隠れてていいよ

主にアニメや漫画の感想を書いています

これはゾンビですか?から考える、コミカライズの利点

これはゾンビですか?にダダハマりの今クール。原作はライトノベルですが、漫画・ドラマCD・アニメとメディアミックス展開されています。
ドラマCDとラジオCDに関してはまだですが、それ以外は全て消化しました。本記事では、これゾンのコミカライズについて簡単に紹介します。また、一般論として、コミカライズの利点についても考えてみます。
なおコミカライズとは、アニメ・小説・映画等々が漫画化されることを言うのですが、本記事ではライトノベルについて書いています。

これゾンのコミカライズ

現在コミカライズされていて、さらに書籍として販売されているのは2つ。一つは原作に沿ってストーリーが展開しているもの。公式サイトにも情報があり、2巻まで発売しています。もう一つは、最近発売されたばかりの「これはゾンビですか? はい、アナタの嫁です」というもの。“日常編”と銘打っておりオリジナルストーリーなのかな?と勘違いしそうになりますが、内容は原作6巻の一部をコミカライズしたものです。逆に言うと、原作6巻はストーリー展開が殆ど無く、ひたすら日常編が描かれていたりします。

ちなみにこの2つのコミカライズ作品の著者はバラバラで、原作に沿っている方は「さっち」さん、“日常編”の方は「長谷見亮」さんです。なお、どちらも原作と比べてエロい描写が多いです

コミカライズ、原作どっちを先に読んだほうがいいの?

さて、よくある質問「コミックと原作、どちらを先に読んだほうがいいですか?」について。これゾンに限らずですが、この答えは人それぞれで、強制することはできません。そういった予防線を張った上で私の意見を述べていきます。

以前「アニメよりも先に原作の内容を知っておきたい欲求」という記事でも書きましたが、私はそれなりに原作至上主義です。その作品を創り上げた人が伝えたいこと、表現したいことは、誰のバイアスもかかっていない原作で読むのが一番だ、ぐらいにまで思う人です(例外も多々ありますが…)。
そんな私は、当然ながら原作→コミカライズをオススメするのですが、この信条以外で原作先読みを進める理由としては、これゾンのコミカライズは原作の内容をそれなりに省略したり削ったりしていることが挙げられます。コミカライズだけでストーリーをしっかりと理解することは難しいかと思います。コミカライズ作品全般に言えることですが、どうしても展開を早くせざるを得ないのです。なぜかというと、ライトノベルの中身をそのまま全てコミカライズしていたら、本が何冊あっても足りないからです(要ソース)。



ここまで書くと、私がコミカライズに否定的な意見を持っているように感じた方がいらっしゃるかもしれませんが、そんな事はありません。コミカライズの良さは沢山あります。

コミカライズの利点とは

原作イラスト担当者とコミカライズの著者の違い

原作のイラストを担当した人がそのまま漫画を書いていない場合、当然、絵柄が変わります。著者によって絵の個性があるので、中々に興味深いです。新鮮味も感じます。極端な言い方をすれば、別作品を見ている気にもなります。

イラストを担当した人がそのまま漫画を書いていないと言いましたが、もちろん例外も沢山あって、例えば「紅」というライトノベル作品は原作イラストを担当している山本ヤマトさんがそのまま漫画を書かれていますし、「SHI-NO -シノ-」という作品は原作イラスト担当の東条さかなさんが書かれています。

気軽にコンテンツを消化できる。

自分の好きな作品を、漫画で読める、という点が嬉しいのです。小説と比べて漫画のほうが(例えば時間的に)気軽に読めるため、楽、なんですね。原作を持っている人にとっても、「小説は小説、漫画は漫画」と分けて考えることができるわけです。
また、小説を読むのは面倒、という層にも需要があるのかなと推測します。漫画であれば小説よりも負担を少なくして、大まかなストーリーを掴むことができるわけですね。

物語をより理解できる。

原作では理解しきれなかったシーンがスッと頭に入ったり、漫画だからこそ描写できるシーンがあったりと、新たな発見があります。

例えばうみねこのなく頃にという作品は推理要素が強いため、「絶対にカットできないシーンがあるはずだ」という仮説のもとコミカライズを読み進めると、様々な発見があります。

女の子を目一杯楽しめる。

女の子を目一杯楽しめること、これはとても大きな利点だなと強く思いました。
小説の挿絵というのは、文字のページと比べると圧倒的に少ないため、想像に頼らざるを得ないシーンがたくさんあります。もちろん想像するのも楽しいんですが、「どうしてこのシーンに挿絵がないんだ!」「これは絵で見たい…」という欲求を止めることは出来ません。そこでコミカライズの登場です。
「ずっと気になっていたあのシーンが描写されてる!」「やっぱり○○ちゃんは可愛いなぁ…」と、ひたすらに女の子を眺めることが出来ます。視覚情報は馬鹿にできません


ちなみに先ほども例に出した「SHI-NO -シノ-」という作品があるんですが、原作を読んでシノちゃんが可愛いと思った方は、絶対にコミカライズを読んだほうがいいです。まさにキャラクターを愛でるために描かれた!と言っても過言ではないくらい素晴らしいですよ。ストーリーを楽しむというよりは、キャラを楽しむために存在している、といっても過言ではありません。
なお、原作のSHI-NO -シノ-もオススメです。幼いヒロインが出る作品として有名ですね。

最後に

ここまで利点を書いておいてなんですが、確かにハズレのコミカライズが存在することも事実です。
アニメにハマり、関連商品はとりあえず片っぱしから買うぞ!という自分の思いに逆らわず、ネットでの評判をチェックすること無く特攻、という経験をされた方も多いのではないでしょうか。


なお、これゾンのコミカライズに関してはハズレどころか大当たりでした。原作も面白いし、アニメも面白いしと、メディアミックスとしては成功だと思います。近々、ドラマCDとラジオCDにも手を出すつもりなので、機会があれば感想を書こうと思います。