月刊コミックZERO-SUMで、乃原美隆さんにより連載中の漫画『祝福のチェスカ』の感想を書きます。
現在発売中の2巻までを一気読みした感想は一言「おもしろい」。
まずですね、何よりも絵が好みです。表紙買いしました。
漫画に何を求めるかは色々ありますが、絵は重要な位置を占めています、私の中では。
極論、絵が可愛くてストーリーが肌に合えば無限に読めませんか、私は読めます。
本作品は、まず表紙に惹かれました。
なんとなくKindleストアで眺めていたら見つけたのですが、気づいたら購入していました。
この表紙の女の子が、主人公であり、言語学の天才である少女・チェスカです。
もうこれだけで満足しちゃいます。
ただ、漫画としての設定は結構重厚で、正直適当に読み飛ばすと何も理解できないくらいには深い。
公式のお力をお借りするとすると、以下のようなあらすじです。
神より与えられた超能力(ルア)を使役する人々に支配されている世界で、その力を持たない人々は『ヤグー』と呼ばれ過酷な差別に晒されていた。
祝福のチェスカ|ゼロサムオンライン
ある日、世界中の王族・為政者の子供たちが通うナンカン共和国のマカリ学園に、ヤグーの王子が入園することになる。
それをきっかけに、世界は一変し――…!?
とにかくチェスカというキャラが魅力的なんですね。
神秘的です。普段は抜けているかのような性格なんですが、実態はそうではなく、その心の芯は強い意思によって動かされていることが感じられます。
世界の真理を理解しようとしていう感じで、すべての物事は理性的に判断されるべきというか、もっというとバランサー的な感じで、世界の帳尻を合わせようとしているキャラにも見えます。
ひょんなことからとある人物から求婚され続けるのですが、一切顔を赤らめたりしない。彼女は知的好奇心で興奮するのです。そして、バランサーになるときは目の色が消えます。
交渉事では、俯瞰して全員を操ります。たまりませんね。
さて、現在1巻はPrime会員ならば無料で読めると思いますのでぜひ読んでほしいです。
以降本ブログではネタバレをもう少し増やした感想を書くので、お気をつけてください。
チェスカという人間性
先程チェスカはバランサーのような役割を持っているのではと書きましたが、これは間違っていないようです。
同じようなバランサー役である、カナメに似ているとシキから評されるように、実に冷徹に冷酷なんですよ本当は。
スイが後継者になったのは、チェスカにだけは任せられないからだと明言していますが、これはそのまま受け取るのであれば信用ができないからということになります。
何が信用できないかは、なんとなく想像できる感じで描かれています。
私個人の言葉で言うなら、チェスカは全体最適を重んじると思います。極端な例ですが、100万人の死者が出てもその後の数百年の平和が保たれるなら一時の死者は犠牲にするべきと真顔で答えるタイプだと思います。
もちろん、そういった理性的な判断が求められることは多いと思う一方で、一番人間的ではないのがチェスカだと思っていて、そんな「危ない」人間に国は任せられないという判断なのかなと思っています。

頬を赤くさせることもなく、辛い顔を見せることもなく、ただ当たり前の事実を淡々と告げて追い込んでいき、更に逃げ道も用意してあげるということを息をするかのようにやるんです。
たまりませんね。こういうシーンが好きなんです。
知的好奇心を全面に出しているチェスカ、ただただ冷淡に振る舞っているチェスカ、何もわかっていないお子様たちに当たり前のことを教えてあげているチェスカ……とにかく描かれるチェスカが可愛すぎてたまりません。
個人的に2巻までで一番好きなチェスカのページを引用させてください。

漫画『祝福のチェスカ』2巻 pp75より引用
ユンベルというキャラは一連のチェスカの知的らしさ(+スキンシップ)に可愛さを覚えているわけなんですが、チェスカからすると子供をあやしている感じなんですよね。
そして、漫画のストーリー内ではその姿を他のキャラクターは見抜けていないような描写が多いのですが、我々神視点の読者には、そのチェスカの表情から色々と読み取れてしまうのでたまりません。
特に上述したこのコマのチェスカは、まじでやばいです。なかなか言葉では説明しきれないのですが、見ているだけで興奮してくる感じです。
昔ながらの表現で言うならば、淡々とチェスカたんに言葉で説明してもらいたい、みたいな感じでしょうか。
なお、唯一ラトセというキャラは、チェスカのことを油断ならないと関心を持っており、今後はこの二人を軸にストーリーは進んでいくのだと推測できます。

漫画『祝福のチェスカ』1巻 pp98より引用
好きなシーン
以下いくつか気に入ったセリフやシーンを紹介します。
相互理解
漫画『祝福のチェスカ』2巻pp25-26より引用
私は 違う文化と価値観の中で育った異国の人と話す時
言語を理解していても
相手を知ろうとする気持ちがないと わかりあうのは難しいっていつも思うよシキにとってのニムロー族みたいに
みんな独自の世界観で譲れない軸を持っているから
その軸からずれた相手の行動を受け入れるのは 何より難しい事なのに――
最初からそれができるシキなら 元に戻っても大丈夫だよ
異文化コミュニケーションにおいて、シキに考えを説明するときのチェスカのセリフ。
チェスカは多言語を操るキャラクターなわけですけれども、そのバックグラウンドをうまく言葉に乗せながら説得しているのが言葉の節々から分かり、とても好きなセリフです。
ただ、このセリフを言うときのチェスカも、よしよしモードなんですけどね。でもそれがいい。
終わりに
ほんと、なんで漫画ってこんなに面白いんでしょうか。もっとこの面白さを伝えたいです。
あとがきで作者の方がおっしゃっていました。この作品は長編構想だけど新人作家の初連載のため打ち切りの可能性があり、短く構成したのが七話までだったと。
三巻までは出せるとなった時点で長編構想の展開にシフトしていくとのことなので、なんとか、なんとか応援いたしますので、続くことを祈っております。
我々読者からするとできることは限られるのですが、こうやってブログで感想を書くこともその一助になっていると嬉しいです。
公式サイトからファンレター(というなのフォームからの感想)も送れるようなので、送ってみようかなと思います。
果たしてこれはファンレターという形式なのかと思わなくもないのですが、それも良いでしょう。
そして、新人作家の初連載がこの漫画って凄すぎませんか。信じられん(何様)。


