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隠れてていいよ

主にアニメや漫画の感想を書いています

アニメの円盤の布教をエンドユーザが強いられること、または『けものフレンズ』

wasasula.hatenablog.com


アニメのDVD・BDを買うべきなのかどうか、という議論は私もこれまで大なり小なり通ってきました。
ときにはファン目線、時には制作側の目線、というように見る軸を変えて少なからず考えてきました。

構造的な問題というのはアニメの業界に限らず存在するもので、既存のやり方を変えて変化を求めることの難しさはとても難しいものであるということはよく分かります。
そういった視点で物を考える癖は昔からありましたが、特に社会人になってからはより顕著になりました(保守的になってしまったとも言い換えられるのかもしれません)。

それで、上記記事の中で、よりファン目線に立って書かれている意見、例えば

僕がやるせない気持ちになったのは、「金があるのに、理屈をつけてコンテンツに金を落とさない」連中の存在だ。

金があるのに、理屈をつけてコンテンツに金を落とさない」連中について - うらがみらいぶらり

などは、別に間違っていないし、一ファンとしては理解はできます。

しかし、同時に思うことは、なぜ一ファンである私達が「みなさん、DVD・BDを買って制作側を助けよう!」と意識しなければならないのか、ということです。

私もこれまで沢山布教してきましたし、上記記事を書かれている方よりも良い意味で深刻に「製作者を助けるために買おう!」と言っていた側だと思います。
それは作品が好きだからだし、愛しているからなので、そこに対して全く嘘はありませんし。
しかし、一ファンがなぜ「みなさん、DVD・BDを買って制作側を助けよう!」と意識しなければならないのか、という意見は、これと同時に成立すると思っています。

上記記事の中で、ブログ主が特に憤りを感じていらっしゃるツイートに以下の様なものが挙げられていました。

これに対してブログ主は、以下のように意見を述べています。

そんなことして売上が壊滅したら作品自体が死ぬでしょう。不買はファンじゃなくてアンチの行いでしょう。どれだけ「業界の知識」を知ってるか知らないけど、ヘタなレジスタンスはフレンドリーファイアにしかならない。

金があるのに、理屈をつけてコンテンツに金を落とさない」連中について - うらがみらいぶらり


先程の私の話を持ち出すならば、どちらも正しい意見であって、これは並列して存在していい意見だと思います。


さて、果たしてアニメのパッケージモデルは現在どのような状況に置かれているのでしょうか。
こういうときは統計データなどを見るに限るということで、久々に以下のような資料を流し読みしました。
aja.gr.jp
jva-net.or.jp


無料で読める範囲で、且つ疲れているのでざっと読んだだけではありますが、アニメのパッケージの売上は右肩下がりではあるものの、思ったよりも下がっていないという印象を受けたのと、映像ソフト全体の売上の中で、アニメーションの割合は未だに高い率を誇っているのだなと言うことです。
ref. アニメ産業レポート2016サマリー(日本語版)1.1*1
ref. ビデオソフトの市場別、ジャンル別の売上金額の推移等*2

ただ上記資料からわかるのはあくまでビデオグラムとしての話であったり、アニメ産業の業界全体の話であったりするので、ブログ主が気にされているだろうと思われる、作品を本当に作っているクリエイターに対してどういう形でお金が流れ、それはDVD・BDの売上に依存しているのかどうか、は読み取れないことは注意が必要です。



ざっくり、もう少しアニメ制作会社の情報を探していたら、以下の情報がありました。
アニメ制作企業の経営実態調査 | 株式会社 帝国データバンク[TDB]
上記リンクから、アニメ制作企業の経営実態調査*3 を読むことができますが、その中でアニメ製作会社の状況をサマリーした箇所があるので引用させていただきたい。

アニメ制作企業 153 社のうち、年度別に収入高が判明した企業の 1 社あたり平均を過去 10 年間(2005 年度~2014 年度)で比較すると、2006 年度(14 億 5300 万円)をピークに減少基調で推移し、特に 2008 年度(11 億 8800 万円)は前年度比 14.7%の大幅減少となった。2006 年を境に作品数やアニメソフトの売り上げが大きく減少し、制作アニメのビデオ・DVD 販売に収益が依存する映像ビジネスが行き詰った「アニメバブルの崩壊」が要因の一つに挙げられる。


もう少し詳しく読みたい方は上記資料に目を通していただきたいですが、雑多に読んだ結論としては、アニメ製作会社がアニメソフトの売上に依拠していることは事実であるが、アニメソフトの売上が様々の要因から減少しているのは事実であり、売上が減少することによりコスト削減を強いられ、それがますます製作工程の多重下請構造を加速させ、現場のアニメーターなどの待遇の劣悪につながっている、ということだと思います(正確には、昨今の深夜アニメは殆どが製作委員会方式が取られているのでアニメソフトの売上がそのままアニメ製作会社に行くのではなく、製作委員会を通してアニメ製作会社に分配される、ですが)。

