刺さった。ぐさりぐさりと。
アニメ『めだかボックス』12話は、西尾維新さん脚本でオリジナルストーリー。雲仙冥利との戦いで傷ついて養生中のめだかちゃん抜きの生徒会に舞い込む目安箱の投書。二人の登場人物、餅原沙小枝と鉈山粍。
12話は、結構いろんな感じ方が出来る。めだかちゃんの意思を受け継いでいる感じの人吉善吉にカタルシスを覚えるのが一番素直な見方だと思う。
タイトルにも引用させてもらったが、このセリフ付近の、人吉善吉と鉈山粍のやり取りは、安い言葉を使わせてもらえば、鳥肌だった。
人によっては「西尾節だな」とからしいけど、知ったこっちゃねぇ。私は人吉善吉の言葉に感動しましたよ。そして何より、お互いの、気持ちのぶつけあい、いやもっと言えば、自分の考え方を他人に押し付けるそのやり取りに感動した。
クライマックス、ピアノから始まる軽快な、しかしちょっと切なくなるBGM、そしてぶつけられるお互いの熱い想い。
パーンと投げられる将棋の駒、落ちてくる将棋の駒、その間で、鉈山粍と人吉善吉がお互いの想いをぶつける。
12話は、気持ちのぶつけあいである。もっと言えば、押し付け合いなのである。鉈山粍にしても人吉善吉にしても、餅原沙小枝にしても。
鉈山粍「ただし、あの子達に嫌がらせをしたい人が居たとしたら、その気持は凄くわかるわね。だって、弱いことは罪じゃないけれど、強くなろうとしないことは罪だもの」
餅原沙小枝「私たちはあなたじゃないんだから。あなたと違って、一生将棋を続けるつもりなんて無いし、私たち楽しく部活をしたいだけなの。あなたには不愉快な環境かもしれないけれど、でも、そういう人間も居るって理解して欲しい。鉈山さんにはできれば将棋の強さじゃなくて、楽しさを教えて欲しい」
「くっはっはっはっっはっはっは、って、ざけんじゃねーよ! 喧嘩と油、同時に売ってんのかよ!」という、CV小林ゆうさんの声が小気味いい。さいっこうに、「何言ってんだ、虫酸が走る、クズすぎる」という思いが伝わってくる。
あぁ、自分の考え方を他人に押し付けるとは、なんと楽しいのか。自分の想いを貫く姿を見るのは、なんと楽しいことか。
鉈山さんとの会話が始まる屋上シーン、Bパートから終わりにかけて私はもうニヤニヤしっぱなしで、何度も何度も繰り返し再生してしまいます。
いやー、多分人によってはこういう会話は受け付けないんだと思うんですよ。確かに中二病っぽいのかもしれない。だっけど、これが大好き、ツボにはまりすぎる。
もしかしたらこれが西尾節なのだろうか(いや多分、将棋関連の言葉遊びのことなんでしょうが)。
終わりに
めだかボックスは番外箱を残してはいるものの、アニメ本編は12話で終了しました。2期は決定しています。
めだかボックス、多分2話か3話くらいだったでしょうか、ひどくつまらんなと思ったんです。もっと言えば、「これって深夜にやる意味有るの?」って。これは今でも思っています。別に朝とか夕方にやってもいいと。
でもまぁ、そう言いつつも、原作も読んでいるから見続けていました。そして、6話、すなわち喜界島会計が生徒会に入ることになる、プールでの対決が終わる回、この回を見て、「あれ、最近めっちゃ面白くなってきていないですか?」って思いました(関連:アニメ『めだかボックス』がとてもとても面白くなってきた)。
月並みだけど、各キャラクターが活き活きとしてきたからだと思っています。そして、めだかちゃんに本気で楯突く奴らが現れたからだと思います。まぁ、バトル展開になり始めるのも6話過ぎたあたりからですから、そういうのも関連しているかもしれない。
まぁ色々言ってますが、見続けてよかったなぁと思いました。いい最終回でした。めだかちゃんが出ないけど、めだかちゃんみたいなことをする人吉善吉くん、こんな終わり方も素敵です。