5巻までの状態でもう少し考察を深めようとしていたのですが、色々とやることが多くて、考察を待っていると年が明けてしまうなぁと思ってたら本当に明けてしまったので、いよいよ6巻を読みました。
いつもながら、初見の感想を残しておきたいと思います。
6巻までのネタバレを含みますのでご注意ください。
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フォスが引っ掻き回して怒られる
元のフォスが戻ってきた、なんて平和に皆から突っ込まれているフォスですが、ここ最近暴走しすぎでやばい。
二人も月へ行かせてしまった罪は、実際思っている以上に重いのではないか。
ただ、徐々に自身でその問題に気づこうとしているのは好感が持てます。そこまでセットで読まないと、リアルタイムで読んでいた方は毎話フォスにイライラしていたのではないでしょうか。
本来思い通りにならないことが多いはずなのに、なまじ身体が強化されてしまったが故に、フォスは気持ちが先行しすぎているというか。
月にもう誰も取られたくない、と人一倍強く思っているはずなのに、無茶をしてフォローされるということを何度も何度も続けているのはフォスの精神状態の危うさを表していると思います。
とはいえ、フォスは本編でゴースト(カンゴーム)に散々怒られているので、私があらためてここで書くまでもないのかもしれません。
というか6巻は丸々、やらかしたフォスが怒られる話と言えなくはない。
「手足に加え正気までなくしたら今以上に何もできない」という言葉はその通りすぎてぐうの音も出ない。
シンシャ、あぁシンシャ
シンシャのことは深く沈めておこうと決めて、きちんと切り替えられていたと思ったら……まぁ無理ですよね。
だって、深く深く刻みつけられているのだから、それを更に深く沈めて思い出さないようにするとか無理ですよ。
深く沈められないが故に、また危機感が遠のいて、結果今回は自分の頭を失ってしまう。
ここまで空回りし続けるフォスを見るのは辛い。その辛さを一時的にカットするために頭を落としたのかもしれない、なんて考えるほどに。
しばらくフォスの人格が表に出ず、他のキャラクター視点で進むのではないかとも考えられますが果たして。
もしかしたら、ここでようやく月のことが描かれるのかもしれません。頭部だけ月へと運ばれたフォスが、そこでいろんな物を目にして……という。
これまで月に攫われた宝石は、修復可能なレベルまで回収できたことがないということです。
きっと、フォスは戻ってくるのでしょう、いろんな月の情報を持って。
宝石たちのアイデンティティ
ラピス・ラズリが頭部だけ残っていたという事実に驚きましたが、それをフォスの胴体につけるという発想もすごい。
カンゴームは成功すれば近道だといいますが、ここでいう「近道」ってどういうことなんでしょう。
頭部はラピス・ラズリなわけですから、フォスではありません。
ラピス・ラズリの頭を付けたら、しばらくしてフォスの頭が生えてくるわけではないでしょう。
ただ、宝石たちのアイデンティティとはどこから来るのでしょうか。何を持ってその宝石が「その子」だとたらしめるのか。
人間的に考えているから脳みそが大事だと思うわけですが、宝石たちは体全体が宝石なわけで、宝石がたまたま顔をかたどっているといえなくはないはずで。
身体を失うと記憶が失われていくのは事実のようですが、頭が失われたからといって必ずしも意思がなくなるわけではないのではないか。
ラピス・ラズリは頭部のみ残っているにも関わらず意識がないと想定されるので、素直に考えると一定の割合が削られると活動停止に追い込まれるということでしょうか。
ただ、フォスは意思疎通ができていないので、頭部は会話や意思を司る部位として重要であることは変わらないのか。
ラピス・ラズリの頭部をフォスにつけて上手くいったとして、その意志はどちらになるのか。フォスに少し影響を受けたラピス・ラズリ、のようになるのか。
このあたりの理屈がどう説明されるのか楽しみですし、考察しがいがありますがこの記事ではこのあたりで止めておきます。
終わりに
巻を追うごとに、真相に迫りつつもまた戻るということが続いている気がします。
6巻ではフォスのやらかしに一区切りついた気がするものの、この作品の主人公は「一応」フォスのはずなので7巻もカオスなことになるのではという気がします。
いやー、なんというか、ちゃんと考えて読まないとスーッと意識が持っていかれそうになる6巻でございました。