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Angel Beats!10話 幸せなことと悲しいことが入り混じり、胸が締め付けられる

10話はリアルタイムで見れず、ブログや2chtwitterなどからの情報はシャットアウトして、10話を見ることになりましたが、1回目を何の干渉も受けず見れたことは幸せでした。本編も何度も見直しましたし、プロポーズシーンに関しては、何度も何度も見返しました。
1回目、当然、先が予測できません。冒頭、ユイを消すことにするという言葉があり、不安しか生まれませんでした。ユイは、このSSSが存在する世界に来る前は寝たきりだったそうです。体が動かせないから、何も出来ない。出来るのはテレビを見ることぐらい。音楽だけでなく、サッカー野球プロレス…テレビから多大な影響を受けていたようです。私も、もっともっと遊びたい、普通に部活をやってみたい、体を動かしたい。そんな思いから、このSSSが存在する世界で好き放題しようとしていたようです。まずは音楽をやって、次は野球やって、次は…。
そもそも成仏することは幸せなことなのか、正しいことなのか、そういうのがきっちり視聴者側に提示されていないから益々もやもやしてしまう。音無は、ユイがやりたかったことを全部やらせて、成仏させることが良いことだと、正しいことだと信じてやっている。それは9話の決心でも分かります。ですが、それはあくまで音無が思っていることで、私たち視聴者としては自分で判断するしかない。だから、今回音無がやろうとした行為は本当に必要だったのか?という疑問も当然生まれてくる。
ユイの心残りは、やりたいことを目一杯やることだけではない。生前、寝たきりで、歩けないし立てないし、自分一人では何も出来ないこんな私を、もらってくれる人がいるのかな、という気持ち。つまり結婚、これもユイの心残りの一つでした。そして、それと並行する形で、そんな寝たきりの自分をずっと介護してくれていたお母さんに「楽をさせてあげたい」というのもユイの心残りの一つでした。
特に、結婚と、お母さんに楽をさせてあげたい、というのは非常に難しい問題で、SSSの存在する世界で普通に過ごしているだけでは、解決には時間がかかったことでしょう。それを、今回音無が手助けしたことにより、叶ったわけです。そしてユイは成仏しました。
プロポーズのシーンを何度も何度も繰り返し見ていて、繰り返すごとに胸が締め付けられるようになるのは、ユイが心残りがなくなり成仏することで自分(私)の心が満たされると感じることと、消えてしまうことでユイにもう会えなくなるという気持ちが入り混じるからでした。
また、この作品の世界観のせいでもあります。つまり、果たしてこの世界はifの世界なのか、現実もifなのか、はたまたみんな昏睡状態に陥っているだけで実はこのSSSの世界から成仏すれば現実に戻れるのか。ユイと日向の幸せな回想は、妄想なのか。こうなったらいいな、幸せだなぁ、という思いなのか、それともこれからこういった事(ユイと日向が出会う)は現実でも起こるのか。そもそも来世のことなのか。
そこのところがハッキリしないから、プロポーズ後、あの回想を見るたびに、幸せなユイと日向の絵を見る度に、胸が苦しくなります。ねぇ、ユイは、日向は幸せになれたの?なるの?なれないの?
Change the World。物語の根本の部分が明かされることにより、このもやもやを早く取り去って欲しい。何度でも見返すけれども、何度でも胸が苦しくなる、10話でした。
なお、プロポーズシーンの文字起こしも別記事にありますので、よろしければどうぞ。
今回の10話は心に残るセリフがたくさんあったのですが、最も琴線に触れたのは日向の「どこで出会っていたとしても、俺は、好きになっていたはずだ」というセリフでした。このセリフは、本当に綺麗で、心が洗われるようで、日向の全てが出ているようで、ユイに対する全てが出ているようで、また感情が最高にこもっており、もう全てが最高のセリフで、このセリフだけは何十回と繰り返して見ても、吐きそうになるほど感動する。