隠れてていいよ

主にアニメや漫画の感想を書いています

『私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!』は橘田いずみさんの演技が素晴らしくて面白いけれど同時に辛くもある

オタク度合いはらき☆すたこなたよりもちょっと低めな感じ。友達居ない具合は……女オタクという部類で言えば結構きつい描写されていると思います。個人的には、男オタクのテンプレ(ただしきつい版)を女オタクにそのままスライドさせた感じがある。

このアニメ、2話まで見たときは「これはいい」と完璧にハマっちゃいたのですが、3話を見たら胸が苦しくなって「おもしろ苦しい」って感じました。







本作のヒロインである黒木智子を演じられている橘田いずみさんの演技が本当に素晴らしくて、余計に辛い。2話のゲロ吐くシーンとか神すぎて何回もリピートしてしまったくらい。あのゲロを吐くシーンは屈指のリアルで可愛くて素晴らしいゲロ吐きシーンだと思う。

そして3話の、教科書を忘れて先生に怒られて泣くシーンがあるのですが、そのシーンを見て私は「うわあああ」というありがちな反応ではなくて「辛い」と思ってしまった。

「女の子が泣くシーン」というのはもちろん今までもたくさん見てきたはずだし、今更何をという感じなのかもしれないけれど、「マジに心が辛くて泣いている」というシーンはやはり辛い。「誰か、何かを悼んで」というのならば「それがあるから泣いているんだな」と分かるのだけれど、今回泣いた理由は「辛くて」泣いたからに他ならない。責任は確かに自分にあることとはいえ、しかしそういう言い方をしなくてもいいじゃないというやりきれなさと、何でこんなことになっているんだろうという自分へのやりきれなさと、いろんなものが混じって涙にあらわれる、そして涙だけではなく声にあらわれる。

また同じく3話で、体調を崩している弟にはお見舞いが来て自分には来ないことに対して泣くシーンがある(インターホンがなる前の方)。嗚咽。BGMも相まってマジで辛い。弟の「うぜぇ」というのが何とか「本当の辛さ」を私達視聴者から守るオブラートの役割になっているが、そうは言っても包みきれないくらいには辛い嗚咽だった。また家のインターホンが鳴って「私にもきたああああ」って行ったらAmazonさんからの荷物の配達だったことを気づいてからの泣く声。全体を通して「そういうネタだ」と感じることができる一方で、「あぁ、これはほんとうに辛い」とも私は感じてしまった。



おかしいなぁ。本当に楽しくて楽しくて笑わせてもらえる作品なのに、同時に辛いと感じる自分がいる。こんなオタクネタ、独りネタ、自虐ネタ、今まで腐るほど見てきたはずなのに、もこっちが泣くシーンは本当に辛い。厳密には繰り返しになるけれども自分にある程度責任があることとはいえ、それが半ば不条理にやってくる現実に対して涙が出てきてしまう、という流れが辛い。そして再び繰り返しになるけれど、橘田いずみさんの泣く演技が素晴らしくてもう辛い。本当素晴らしいわぁ。素晴らしいけれど辛いわぁ。


終わりに

本作品は本当に面白くてですね。もう3話まで繰り返し見ています。特に3話は、辛いけれど見てしまう。それだけ面白い。なんというか、単なる自虐ネタに留まらない全体のストーリー作りというか、リアルさ作りみたいなところがすごく魅力があって私はハマってしまっている。しかし3話は辛かった……。あんな泣く演技、卑怯ですわ。


最後に、紹介したいものが。ガンガンオンラインの方の公式サイトTVアニメ「私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!」 - ガンガンONLINE -SQUARE ENIX-には、「SPECIAL」コンテンツ内で、アニメ化に際しての関係者等々からのコメントが掲載されています。キャストを始めとして、漫画家さんからの応援コメントも多数あるのですが、漫画家さんの場合はイラスト付きです。
その中で、『男子高校生の日常』の作者である山内泰延さんからのメッセージとイラストがあるのですが、そのイラストが本当に素晴らしかったので引用させていただきたい。

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オリジナルサイズは是非公式サイトからコメントも含めて見ていただきたいと思いますが、私はこのもこっちの画像を見た瞬間いろいろと忘れることができました。山内泰延さんありがとうございます。
本作品の二次創作が現在どのくらい盛り上がっているのか分かりませんが、アニメ化を機に爆発的にジャンルが盛り上がるかといえばそうでもない気もするのですが、それでも、いろんなもこっちを見てみたいなぁと今は強く思っていますので、冬はお願い致しますお願い致します。