高校生という設定を、間接的に意識させるのは、素晴らしいと思います。どういうことかと言いますと、ちょっとエロいシーンがあったときに「あ、この子たちって高校生だったよね…」と、ふと思う瞬間がエロい、ということです。
本記事では、前半は「ここがエロい!」と感じた部分を取り上げ、語ってゆきます。後半では、本作品の作り方の面白さについて語ります。前半は頭を柔らかくして、後半は考えながら読んでいただければ、幸いです。
追記-20110418
本記事に頂いたコメントを読んで気づいたのですが、以下、「足裏」は「膝裏」の間違いでした…。足裏にもエロさを感じていたことは確かなのですが、料理シーンについていうならば、膝裏でした。お詫びして訂正致します。
足裏 膝裏がエロい
緒花の小学生回想シーン。
参観日に来てくれなかった母親に、ブロッコリー満載の料理を作る場面で、お花が台所に立つシーンがあります。この時の緒花の足裏 膝裏がとてもエロい。
なぜエロく感じるか。
- 小学生が台所に立って料理を作っているという設定
この設定が、エロい。立ち振る舞いがオトナっぽいのに、設定は子供。このギャップ。ここがエロい。
足裏膝裏がエロい
小学生とか大人とか、そういう事を抜きにして、足裏がエロい。なぜ足裏がエロいのか?
足裏がエロい理由は、今まで深く考えたことがなかったので、これを機に少し考えてみました。
着物のめくれ具合がエロい
緒花が、菜子さんと民子さんに嫌いなものを聞くシーン。二人を押して倒れこむ場面ですが、その際の、緒花の着物のめくれ具合がエロい。
もちろん単純にエロいというのもあるのですが、この瞬間、先ほど挙げた「高校生設定」が生きてくるのです。
「あれ、この子たちって高校生だったよね…」と、ふと思い出す。すると、より一層、エロさが増します。
民子が嫉妬エロい
民子とは、死ね死ね言っちゃう子です。この子が、プライドを刺激されて逆ギレするシーンは、たまらなくエロい。
ポイントは、緒花が無意識に民子のプライドを傷つけている点なのです。無意識だからこそ、思いっきり傷つける。傷つけられた民子は、思いっきり感情でやり返す。このやり取りが素晴らしいし、そしてエロい。
緒花の思考は、小さいころの経験が大きく影響している。
「エロいエロい」と言っているだけだと馬鹿みたいなので、少し考察を。
2話を見た方なら分かると思うのですが、緒花を形作っているのは、母親なんですよね。
小学生の頃は、大人の言うことは絶対、というルールがあるように思えます。先生の言ったことは正しい、両親の言ったことは正しい、塾の先生が言ったことは正しい。
緒花の場合はそれが母親です。そして、言われただけでなく、経験しているというのがポイント。つまり、「約束したのに参観日に来なかった」事を体験した後に、母親から「人生はこうなんだよ!」って言われる理不尽さ。実体験なわけで、緒花という人間が、強く形作られる瞬間なわけです。
緒花が空気読めないキャラを演じざるを得ないのは、世間に反抗しているからなんですね。そして、その反抗心を作ったのが母親なわけです。緒花はとても不器用な子だと思います。
自分の生き方を貫きたい! という高校生の部分と、小さい頃からずっと刻み込まれている「世間の厳しさ」。この二つの間で揺れる緒花の物語、それが花咲くいろはであると、私は思います。
学生編・旅館編・過去編
花咲くいろはの素晴らしい点の一つは、旅館編だけに留まらないストーリー展開ができることだと思います。
2話を見ていただければ分かるのですが、基本は旅館編で、そこに過去編が差し込まれる作りになっています。過去編が挟まれると、緒花という人物を掘り下げることができるので、現在という旅館編がより魅力的に見えるのですね。
3話以降は学生編も始まるでしょう。環境が変われば、登場人物の様々なリアクションを見ることができるので、さらに理解が深まる。なんと、素晴らしい作り方か。
2クール編成の事実を突きつけられると、やれ飽きる、ダレると言う人がいますが、少なくとも花咲くいろはは、飽きることなど無いでしょう。むしろ、尺が足りなくなるのではないか? とも思うのです。