隠れてていいよ

主にアニメや漫画の感想を書いています

創作「期待しないことの難しさ、弱さ」

人事を尽くして天命を待つ、という言葉があります。
意味をgoo辞書から引用(以下他の言葉の意味も同様にgoo辞書より引用)すると力のあらん限りを尽くして、あとは静かに天命に任せる。です。

この言葉には、やるべきことをやったのだから結果がどうであれ受け入れるしかない、そんな思いが含まれていると思います。
とはいえ世の中は上手くいかない、思い通りにならないことばかりで、「人事を尽くして天命を待つ」という言葉を刻み込めていたとしても、落胆が常に付きまといます。

落胆は期待や希望がはずれたときの気持ちが沈むさまを表わす語であり、期待がついて回ります。
期待とはあることが実現するだろうと望みをかけて待ち受けること。当てにして心待ちにすること。で、「人事を尽くして天命を待つ」とは並列する概念だと思います。

期待とは、結果が自分でコントロールできないものに使われることが多いです。
鍛えたり勉強したり準備したりしても、自分以外に左右される要素が多くなればなるほど成就するかどうかは制御できないわけです。

人の心を読める人はいません。人が何を考えているのか、本当のことを言っているのか、正しいことを言っているのか、それはその人にしか分かりません。
だから自分以外に「こうなってほしい」という期待を持つことは、失望に繋がることが分かります。

なぜ、自分以外に期待をしてしまうのか。
「人事を尽くして天命を待つ」精神でいても、他人への期待を無くせない。


だから、共感はしなくても理解の必要があるのです。

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