隠れてていいよ

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キュゥべえに学ぶ、他人へのアニメの勧め方

  • 「今やってるアニメでまどか☆マギカってのがあるんだけど、見てますか? え? 見てない? じゃあ絶対見るべきですよ! メッチャ面白いんですから!」

今クールのアニメ作品としては圧倒的な話題性を持つ、それが魔法少女まどか☆マギカ。確かに面白い。そして、面白い作品は人に勧めたくなりますよね。これは、オタクでなくともそうだと思います。
でも、少し振り返ってみてもらいたい。押し付けていませんか?
自分が面白いと思っている作品は、皆が面白いと思うだろう、そんな思い込みはありませんか? そして、ひたすら感情論で、つまり説明なしにとりあえず「見てください!見てください!」って言っていませんか?



なんで今さらこんなことを記事にしているの?と思われた方もいると思うので、簡単に説明を。
twitterでタイムラインを眺めていましたら、フォロワーの @inoue_312 さんが、こんなことを呟かれていました。



このつぶやきを見て、「あぁ、多分勧めている人は、かなり強引で、半ば押し付けるような感じだったんだろうな」と推測しました。そこで、こんな返信をしました。



すると @inoue_312 さんから、ぜひ論理的にご説明下さい!とご用命を頂いたので、短時間ですが考えてみました(後述)。


まどか☆マギカについて考えると同時に、人にアニメを勧める難しさや、押し付け等についても考えていました。そもそも、アニメを論理的に説明するなんてことは難しいですよね、とか、無理やり勧めてくる輩には「論理的に説明して」という返しは有効かもしれない、とか。
考えている最中も、他の方とのやり取りや意見がどんどん流れてきました。そこで自分の考えをまとめたくなったので、本記事を書こうと思いました。


本記事の構成は、以下のようになっています。

  • まどか☆マギカを分解してみた!(画像付き!)
  • 人にアニメを勧める方法―QBに学ぶ
  • 勧めること自体に反対しているわけではない
  • 最後に

まどか☆マギカが面白い理由を論理的に説明してください。

考えを整理するときに画像にしたものと、それを簡易文字化したものを以下に。なお、この画像の作成にはXmindというフリーソフトを使用しています。

  • 作品の面白さ
    • キャラ
    • ストーリー
    • オープニング・エンディング
  • 話題性
    • ネットでの盛り上がり
    • ハードル上げ
    • 制作


10分程度で考えました。まだまだ要素は沢山あると思いますが、ある程度の整理はできたかなと思います。

まどか☆マギカを人に勧める方法

さて、簡単にまどか☆マギカを分解してみました。これを見て「よし、順番にこれらを説明していけば納得してもらえるな!」と思った方、危ないですよ。それで納得してもらえるなら、世の中アニメ好きな人がもっと増えているはずです


というわけで、簡単な例を幾つか考えてみました。説明のため、とにかくアニメを勧めたいAさんそんなにアニメは見ないよBさん、そしてベテランアニメ勧め師、キュゥべえ(QB)に登場してもらいましょう。

相手を無視して一方的に…Aさんの場合

Aさん「まどか☆マギカってアニメ知ってます?」
Bさん「名前は聞いたことあるけど」
Aさん「メッチャ面白いんですよ。まず制作は新房+シャフトのタッグで、これだけで見る気になるんですよ。そして脚本は虚淵玄さん、さらにキャラデザはうめ先生!あり得ない組み合わせなわけですよ。そしてですね、」
ちょっと待った。


分かりますよね。Bさんは、別にまどか☆マギカについて教えて欲しいとは言っていません。なのにAさんは、水を得た魚のように、マシンガントークを始めようとしています。
もしかしたらBさんは「まどか☆マギカについて詳細まで教えて欲しい!」と思っているかもしれませんが、その可能性は限りなく低いでしょう。そんなBさんに、一方的に情報を与え、いや、突きつけ、納得させようとする姿勢をとれば、どういう事になると思いますか。
当然、気分は良くないでしょう。さらに怖いのは、まどか☆マギカという作品を二度と見なくなっちゃうかもしれないことです。見てもいないのに見たくなくなるという状況が発生する恐れがあるんです。

ここで、@inoue_312さんのツイートの内容をもう一度引用しておきます。


ベテランアニメ勧め師、QBの場合

QB「ねえ、Bさんはまどか☆マギカってアニメ知ってる?」
Bさん「名前は聞いたことあるけど」
Aさん「今ネットでかなり盛り上がっていて、僕も見てるんだ。ところでBさんはアニメを見るって聞いたけど、どんな作品を見るの?」
Bさん「そうだねぇ、いわゆる萌えアニメよりは、ストーリー重視のアニメを見るかな。」
QB「なるほどねぇ。じゃあ、まどか☆マギカは萌え絵柄だから受け付けないかもしれないね。ストーリーはBさんが好みそうな、とても濃いものなんだけどね。」
Bさん「へぇ、ちょっと興味あるな。どんな話か聞かせてよ」
QB「まず制作は、」


どうでしょうか。コミュニケーションが取れていると思いませんか? QBの凄いところは、ちゃんと相手を尊重しているところです。もしBさんが「精神的に不安定になるようなアニメは嫌いだなぁ」って言っていたら、QBはまどか☆マギカをプッシュしなかったでしょう。


この2つのケースから何が言いたかったか。直ぐ上にも書いちゃいましたが、ちゃんと相手を尊重しているかどうか、これが重要です。これができれば、嫌な思いをさせる確率はぐっと下がるでしょう。

当たり前のことですよね、こんなこと。だけど、一方的に押し付けて「見ろ!見ろ!」と言ってくる人が多いのも事実なようです。
みなさんはAさんですか、それともQBですか?

勧めること自体に反対しているわけではない

間違えないで欲しいですが、アニメを勧めること自体を否定していない、ということです。どんどん勧めたって良いと思います。
ですが、押し付けるのはやめろと声を大にして言いたい。そりゃ、自分が楽しいことを人に勧めたいのは分かります。私だってそうです。でも、相手のことを本当に考えていますか? 相手を不快にさせていませんか? 今一度、考えてもらいたいと思います。

最後に

まどか☆マギカは面白い、なので私もどんどん人に勧めたいという気持ちは強いです。でも、この記事で書いたように、相手を慮ることを忘れないで欲しいと思います。


なお本記事では、意図的に、QBを善人ポジションにしました。しかし、別にQB善人説とかそういうことを言いたいのではない、ということは付け加えておきます。