問題として8話を見たときに、憤りを感じていらっしゃるのだと、私は思いました。

で、どうして上記事の、はてブコメントなどで、お互いの意見が噛み合っていない、という印象を受けるのか。それは、hokke-ookamiさんが、桐乃の妹キャラ好きを、一般的に思われている同性愛とは違うだろうと感じていらっしゃることを、殆ど主張されていない、というよりは、読み取りにくいから、だと私は感じました。
自分のスタンスを主張することと、他人のスタンスを受け入れることのバランスが悪いのではないか、と私は感じました。

予防線を張るということ

予防線を張ること自体が絶対的に正しいなんて思ってはいませんが、かなり感情が入った記事を書く際というのは、予防線を張っておくことは「悪くない」ことだと思います。感情的な内容を書く場合、本文中では、つい感情的になってしまい、バランスを欠くことが多くなる傾向が、少なくとも私にはあります。そういった意味では、最近書いた「俺妹8話が気持ち悪い理由」という記事は、少しバランスを欠いた記事だと反省しています。

最後に

ある人が漫画やアニメは誰が見ても読んでも同じで一つの理解しかできないと仰られたそうです。俺妹の、さらに8話という限定された話の中でも、こんなにも頭を悩ませているというのに―。