隠れてていいよ

主にアニメや漫画の感想を書いています

「木を見て森を見て、そして地球を見る」アニメの語り方/論じ方

なにかひとつの観点からアニメを語る/論じることにおける注意点アニプレッション!!)


創作物の細かな部分や一部だけしか見ていない狭窄した状態で、我々はそういった一部分を持ち出して全体の評価にしてしまう間違いをたまに起こす。
記事からの引用。非常に的を得た表現で素晴らしい。

ここからは私の意見になります。
昨今、2chのアニメスレやtwitterのつぶやき等をまとめてくださるまとめサイトが多い。アニメを見る時間が殆どないので、雰囲気だけ感じるために記事を見たり、アニメの勢いを共感したい人が「あるあるww」という気持ちになるために見たり。

例えば、まとめられる事が多いアニメスレなんかは、語るというよりも、垂れ流すという意味合いが強い。つまり、思ったことをそのまま書き下す、いわゆる実況的なものである。ちなみに、実況についてあまりピンと来ない方もおられるかと思いますので、少しだけ説明いたします。

実況とは、端的に言うならばアニメ(に限らずですが)を生で見ながら、2chなどの掲示板やtwitterなどに自分の思ったことを書き込み、そして同時に大勢が書き込んだその内容を流し読みし、一体感を得たり得なかったりすることです。目的が一体感を得ることかどうかは異論があるかもしれませんが、どちらにしても、思ったことをリアルタイムで兎に角書きまくるということです。

当然、議論とかそういう考え方からは程遠いものとなります。実況って、そういうもんです。

自分の気に入った部分だけが強調される

「かわえええええ」や「今のシーンはないだろww」などは典型的な実況言葉かと思いますが、まとめサイトの多くは、こういった脊髄反射的なレスをまとめたものが多い。つまり、作品について深く議論されていない状態で、その作品の方向性が無理矢理に定められてしまっている状態。

これもリテラシーだと言ってしまえば簡単。つまり、情報を受け取る側でちゃんと取捨選択し、理解を深めてくださいねということです。ですが、なぜか世論のような、逆らえないような流れができてしまっているのも、また事実なわけなんですね。

オタクではない人から、ライトオタクまでの間の人がよく口にする「今期の○○はメッチャ面白いらしいで」というのは、その典型だと思われます。日常でそういった振りに対して「でもそのアニメはね、□□で、こういった見方もできるんだよ」と返す人はある程度はディープなオタクであるし、またオタク同士の会話のことが多い、と思う。

記事の言葉をかりるなら、一部分を持ち出して全体の評価にしてしまう間違いをたまに起こすということに他ならない。

分かりにくいので具体例を出す

イカ娘さんに登場してもらいましょう。何となく画像にしてみました。

「イカ娘ww」→「ネタバレ:イカ娘が可愛い」「オチがないのがオチ」→「癒し系アニメ」「水島努監督に期待」→「多分、4コマで言うと全コマオチみたいな感じなのかもしれない」→???

イカ娘における感想の変遷(上パラグラフを画像化したもの)

木を見て森を見て、さらに地球まで見る

作品を見て心に残ったり、印象に残ったシーンを挙げる。それらは、その作品の中でどういった役割を果たしているのかを考える。そして作品全体の評価を決める。

木を見るだけでは、その言葉通り、一部分になる。森まで見ることが出来れば、見渡せるぐらいにはなる。もし、地球まで見ることができれば「地球は青かった」と、語れる/論じれるかもしれない。