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隠れてていいよ

主にアニメや漫画の感想を書いています

ゲーム『絶対絶望少女』に絶望して希望を見出した、そして愛ゆえに墜ちる人々

本記事は、2014年9月25日にスパイク・チュンソフトより発売されましたPA VITA向けゲームソフト『絶対絶望少女』のネタバレを含みます。まだプレイされていない方は、そこのところ注意していただければと思います。
ちなみに詳細なプレイ記事ではありません。










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絶対絶望少女のためにPS VITAを買いましてプレイしました。クリアは約18時間を要しました。先週の土日で終わりきらなかったので平日、会社帰ってから眠い中頑張ってクリアしました。
ゲームが楽しいなぁって思いました。なんでゲームするだけでこんなに楽しいんだろうと絶望しました。なんでこんなにも楽しいコンテンツをもっともっと楽しめないんだろうと絶望しました。

さて久々に2chの専スレなんて見たら、賛否両論渦巻いていた……いや否定が多く目につきました。もうバカバカしいのなんの。絶対絶望少女は人に勧められないな、ダンロンシリーズ終わったな、超えちゃいけない線を超えちゃったな……そんなんばっかり。

違う、違う違う違う違う。どんだけみな繊細やねん。いろいろ言いたいことはあるけど、特に希望の戦士たちの設定については、あれでも物足りないくらいでしょう、そうでしょう皆さん。

今回は児童虐待がテーマで、地味にリアルな設定と描写が多かったことは事実です。特に両親の手記は凄く良かった(最終章の、扉を守っているロボたちの足元に落ちています)。なまじ想像を掻き立てるので良かった。だけどそれら設定を「ゲスい」だの「一線を越えた」だの言うのは一体何なんだ。それはあなたがそういう設定を嫌っていたり生理的に受け付けなかっただけじゃないのか、それを作品に「つまらない」と向けるのは違うでしょう。
おそらく、ダンガンロンパという作品を愛しているがゆえに出る批判なのだと思う。そんなゲスい設定持ってきても普通の人は引くでしょう、そうしたらダンガンロンパは一般に評価されなくて、結果売れなくて、続編も出にくくなるかもしれないし……という気持ちから発せられるのは分かる。だけど、それならそう言って欲しい。作品は作品としてきちんと評価して欲しい。


さてうだうだ言うのはこの辺りにして、もう少し希望の戦士の子どもたちについて感想を書きたいと思います。5人の戦士の中でならダントツで空木言子ちゃんが良かった。

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なお画像は、公式サイト 絶対絶望少女 ダンガンロンパ Another Episode | スパイク・チュンソフトより引用しています。


まぁ見た目が可愛いのは当然としても、「性的なトラウマを抱える女の子」という設定はやはり凄くいいと改めて感じました(あの、二次元の話ですからね)。基本的には明るく振舞っていて、同年代の子たちよりもマセていてシモネタを自分から積極的に言うくせに、トラウマとなる言葉を聞くと、過去のフラッシュバックで一気に「あああああああああああ」と取り乱して泣き叫んで自我を失う様は本当にいい。私達はその瞬間、一気に「あぁこの子は過去にどんな目にあったのだろう」と思いを巡らし想像することができる。
2chスレ読んでいると、読者に想像の余地を残すのではなくライターが妄想したものをストレートに表現したからゲスい、という批評があった。過去作では可能性を示唆する手記やキャラクターの反応にとどめたことで妄想の余地があった、というようなものである。

正直なところ、今回の言子ちゃんも充分に想像の余地を残している。ただ決定的に過去作と違うのは「実際にあった」という「事実」認定が99.9%されていることである。そしてその事実とは、母親と言子の親子枕営業です。一般的な枕営業設定と少し違うことは、母親も一緒に枕営業している点です。それと同時に、母親が言子の幸せを思って言子に枕営業させている点です。

だから、この「事実認定がされたそのもの」に対して「読者に想像の余地を残すのではなくライターが妄想したものをストレートに表現したからゲスい」というのならまだ分かる。ただそれでも、ハッキリ言ってまだまだ想像の余地を残している。言子ちゃんは一体どんな気持ちで毎回営業に同行させられていたんだろうか、頻度はどのくらいだろうか、表に出ていないだけで裏ではその映像が出回っているのだろうか、どんなプレイをさせられていたのだろうか、優しいという言葉に嫌悪感を示したりトラウマになるレベルになるにはどのくらいの時間を要したのか……まだまだ想像の余地がありすぎて個人的には不満だったレベルです。
少なくとも薄い本の需要が出るだろうと思うぐらいには想像の余地ありですよ。「公式が同人」にはまだまだほど遠いですよ。

もし私が今作を批判するとすると、希望の戦士たちの設定をもっと掘り下げて欲しかった、ということになります。もっともっと各キャラクターにフォーカスしてほしかったのです。他作品を出すのはあれかもしれませんが、「うみねこのなく頃に」や「ひぐらしのなく頃に」を私が好きなことの一つの要因として、各キャラクターの過去が丁寧に掘下げられていることです。外伝的なものも含めると相当に掘下げられています。
絶対絶望少女はダンガンロンパシリーズのアナザーエピソードという立ち位置ですので、そこにリソースを割き切れなかったのだと思うのですが、それにしても勿体無い。もっともっともっと希望の戦士の絶望ストーリーが読みたいのです。願わくば、書籍でもいいので出して欲しいものです。絶対絶望少女/ゼロ、とか。

大門大くんも、一見設定が薄いような気もするのですが、家庭内暴力の描写がもっと胸糞悪く描かれていたら変わっていたと思う。お酒や煙草を子供に買いに行かせて、きちんと買えなかったことに対して親が切れる、というシチュエーションは胸糞悪いわけですが、ちょっとスパイスが足りません。どのくらいの頻度で、どのくらい精神をやられるような仕打ちを受けていたのか、ということをもっと描かないと感情移入しきれません。やはり想像の余地はまだまだあります。


作中では「子どもが可哀想って最強じゃない?」というモナカのセリフ・思想があり、それがストーリー全体を引き立てる役目を負っているわけですが、であるならば、その「可哀想って最強」を活かす子ども達をもっともっともっともっと醜悪に劣悪に描くことで、そのテーマはより昇華されたのではないかと思う。

モナカが生き残ったことに対して胸糞悪いという意見もありますが、個人的にはモナカもそれ程には掘下げが深くなかったので、どっちでもいいと思ってしまいました。もっともっと絶望させてくれるストーリーでいいんですよ。もっともっと絶望したいですよ。

終わりに

もっともっと誰も救われない話が読みたいですねー。救われてもいいけど、救われない話が読みたい。絶望的に絶望な話を読みたい。ダンガンロンパ3には期待しています……出ますよね? ダンガンロンパシリーズが続く限り、少なくとも私は生き続けたいです。