「C」第4話より、三國壮一郎の言葉
「C」4話を視聴しました。関東圏では既に昨日、5話が放送されています。「C」については以前「ノイタミナ枠アニメ「C」は、もっと評価されるべき」という導入記事を書きましたので、よろしければどうぞ。
4話で明らかになったことが幾つかありました。本記事で特に取り上げるのは、三國壮一郎が戦う理由と公磨の思いです。
詳しくは後述しますが、「倒しても駄目、負けても駄目」という非常に難しい問題に主人公は向き合っていかなければならないでしょう。
倒さなくても、現実世界に影響が出る。
4話で明らかになったこと、それは「破産」しなくても現実世界に影響が出るということでした。つまり「ディールに負けた」だけで少なからず現実世界に影響が出るということです。この影響は多くの資産を持っているアントレプレナーであるほど顕著だそうです。
現実世界へ影響が出てしまうこと、これは決して変えることができない金融街のシステムです。これに立ち向かおうとしているのが、三國壮一郎率いる「椋鳥ギルド」なのです。
三國壮一郎の本心であるかはまだ分かりませんが、椋鳥ギルドは幾つかの明確な目的のために作られたことが4話で分かります。
それは「現実世界に対する影響の抑制」及び「金融街を統制すること」です。「C」公式ウェブサイト内のスペシャルコンテンツで見ることができる、「椋鳥ギルド会員規約」から総則を一部引用してみましょう。
4話から分かることが、総則としてまさに記されています。強引に纏めるとするならば、金融街システムをぶっ壊す! でしょうか。
ここで、昨日の深夜にTwitterで公式リツイートされたつぶやきを引用します。
Cもあれかなあ。まどマギのように、まず動かしがたいシステムが既にあって、そのシステムによって不幸が生み出されてる。だったら、物語の結末はそのシステムへの介入、排除はできないと名言されてるから、まだマシなように介入するという結末しかない。10年代のテーマとなるか。 #C_anime
2011-05-13 01:11:57 via web
ゼロ年代、10年代という言葉に殆ど興味がない私ですが、まどか☆マギカに見られるように、絶対に覆せないシステムに対して立ち向かっていくストーリー展開は、確かにどこか燃えるものがあります。
ただ、金融街システムは本当に不幸しか生み出さないのか、それは何ともいえないところ。4話では公磨が通っている大学の講師が破産し、自分に近しい命が無かったことなりましたが、もし勝ち続けていたのなら安定的な資産をもたらし続けていたわけで、現実世界に幸せを生み出していたとも言えます。
金融街というのは資産と負債の貸借のように、幸と不幸のバランスで保たれているのだと思います。そして、この一見秩序立っているシステムに一石を投じたのが三國壮一郎だったのかもしれません。
公磨の思い
「勝ち負けをコントロールする力を身につける」
誰も不幸にしたくない、だけど自分も負けたくない。これを達成するためには、一体どれほどの力が必要なのか。
このセリフを聞いて思い出したのが、現在サンデーで連載中の「史上最強の弟子ケンイチ」という漫画です。
主人公の白浜兼一は、ある人物に「史上最強になってみたくないかね?」と聞かれたとき、こう答えます。
史上最強の弟子ケンイチ 22 より引用
「実はボク、そういうのあんまり興味ないんです!」
「大切な人を守れるだけの力があれば…それで十分です。」
この答えに対して、質問した人物はこう言うのです。
史上最強の弟子ケンイチ 22 より引用
「兼ちゃんはこの間、『大切な者を守るだけの力でいい』と言っとったが、ありゃ逆じゃよ。」
「ただ『敵を叩き殺すだけの力』は容易く…」
「『敵を必要以上に傷つけずに大切な者を必ず守り抜く力』っつーたら、こりゃもう…史上最強レベルなんじゃよ!!」
「C」で考えるならば、「ディールにおいて相手をただ破産させるだけならば容易い」ということです。しかし、公磨はその道を選びませんでした。彼が選んだのは、ケンイチと同じ道、つまり「大切な人を守れるだけの力」です。
これから公磨は、とても難しくそして厳しい道を歩み始めるでしょう。ずっとずっと悩みながら。
頑張れ公磨!
最後に
本記事では、ちょっと小難しそうな印象を与えたかもしれませんが、深く考えこまなくても楽しめる作品ですので、是非ご覧になってみては如何でしょうか。ハマれば、自然と考えを深めたくなる、そんなアニメです。
ノイタミナ枠アニメ「C」は、もっと評価されるべき!