「お悩み聞かせて! わくわくピクニック」に続きまして、ニーゴのキーストーリー「カーネーション・リコレクション」を読了しましたので、感想を書き残します。
主題はまふゆに戻りまして、奏の曲作りに焦点が当たりました。
ここ最近のキーストーリーはニーゴの曲作り以外が多かったので、活動風景が新鮮に感じました。
さて、本キーストーリーで私が感じたことのひとつは、奏の作る曲は、辛さに寄り添い過ぎる曲が多かったのではないかというものです。
ニーゴのメンバーは奏の曲を聞いて救われた過去を持ちますが、みんな人生のどん底ともいえる状況で奏の曲を聞いて踏みとどまったといいます。
今回瑞希から語られた話でいうと「この曲作ってる人も、ボクとおんなじなんだなあって」と感じたとおり、苦しんでいるのは自分だけじゃないという共感があったように思います。
推察するに、そのときに聞いた曲は、奏の必死さのようなものが込められた曲だったのだと思ったのです。
幸せにする曲というよりは、大事なもののために生み出さねばならぬという、狂気を内側から感じられるようなそういう曲だったのではないかと思うのです。
なぜそういうふうに思ったかというと、自分も過去精神的に辛かったとき、明るい曲・前向きな曲を聞こうとは思えなかったからです。
瑞希の過去と私自身の過去を単純に比較できるものではないと思いますが、私も社会人人生で心を病んだ時期がありまして休職直前の精神状態は本当にひどいものでした。
今でこそ思い出話のように語れますが、当時は死んだほうがマシなのではと感じながら毎日胃痛・頭痛と闘いながら会社に這いずり行っていました。
そんな状態のとき、明るいアニメとか漫画を見たり読んだりする気にはとてもなれませんでした。正確にいえば、何も頭に入ってこないというか。
それで、たとえば体を動かして健康的になろうとか、明るいもので気分転換しようとかそういうことはお医者さん含めて周りからいわれるわけですけど、どん底メンタルの状態で新しいことがうまく続けられるはずがないわけで。
話を戻しますと、そういったことから推察するに、奏は魂を削りながら寿命を縮めながら1分1秒を無駄にしてはいけないと曲作りを行っているように見えます。
そんな奏の魂を削った曲は、まふゆのどん底のどん底のどん底からは救うことができたかもしれないけれど、今のまふゆに対してはその曲の方向性だけではきっと駄目なのだろうと。
マリオネットの曲は、まふゆの言語化をテーマとして作られていたと思いますが、未来に対するアプローチではなかったと思います。
ルカ姉さんの「この曲は、聴いた人をどこに辿り着かせてくれるの?」という問いがすべてだったのだと、全体を読み終えてあらためて感じるところでした。
描き下ろし楽曲「カナデトモスソラ」
描き下ろし楽曲の、曲調や歌詞が本当に感動しました。
ものすごくストレートな感想をいうと、この曲、寄り添ってくれる優しい曲でありつつも前も向いて歩いていこうとも思える、そんな明るい曲だと思うんです。
このキーストーリーを読んで、メッセージ性を自分なりに解釈して、きっとそういう曲が出てくるんだろうと期待していたらまさにそんな曲が出てきてマジで驚きました。
ただ明るい曲じゃない、ただただ暗い曲でもない。その中間のような、寄り添ってくれる本当に優しい曲というか。
辛いときに聴いてもいいし、前を向きたいときに聴いてもいいし、本当にすごい曲だなと。
全体振り返り
ここからは、スクショとともにストーリーを振り返ります。いつもどおりですね。
さす絵名
ここ最近、絵名の優しさに包まれまくっていたのですが、相変わらず優しい。実は絵名が慈愛の天使だったのでは?
瑞希の遊び心
ジャジャーン!
ニーゴ戦隊ニゴレンジャー、ここに参上~!
うーん、ホントこういう瑞希の会話、大好きなんですよねー。
ムードメーカーという言葉が本当に合うと思います。ニーゴには絶対に必要な存在。
ミクのツッコミと合わせて美味しい。
するどい
もしかしたら、まふゆもちょっとは
変わってきてるのかなーって思ってね
絵名の指摘は鋭いと思います。セカイがまふゆから作られたものなので、まふゆの精神状態がセカイに反映されているという発想はとても自然だと思いますし、多分あっているんだと思います。
セカイの世界観、好きですね。
辛すぎ
奏が背負いすぎて、辛いです。
自分のせいで父親をあんな状態にしてしまったという負い目は、過去に起きたことだからどうしようもないことで、かつ父親が快方に向かわないと前進しようがない問題であり。
自分は幸せになってはいけないんだ、という方向性の奏を見ていると、本当に辛い。
我々ゲームプレイヤーがストーリーに干渉できない以上はニーゴのメンバーに任せるしかないわけで、瑞希のパワーには本当に助けられました。
とはいえ、瑞希も背負っているので、みんなで幸せになれる未来に向かって進んでいってほしいと心から望んでいます。
勇気
ごめん、なんか……ちょっと嬉しいんだ。
奏っていつも、どこか自分を
押し殺してる感じがしてたから
この言葉を伝えられる瑞希は、本当に勇気があると思う。
奏が自分から話してくれたこととはいえ、相手の過去に踏み込んでいる状況できちんと感じたことを素直に伝えられること、これがどんなにすごいことか。
「シークレット・ディスタンス」でも書きましたが、瑞希は自分の周りに壁を作って、相手に立ち入らせないように振る舞っているように思います。
しかし今回の一連の流れは、自分をかなりさらけ出して伝えているんですよね。
瑞希は直接的には過去を伝えていないようですが、具体的なところは伏せたものの相当に踏み込んだ内容を奏に伝えていたと思います。
相手に寄り添ってあげたいという本気の気持ちなんだろうなと熱くなりました。
だからこそ、奏にも伝わったのだと。
笑ってほしい
(そうじゃなくて、
まふゆに ”どうなってほしい” のか、もっと考えなくちゃ)
この年齢にして、背負いすぎているなとは思う。
ただ、瑞希の言葉も受けつつ過去を思い出してみて、自分なりに結論に達したことが本当に良かった。
笑ってほしい、という答えだけ聞くとシンプルなのだけれども、ここまでたどり着く道筋・思考にこそ価値があります。
だからこそ、血となり肉となり、そして曲へと反映されていく。
聴いたよ
いやー、聴いたよっていうまふゆの第一声って、国宝レベルじゃないですかね。
絵名のツッコミが心地よすぎてやばいです、マジで。
感じたことをそのまま伝えるまふゆの姿勢は前からめっちゃ好きなんですけど、ここに極まれりといった感じでシリアスな笑いとして最上級だろうと。
そして、その後の、笑顔につながるんだからいうことありません。
奏の「笑ってほしい」の結論と同じくまふゆの笑顔だけ切り取ればシンプルなのかもしれませんが、奏がようやくたどり着いた答えから最初に作られた曲がまふゆの笑顔につながったという点が最高にエモいわけで。
よくできたストーリーですこと。
終わりに
というわけで、ニーゴのストーリーをまた読んでしまいました。
この感じ、まずニーゴを全部読み切ることになるかもしれません。まふゆのことが気になりすぎております。
初見感想記事は意地でも書き残していおきたいので読み進めるペースはこれ以上は早められないかもしれませんが、頑張ります。