この記事に関連してtwitter上で幾つかつぶやいたのですが、その中で1つを抜粋。
各話の感想が需要があることは良く分かっているし、さらに考察のような記事のほうが読まれやすいことも分かっている。各話の感想記事が好まれるのは、後からアニメを見た人が、当時にどんな盛り上がり方をしていたかを追えること。これはすごく重要。リアルタイム感を味わえるのは貴重。
これに対して、以下のようなツッコミを、上記事執筆者の @saito3110c さんに頂きました。
リアルタイム感をいつでも味わいたいのであれば、それこそ2chまとめブログの方が好まれると思います。 RT @thun2: 各話の感想記事が好まれるのは、後からアニメを見た人が、当時にどんな盛り上がり方をしていたかを追えること。これはすごく重要。リアルタイム感を味わえるのは貴重。
2011-03-06 12:34:02 via web
リアルタイム感を味わうには、と私が考えたときになぜ2chまとめブログという選択肢がパッと思い浮かばなかったのか。ブログ記事はリアルタイム感が味わえて2chまとめブログは違う、なんて事はないはずです。
ところでリアルタイム感という言葉は曖昧すぎるので、自分が思うリアルタイム感を書いておきます。リアルタイム感とは「作品などが初めて世に出たときの一次盛り上がりを味わえる事」です。一次盛り上がりの一次は、一次情報の一次の意味合い、つまり直接その当時の体験をした人の、みたいな意味です。
具体的な例を出すと、例えばコミックスの単行本派の方が、雑誌掲載時どういう風に盛り上がったかを知るために、当時誰かが書いた記事(感想ブログでも2chまとめブログでもなんでも)を読んで「おぉ、当時そんなふうに盛り上がっていたのか」と感じることをリアルタイム感としています。
さて、そんなリアルタイム感、2chのまとめブログと感想ブログ、どちらが味わえると思いますか? そして、なぜリアルタイム感を知る選択肢として2chまとめブログが私の中でパッと浮かばなかったのでしょうか?
長くなりそうなので、以下の2つに分けて記事を書こうと思います。
なお本記事では、アニメに限定した議論はしていません。
とどのつまり、面倒くさいってことかっ
なぜ2chまとめブログがパッと思い浮かばなかったのか? 私なりに考えた仮説の1つが「検索したときの出てきやすさ、ニッチな作品の扱い」です。
もしかしたら私たちは当時の感想を探したり見たりするのに結構苦労しているのではないか。そして発見しやすい個人ブログを無意識に選択しているのではないか
以下のケースを見てください。なお登場する人物などは全てフィクションです。
A君のケース
そこで早速グーグル先生で検索をしました。検索:「アニメX 感想 雑誌Y」。アニメの感想記事がたくさん出る中、週刊連載時に感想を書いていた幾つかの感想ブログを発見しました。「おぉすげぇ、連載開始当初の感想まであるw」「うわー、ここの盛り上がりは当時こんなふうに考察されていたのか、なるほど」。大満足のA君でした。
B君のケース
そこで、B君は過去ログを漁ろう!と思いました。しかし発売からある程度の時間経過してからB君がプレイしたのもあり、発売当時のスレッドは見ることができませんでした。調べてみると、有志の方が過去ログをWikiにアップロードされているそうです。そこでB君はすぐに読める形ではないログをダウンロードし、読めるように変換し、ようやく見ることができました。「おおお、発売当時の嘘バレが笑えるw」「皆驚きすぎだろw」。大満足のB君でしたが、誰かが全部変換して、盛り上がりそうなところをまとめておいてくれたら楽なのになぁ…とも思ったB君でした。
その後、ふと「キュゥべえのなく頃に 感想」でググってみると、個人の感想ブログが幾つもヒットしました。2chの一次情報も捨てがたいけれど、個人の人が書いたブログは見つけやすいし直ぐに読めていいな、そんなふうにも思ったB君でした。
+++++
一見すると筋が通っているようにも感じます。「これは説得力があるぞ!」と思いました。ですが、すぐに短絡的だと感じました。例えば、この仮説は私の経験に左右されすぎています。自分の仮説を証明したいために都合の良いケースを考えており、アンフェアでもありました。
例えば「最初から2chまとめブログにアクセスして、記事内検索でもすれば良いじゃん」という話については、私が殆どやったことがないので選択肢に入っていませんでした。なるほど、とりあえずグーグル先生に聞け、という発想が古いのかもしれません。
また、検索の際に2chまとめブログが引っかかりにくいと遠まわしに言っていますが、上のケースだと漫画を前提にしていたことが間違いでした。漫画だと確かに見つかりにくいのですが、アニメだとそれなりに見つかります。これは本当に抜け落ちてました。
例えば「神のみぞ知るセカイ」という作品では、原作について2chまとめブログを探そうとすると簡単には出ないのですが、アニメについては幾らでも出てきます。
と、他にも沢山思いついてしまい、突込みどころが多すぎることが分かりました。ただ、100%間違っているとは思いません。要因の一つであることは間違いないです。
でも、本質ではないようです。
需要があるから存在する
2chまとめブログはなぜ人気があるのか? その答えの一つは、まとめるという労力をまとめブログ側がやっているからでしょう。つまり受け手・読み手側は、わざわざ自分で一次情報を探しに行かなくても、そのまとめブログの記事を読むだけで良いのです。「コピペするだけでアフィリエイト乙」のようにまとめブログが批判されることがありますが、人に読んでもらえる、つまりアクセスが稼げる記事を書くためには、かなりの労力がかかっていると私は思います。「コピペするだけ」でアクセスが稼げるなら誰でもやってるでしょう。
逆に言うと、ニッチな作品のリアルタイム感を感じることができるまとめブログは需要があるでしょう。例えば漫画作品について、本誌に掲載された時の2chのスレッドを毎週まとめておき、それを話数毎にカテゴリ分けしておく、とか。
ここまで考えて思いました。これって個人の感想ブログそのものですよね。というのは個人の感想ブログってニッチな作品を扱っている人も多く、そして作品毎・話数毎にカテゴライズされてて、時系列でずらーっと並んでいる。
そうすると、2chまとめブログと感想ブログの本質的な違いは「書かれている内容」でしょうか。
「誰が書いていているのか」、この部分が本質でなのでしょうか。
これらについては、上述しましたが、次回の記事で考えます。考えれば考えるほど難しい。
ご意見・ご感想あれば、是非お聞かせください。