隠れてていいよ

主にアニメや漫画の感想を書いています

ライトノベル『りゅうおうのおしごと!』 クズ竜王、ここに極まれり

いつもこのブログを読んでいただいている皆様にはなぜ突然こんな記事が上がったのか不思議に思われるかもしれませんが、なんのことはないです、最近趣味で将棋を始めまして、その中でりゅうおうのおしごとを読み始めたということなのです。

そして、昨晩ようやく最新11巻まで読み終わりまして、ひどい感情がぶわっと押し寄せてきましたので、それを文章に残しておかなければと思いましたので筆を執りました。

本記事は、ライトノベルりゅうおうのおしごと!』11巻までのネタバレを大いに含む記事ですので、新鮮な気持ちで居たい方は読まないようによろしくお願いいたします。



将棋星人? いいえ、クズです

さて、早速なのですが11巻を読み終わって、というか読んでいる最中でもいいのですが、皆様どう思いましたか。
私はですね、とても感動したと同時に、八一ちょっとやべーんじゃねーのかと思ってしまいました。

端的に申しますと、姉弟子こと銀子ルート一直線に入ったわけなのですが、あいや天衣って一体どうしたらいいんだろうということなのです。
ブコメってまぁ、引き伸ばしが命というか華じゃないですか。一体誰と結ばれるんだろうという気持ちがワクワク感を呼び、そのワクワク感が読み続ける高いモチベーションに繋がるわけじゃないですか。

そういう意味で、9巻は震えましたよね。久々にちゃんとツンデレを見れたというか、天衣が八一の将棋によって解きほぐされていって、身も心も捧げます状態な感じ。10巻のデレパートはご褒美もご褒美。あぁ、これでようやく天衣も参戦して、八一争奪戦がますます盛り上がっていくなと。

そうやって、9巻を読んでから11巻を読み終えるまで私はあまり時間を開けなかたのですが、それがまずかったのかもしれません。
ちょっと残酷じゃないですかね。いくら封じ手という形で明言をしなかったとはいえ、今後、あいや天衣と八一のイチャラブパートはいったいどういう目で見ればいいんだろうって。
なんだろう、ある意味でタブーを破った巻はある。鈍感男のそれではなく、ロリもの好きのタブーというか。ロリものは、小さい女の子が正義であるべき、というタブーを。


封じ手の後、二人の関係は公に知られないようにしたいという話をする中で、八一はとんでもないことを言ってしまう。

りゅうおうのおしごと! 11巻, pp284

「……あいはまだ子供で、恋愛と憧れの違いもわかってないんです。でも賢くて繊細で、いろいろ気付いてしまって。だから傷つけたくなくて…………お願いします」

「天衣ですか? あれは俺のことなんか将棋を指す虫ケラくらいにしか思ってませんし。師匠のプライベートがどうなろうと気にしませんよ」

正直、私はこの、弟子2人に対する評価を読んでしまったとき、これはきっついなと思ってしまった。
この小説の面白さの一つって天丼、つまりあいを含む小さな女の子に対する八一のロリコン反応だと思っています。思っていますし、嘘かもしれないけど私達読者は騙されてでもそういうもんだと楽しんでいるわけじゃないですか。

みんな心の奥底では、銀子ルートかもしれないって思っていたと思うんですよ。最終的に現実的にはそうなるのかもしれないなって思ってたじゃないですか。だって、11巻が発売されなくても、これまで八一と姉弟子の関係って、違ったじゃないですか根本的に。だから、最終的にはそうなるって思ってたじゃないですか。幼馴染ルートとは違うというか、強固な絆ルートといいますか。その人の人間性を形作ったレベルの関係性は、幼馴染ルートとは比べ物にならないくらい固いじゃないですか。

なんですけど、11巻で描いちゃったじゃないですか、全部。八一の気持ち、銀子の気持ち、2人のわだかまりそしてその解決、全部描いちゃったじゃないですか。
そしたら一体、今後、八一とあいや天衣の絡みを一体どんな顔して見ればいいのっていう。

かわいいよりも、悲しいという気持ちが出てきそうで嫌なんです。あいや天衣は、多分今後もとても好意を持って接してきてくれると思うんですが。いえ、好意という言葉では足りないのかもしれません。そんな絡みを今後も書くつもりなんですよね……? 無理、無理、それは無理でしょ。

エロゲなら、ルート決まった後に「私達付き合うことになりました」って報告した後の、負けヒロインの描写ルートじゃん。「え、そうなんだ」って報告してそのまま登場回数が減っていってフェードアウトするやつ。選択肢が消えて、ひたすらその子の話しか出てこないやつ。

ラノベだからそうはしないと思うけど、でも、この11巻の内容は投了級だと思いますよ本当に。

いつまで続ける予定なのだろうか

この作品、もう少し続けるんだろうなと思ってます。どんなに短くても、姉弟子がプロになるまではやるだろうし。
八一が三段リーグ1期抜けをできなかったという描写をした以上は、姉弟子の三段リーグ1期抜けは流石にやらないのではと睨んでいます。
ただ覚醒しちゃったわけですから、2期抜けにはする気はするんですよね。すると1年どころか半年ちょっとの猶予しかないわけで。

そうなってくると、12巻で姉弟子メインの話にならなかったとしても、流石に13巻くらいでは姉弟子プロ入りが描かれるんじゃないかと思うんです。
で、プロ入りするということは、封じ手開封されることになるわけです。そう、封じ手が。

2日制のタイトル戦の封じ手の場合、封じ手開封する際には1日目の指し手を再現してから封じ手開封するという順序になります。
この作品がそういう流儀的なところに則る作品であることを考えると、姉弟子プロ入り後に、1巻丸々使って2人の馴れ初めを描くっていうことはあり得る。
そして、文字としてそれが描かれてしまう。この作品の終わりが。


この作品のゴールは、あいの成長しきったところだと思っていました。小学生の女の子の弟子を取る、というところから始まった作品なのですから、どういう形であれ、あいの進退に一定の目処がつくところがゴールだと思っていました。私は、この作品の主人公はあいだと思っていました。

なのですが、この作品のタイトルが「りゅうおうの」お仕事でである以上、主人公はやっぱり八一なのではと改めて最近思い直しています。そういうふうに理解すると、11巻のようなシビアな描かれ方がするのもある意味では正しいのかもしれないと思ってしまったわけです。となると、あいがタイトルを取るところまでを描くかどうかもちょっと怪しくなってきたなと最近思うのです。あいが、優先順位一番に考えて描かれないかもしれないなと。

だって、八一が投了級の一手を指してしまったのですもの。銀子ルートに入ってなお、はたしてあい・天衣ルートを描く度量があるのかどうか。

終わりに

オチはなく、ただひたすらに感情的に書きなぐった感じになってしまいました。
昨晩読み終わってからずっともやもやしていたので、それをなんとか抑えたかったという気持ちで書きました。

りゅうおうのおしごと!』という作品は本当に好きな作品となっていまして、これからも楽しく接し続けたいなと思っているのですが、この11巻は相当に衝撃だったので書かずに入られませんでした。
どうなんでしょう、皆さんは「いや、銀子ルートとか最初から決まってたやん」ってわりと冷静なんですかね。
別に、あいルートに行く必要は必ずしもないと私も思っていますが、しかしこの描き方は残酷だと思いませんかね。
オチなし。