アニメの円盤を買うことがイコールアニメ業界を助けることなのだろうか

今回のように統計・調査情報を読んだり、またネットの業界の中の人の記事を読んだりすることで分かることは、単純に「アニメの円盤を買わないと業界が死ぬ!」と声高に叫んだところで、何かが変わることはないだろうということです。ミクロの視点で言えばアニメのパッケージソフトを購入することは意味がありますが、もう少し大きな視点、アニメ業界が抱える問題という視点から見ると、おそらく直接的な解決策には結びつかないと思います。もちろん、意味がないと言っているわけではありません。


www.janica.jp

例えば、上記リンクから読める『アニメーション制作者実態調査報告書2015』という資料がありますが、この調査では実際にアニメーション制作に関わる現場の方たちに対してかなり詳細な調査を行い、その結果を統計的に分析している他、生々しい声も報告しています。
特に、第7章の「アニメーション制作者の他声性」は、仕事のこと、アニメーション産業のこと、生活のこと等について、自由に回答してもらった内容がそのまま記載されていますが、非常に生々しい内容になっています。
引用をし始めるとキリがないので是非一度目を通していただきたいのですが、現場の人達は本当に疲弊している、というのが言葉からだけでも伝わってきます。


じゃあどうすればいいのかというところで、正直、今現在の私には対案がありません。というか、対案を考えられるほど時間的余裕がありません。
とはいえ、一昔前、私がまだ学生だったころと比較して、ネット上には統計情報から生の声まで多くの情報があり、時間をかければ問題点の整理はできると思います。
今の仕事をやめたらそんなこともやりたいなと思いますが、時間が有り余ってどうしようもなくて、でもアニメの業界構造が何か気に食わん、という人にはまずは今の実際の状況がどうなっているのか、をきちんと調べてみてほしいと思います。


そして誤解を招くと嫌なので伝えておくと、私はとてもアニメが好きで間違っても滅んでしまえとは思っていません。昔から変わらず今もずっとアニメのことを考えています。
ただまぁ、今の仕事をもしやめたら、次はアニメの業界構造をどうにかすることに時間をかけてみたいなと思ったりはします。

疲れたのでけものフレンズ

考えてたら疲れてきたので、ここからは突然けものフレンズの話に。

さて、巷で話題のけものフレンズ。今期。チェインクロニクルしか見ていないぐらいにはアニメから遠ざかってしまっているのですが、「たーのしー、おーいしー」みたいな謎のパワーワードがネット上を席巻しているのを見たら、流石にちょっと気になったので、Amazon プライム・ビデオで第1話「さばんなちほー」が無料で見られたので見てみました。

結果、フラッシュアニメを見ているような感覚に襲われました。また、知っている人は少ないと思いますがショートDEアニメ魂を見ているときのような感覚に襲われました。ちなみに私はショートDEアニメ魂を全話見て全て感想を書いていたりします(熱い宣伝)*4
もう10年ぐらい前の話だとか信じられません。


さて、けものフレンズに話を戻しますと、まだ1話しか見ていないですがめっちゃ面白いですね。一番感銘をうけたのは、サーバルが地図の取り出し方を分からなかったシーンでした。
見た目は擬人化されている(もしくはそういう生き物なのかもしれませんが)のに、中身はサーバルである……というのを、これでもかと刻み込まれてしまったのです。

このシーンを見てしまった人はみんな感じたと思うのですが、少なくともサーバルは、すごく原始的な欲求というのでしょうか、それを行動に映して、そして口に出しているだけな気がするんです。のどが渇いたら水を飲むし、夜になっても寝ないのは夜行性だからだし、体温調節のためにハアハアするし、爪も研ぐ。
きっとこの、原始的な欲求がストレートに表現されているさまに心打たれたのだと思っています。


ちなみに、サーバルはとても肯定的に物事を考えると言われているようですが、もしかばんが人間だったとして、その時でもサーバルが肯定的でいられるかどうかは今から楽しみにしています。
サーバルは、どうやら出会うものに対してフレンズである前提で接しているようですが、フレンズ以外だとわかった瞬間に排他的になるんじゃないかと(あまり褒められたものではありませんが)ワクワクしてしまいます。人間のフレンズ、ってあるんですかね。
後は、明らかに捕食対象となりうるフレンズが出てきたら、その場で食べてしまったりしないかなーとワクワクしています。以下のページによると、ウサギやネズミ、ハイラックス、鳥などを捕食するそうですが、まだそういった小動物が出てきていないと思うので、楽しみです。
www.pz-garden.stardust31.com


終わりに

特にここ数週間忙しすぎてストレスがマッハでしたが、ブログを書いたら大分とスッキリしました。
ブログを書いたらストレスを解消できるフレンズで良かったです。


関連するかもしれない記事(過去記事を検索してたら色々出てきたので):
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